BUDDY 13
判決文のような言葉が耳に吹き込まれる。もう断罪でも冤罪でも受け入れてしまいそうだ。
「……………………いやじゃ……ない……」
ふ、とアーチャーの吐息が頬を掠める。心臓がバクバクして、息が苦しい。
いっそ嘘でもいいから、好きだと言ってくれたら、腹が決まるのに。
言ってくれないから、踏み出せないのに……。
アーチャーは、俺を好きか?
たったひと言が口から出ない。こんな簡単な言葉が、難しい。
キスは甘いのに、飲み込んだ言葉が苦い。
目を逸らせば、アーチャーの肩越しに見える視界が滲んでいく。
それを認めるのが嫌で、瞼を下ろした。
BUDDY 13 了(2022/2/12)