二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」
りむすれいあ
りむすれいあ
novelistID. 4902
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

ひばたん

INDEX|1ページ/4ページ|

次のページ
 
 暖かくなり気持ちよく眠れるようになった春の日の夜。最小限の家具しかない殺風景な部屋で、不釣合いなほどにかわいらしい歌声が流れた。
「ヒバード……、うるさいよ」
 小さな物音ですら目覚める雲雀には愛鳥の声すら不快に感じられ目覚めるが、不機嫌そうに呟いて寝返りをうつ。
「ヒバード、……電話っ」
 注意しても止まらない愛鳥の歌声に、雲雀はそれが携帯から聴こえてくることに気づく。愛鳥の声が流れる相手を思い出すと慌てて飛び起きる。
「綱吉…」
 歌い続ける携帯を手に取り開くと、そこには思った通りの相手の名前が表示されていた。雲雀は思わず緩む口元を隠すように手で覆い電話に出る。
「綱吉から電話くれるなんて珍しいね」
「ええ、ちょっと。もう寝てましたよね、すみません」
 相手がわかっているのもあり、雲雀は電話の定番の受け答えをすることなく問いかけから入る。自分を崩すことのない雲雀の言動には慣れているのか、綱吉は驚くこともなく遅い時間にかけてしまったことに穏やかな声で謝罪を告げる。。
「恭弥さんは元気にしてるかなって……。オレだって声を聞きたいって思うことあるんですよ」
「綱吉の声が聞けたから元気になったよ。だけど……会いたいよ。会って触れて綱吉の温もりを感じたい」
 遠く離れたイタリアの地から聞こえてくる恋人の声だけでは物足りないと、雲雀は他の誰にも聞かせたことのない甘えた声音で綱吉へと強請る声をかける。
「オレも会いたいです。会って抱きしめたい……。だからドアを開けてください」
 愛しい相手からの耳をくすぐる優しく甘い声にうっとりと目を細めて聞いていた雲雀は、続けられた言葉に反射的にベッドから起き上がる。深く考えることも出来ず玄関へと走りって向かうと、まわりを確認することなく鍵を開けて扉を開く。
作品名:ひばたん 作家名:りむすれいあ