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手袋を買いに行ったら家族が増えました

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 大きなお仕事机に向かい、冬に備えて手袋を作っている洋服屋さんの手元を、背伸びした小さな男の子と女の子が覗きこんでいます。子供たちの頭には大きな狐の耳。ふりふりと楽しげに揺れる尻尾は真っ白な狐の尻尾です。
「義勇さんは錆兎と真菰に甘すぎです。あと、俺のこともかまってください!」
 プンッと腰に手を当てて言う店員さんの頭にも、大きな狐の耳がぴくぴくとしていて、お日様模様の耳飾りがきらきらと光っていました。怒ってみせていた顔は、すぐに悪戯っ子のような笑顔になって、子供たちより立派なふさふさの尻尾も、ふりふりと揺れています。
「ならお茶にしよう。そろそろ禰豆子たちも来るだろう」
 手を止めて立ち上がった洋服屋さんには狐の耳や尻尾はありませんが、小さく笑った顔は、男の子とよく似ています。女の子の顔は店員さんそっくりでした。
「やったぁ! お母さん、伊之助さんが来たら遊びに行ってもいい?」
「いいでしょ? お母さん。一緒にドングリを拾うの! 今日は私が一番つやつやのドングリを拾うんだぁ」
 いいよと笑った店員さんの大きな耳がピクンと揺れました。カランと耳飾りを鳴らして、店員さんが振り返りました。
 どうやら覗いていたのを気づかれてしまったようです。でも心配はいりません。店員さんはお日様みたいな笑顔で、あなたに言ってくれるでしょう。

「いらっしゃいませ! どうぞお入りください。注文の品が出来上がるまで、お客さんも一緒にお茶をどうですか?」