BUDDY 9
確かに、助けてくれと言えば、あの男ならばやりかねない。特に凛のたっての頼みであれば、渋々であろうと承諾する。
「……だめだ」
「なら、ランサーに——」
「なおさら、だめだ!」
なぜだろう、私は、士郎を誰にも触れさせたくないと思っている。
「じゃあ、どうするのよ。効率が悪いけど私がやりましょうか?」
「いや……、そもそも私の契約方法が未熟だったのだろう、この状況は私の撒いた種だ。したがって、尻拭いは私がする」
「そう? じゃあ、お願いね、アーチャー。私たちは登校したら夕方まで戻らないから安心して。それから、だぁれも来ないように結界を張っておいてあげる」
要らぬ世話だとは言えず、こくり、と頷き、ほっとした様子で出ていった凛を見送った。
そうして夕刻。
どうにかコトを終え、“無事”目を覚ました士郎に、
「尻が痛えよ、この、ヘタクソ!」
暴言を吐かれ、呆然自失のまま夜を迎えた。
BUDDY 9 了(2021/10/27)