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手袋を買いに行ったら大好きな人ができました 3

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 涙を拭ったときに、しっかりとしまい込まれていなかったのでしょう。慌ててハンカチを拾おうとしますが、イタチ顔の『災い』が振るう爪のせいで、善逸はお守りのハンカチに近づけません。
「あっ!! 善逸、危ないっ!!」
「紋逸ぅっ!!」
 炭治郎と伊之助が必死に駆け寄りますが、ハンカチを拾おうと身をかがめた善逸にコウモリ女の牙は迫っていて、間に合いそうにありません。
「駄目ぇっ!! 一二三四五六七八九十の十種の御寶!」
 禰豆子が唱える呪文が響いて、禰豆子の髪を結わえていた組紐が、きらきらと光り輝きだしました。
「善逸さんにひどいことしないでっ!!」
 叫びながら禰豆子が駆けると、なぜだか『災い』たちはピタリと動きを止め、フラフラと揺れながらゆっくりと跪きました。
「……ご命令、を」
 『災い』たちは酔っぱらったようにぼんやりとしながら、禰豆子に向かってそう言うと、頭を下げています。
 きっとこれが恋柱様のご加護なのでしょう。善逸の元に駆け寄った炭治郎と伊之助が顔を見合わせる前で、禰豆子は震えながら言いました。

「無惨のところに案内して」

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇