天空天河 一
序章
樹海を行かば、秘境、琅琊塞。
琅琊塞を更に進むと、
列柱の様な岩山の中央に、
一際高い、天空に聳(そび)える石柱が、、。
琅琊山を眺む琅琊塞は、古から、叡智の山として一目(いちもく)置かれていた。
藺一族が、この世の叡智を掌握していた。
琅琊塞は、世の疑問を、全て解き明かした。
琅琊塞の奥深く、眠る至宝があると。
それは深く深く、琅琊塞の深淵に収められ、護られている。
謎に包まれた至宝を見た者は、直系の藺一族でも居ない。
『至宝なぞ、有りはしないのだ、伝説に過ぎぬ』
そう言う者もいる。
至宝は主を選び、主の望みを叶えると。
だが、主の持ち物を奪うとも。
語られる事の無い物語は、
この天空天河が知っている。