炎倶楽部 第壱話 炎の剣士たち
炎の剣士たちは、鬼が消えたのを確認すると、早々と帰途に就いた。
「ねえ煉獄さん」
蘭須郎が、戦闘時に「炎柱」と呼ばれていた青年に話しかけた。
「ん?どうした灯(ともしび)青年」
「さっき、煉獄さんはあの鬼に『俺と君とは笑いのツボが違う』と言ってたんですが、煉獄さんの笑いのツボって何ですか」
阿礼楠と或仁も、煉獄と呼ばれる青年の顔を興味ありげに見た。
「笑いのツボと言うべきかは分からないが、灯青年たちが楽しそうにしている姿を見ると、俺もおのずと笑顔になる」
数秒間の沈黙のあとに彼が出した答えに、一同は微笑んだ。
「俺たちみんな、笑ってる煉さんが好きだよ」
阿礼楠がさりげなく言うと、煉獄は目を細めた。
「炎柱」こと煉獄 杏寿郎(れんごく きょうじゅろう)、「阿礼楠」こと紅 秀人(くれない ひでと)、「或仁」こと曙 結子(あけぼの ゆうこ)、「蘭須郎」こと灯 春馬(ともしび はるま)。
彼ら4人は「炎の呼吸」を用いて鬼を滅し、人々の心を燃やす剣士隊、人呼んで「炎倶楽部」。
作品名:炎倶楽部 第壱話 炎の剣士たち 作家名:藍城 舞美