きっと隣で君は、花のように笑うだろう
義勇もきっと、買い込んだ絵葉書に一言一言丁寧に書き添えて過ごすのだろう。大事なあの子へは、とくに気合いを入れてペンを走らせるに違いない。いや、その前にクリスマスカードが先だろうか。やっぱり家族全員分のカードを買って、一人ひとりに渡すのだ。それぐらいの労力は、こいつにとっては息を吸うより当然のことなのだろうから。
負けてたまるかと気合を入れて、錆兎は、クリスマスカードを眺め出した義勇をおいてレジへと向かった。
この桃色の、花にあふれた便箋を受けとる真菰の笑顔は、義勇のあの子にも負けないくらい、きっとかわいい。それこそ可憐な花のように違いないのだ。
春になったら、今度は真菰とふたりで便せんをえらぼう。離れても想いを伝えあうために、ふたりで。
でもその前に、義勇の誕生日を二人で祝うほうが先かな。
錆兎は、真剣にカードを吟味中の親友をちらりと見て、笑った。
作品名:きっと隣で君は、花のように笑うだろう 作家名:オバ/OBA