彼方から 第四部 第三話 ― 祭の日・3 ―
背後の人物の『気』が、揺らぐ。
「しかし――何が幸いするか、分かりませんな」
そんな微かな揺らぎなど気に留める様子もなく、占者ゴーリヤは言葉を続ける。
「見つけましたよ、ラチェフ様……【天上鬼】と【目覚め】を」
柱の傍らに立ち、『失敗』に僅かに眉を顰めるラチェフを、肩越しに見やりながら……
一息の間を置き……
「――ほう……」
そう零したラチェフの表情は冷たさを帯び……
瞳には強く、凍えるような光が宿っていた。
彼方から 第四部 第三話 ― 祭の日・3 ― 終
第四部 第四話に続く
作品名:彼方から 第四部 第三話 ― 祭の日・3 ― 作家名:自分らしく