二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」
藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

炎倶楽部 第肆話 新たな部員

INDEX|1ページ/3ページ|

次のページ
 

 ― 令和X年11月某日。その日は、「炎倶楽部」の部長を務める炎柱こと煉獄 杏寿郎(れんごく きょうじゅろう)が天上の世界に「凱旋」した記念日なので、大祭を開くことになっている。

 神のおわす天上の世界にある、何本もの桜の木が常に満開に花を咲かせる草原に、「炎倶楽部」のほか、彼らの公式応援隊の面々に加え、煉獄の母親までもが来ていた。
 温かそうな赤い襟巻を着用し、ところどころに金色の流麗な模様のある黒い着物の上に家紋「剣五瓜に唐花」が施された白い羽織をまとった煉獄が、はつらつとした声で話し始めた。
「この良き日に、『炎倶楽部』に新たに1名が入部する」
 副部長の紅 秀人(くれない ひでと)、幹部の曙 結子(あけぼの ゆうこ)、幹部の灯 春馬(ともしび はるま)は突然の発表を聞いて、小さく喜びの声を上げてお互いの顔を見た。部長は話を続けた。
「それでは、拍手で迎えよう。陽炎 璃央(かげろう りお)青年だ!」
 その直後、明るい髪色でスラリとした体型の美青年が、1本の桜の木の陰から現れた。紅、曙、灯は彼を拍手で迎えた。陽炎は煉獄部長のそばまで来ると、集まった人々のほうを向いて深々とおじぎをした。カリスマ性と人格を備えた美男美女を目の前にして、彼は非常に緊張していた。
「ただ今ご紹介をいただきました、陽炎 璃央と申します。年齢は18歳です。よろしくお願いします!」
 陽炎が一礼すると、部長と幹部たちが再び拍手をした。紅に至っては、
「若いっ!」
 と掛け声をかけた。陽炎は、照れ笑いしながら頭をちょこんと下げた。
「えーと、このたびは、僕を『炎倶楽部』にお招きしてくださった煉獄部長に、心から感謝します」
 そう言うと、煉獄部長のほうを向き、うやうやしく頭を下げた。部長は、深くうなずいた。

 そして彼は陽炎の前に移動し、
「これより誓約の儀を行う。陽炎青年、膝を突け」
 新入部員は言われたとおりにすると、煉獄部長が抜刀し、刀を水平にして相手の右肩に当てた。陽炎は内心震えていたが、部長に真剣な目を向けた。
「陽炎璃央青年。貴君は常に己の心を燃やすか」
「燃やします」
 次に、部長は刀身を新入部員の左肩に当てた。
「己の能力を生かして悪鬼を滅し、人々の心をも燃やすか」
「燃やします」
 部長は軽くうなずくと、陽炎に一層熱い視線を向けて話した。
「貴君の一連の言葉に、うそ偽りはないな?」
「ありません」
 
 部長は刀を新入部員の肩から離し、鞘に収めた。
「これこそ、われら炎俱楽部の責務。陽炎青年、それを常に心に留めておけ」
「はい、留めます」
 彼は深くうなずいた。