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再見 五 おまけの詰め合わせ〜

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 藺晨が、ろくでも無い考えを巡らせている事を察した、飛流の目が吊り上がり、急いで、座った長蘇の陰に隠れた。
 肩越しに藺晨を見て、長蘇の肩を小さな手で、ぎゅぅっ、、、と、、。
 そんな飛流を見て、藺晨の胸が、きゅんと締め付けられる。
「、、、ぅぁ、、、っ、、ツリメ、カワッ、、。」
『馬鹿ッ。』

 黎綱が突然話し始めた。
「あぁ、そうなんですか。うふふふ、私にも貸して頂けるんですか?。、、、、私も若閣主の衣は、ちょっと恥ずかしですが、、、思い切って着れば、案外似合うかも、、、、テヘ。」
 夢見心地の藺晨を、黎綱の言葉が目覚めさせる。
「は?、、、、、、、オマエ、マサカ、、。」
「私、体が大きいもので、若閣主の衣じゃ、つんつるてんになるかもですが〜、あははははは。」
「あははじゃねーよ!、お前も来る気か?、は?。」
「えっ?、私が行かなくて、誰が宗主の背中を洗うと?。」
「、、、!。
 、、長蘇、、お前って、一人じゃ、風呂に入れないのか?。」
『入れる!、入れるよ!。』
 慌てて長蘇が訂正するが、畳み掛けるように、更に黎綱が言う。
「若閣主、知ってますか?、宗主の背中には、旋毛(つむじ)が2つ有ってですね、テキトーに洗うとですね、旋毛の毛流れの向きが変わって、『何かヘンだ』って、宗主が気にして、もそもそ背中を柱に擦りつけるんですよ。この私が、そんな敏感な、宗主のお背な毛のお世話せずに、誰が出来ると!。」
 自信満々に黎綱は言い放つ。
 また置いていかれるっっ、と察した黎綱が、必死に食い下がった。
「私が行かないとですね!!、困るのは宗主です。若閣主だって、ムズムズしてる宗主を見るのは嫌でしょう?。
 だから私を連れて行って──!!。」
「、、ぅうっ、、。」
 たじろぐ藺晨。
「宗主は今、繁毛期なので、毛が抜けて、排水口に抜毛が溜まって溢れるかも、、。」
「え、、排水口、つっかえる?。まじ?。」
 藺晨が長蘇を見る。
『犬猫と、一緒にすな!。』
 長蘇は藺晨と黎綱に言い返す。
 黎綱の渾身の行きたい感が、伝わってくる。
「、、、黎綱、落ち着け。今から行く温泉はな、軽功を修得していなければ、とても行けぬ場所にあるのだ。
 山一つ越えた、谷間にある。
 長蘇も飛流も知らぬ場所なのだ。私は二人を連れて行くのに精一杯だし、長蘇も飛流も、軽功で黎綱を連れて行くには、ちと、遠い。
 黎綱、、お前が行きたいという願望を叶える為には、長蘇と飛流の軽功では、負担が大き過ぎるのだ。オマエ、体重も重いし、、。」
「がーん。、、、また私だけ行けないんですかぁ〜〜。確かに〜、ちょっと太りましたけど〜、、。
 そんなぁ〜〜、、、、グスッ。」
 衝撃を隠さない黎綱。傷付いた姿を露わにして、罪悪感を絞り出す作戦に出た。
「残念だが、、、諦めろ黎綱。」
『あー、悪いな黎綱。温泉水、お土産に持ってくるから、顔につけたら、すべすべになるんじゃないか?。な?な?。』
「あー、肌、ぷりぷりになるぞ。若くなる!。うん!!。な!。いっぱい持って来てやる。な。」
 、、黎綱を説得する二人。
 だが説得もどこか心在らずで、二人共、心は温泉に向かっているかの様だ。
「長蘇、飛流、さ、行くぞ。日が暮れるまで、帰れなくなる。」
『おぅ!。』
「、、、。」←飛流
「黎綱、じゃーなー。」
 藺晨はそういうと、長蘇と飛流の手を取って、部屋の窓から、二人を連れて、琅琊閣の空へと飛んで行った。
「あ─────、、そんなに急に、、。

 お土産──、忘れないで─────。」


 部屋から三人を見送る黎綱。
 何処か騙された感が、しないでも無いが、、。
「、、うふふふ、、、。温泉水、、すべすべ、、。  日帰り温泉だし、、夜には、、うふ、、うふふ。」

 心は美肌温泉水に、、、。





 だが、あの時間から山越えの温泉に行って、日帰りなぞ出来る筈が無いと、黎綱が気付いたのは、夜も遅くなってから、、、。

 温泉、、凄く楽しかったのか、三人は数日帰って来なかったのだった、、、。


「宗主と若閣主の、、、うそつき、、、グスッ。

 

  、、、、マ、イイカ、、、、、、、美肌♡、。」




──────その三 糸冬──────