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第三皇子と皇子直属学者

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『感情と好奇心』

「キミを羨ましく思ったこともあるんだ」

突然始まった二人きりでの食事、いくらか進んでからそんな話題を出された。
「羨ましい、ですか」
「ああ」
テーブルの向こうの相手は、手にしたグラスを静かにまわしながら眺めていた。グラスに僅かに残ったワインの跡。そこよりも随分低いところで赤い水面が揺れる。
「キミは為せば為すほど周りが認めていくからな。それに比べて私は、そうするほど敵が増える。命を狙われるほどに·····」
「·····」
『第三皇子』の肩書きを持つ目の前の人物は聡明であると評判だったが、その分疎まれることが多かった。帝位継承。一国をかけた蹴落としあい。誰一人として譲るつもりのない席を奪いかねない存在とあれば、そうなるのも当然だった。
そこまでは事実だろう。ただ『羨ましい』というのもそうなのかは正直ロゼルタには判断しかねた。
立ち回り一つ間違えば命を落としかねない場所で生きてきた人物である。芝居の一つや二つは打てるだろう。

しかしそれを踏まえても、今彼がここで見せている表情は、そこにある感情は、なんと興味深いものだろうかと、ロゼルタは密かに思った。

作品名:第三皇子と皇子直属学者 作家名: