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ワクワクドキドキときどきプンプン 一日目

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 とくに宇髄と錆兎はなにやら気があったらしい。もともとこのお泊りも、寮生である宇髄が寮母さんが休みを取る四日間おまえの家に泊めろと、錆兎に言ったのがきっかけらしい。

「家に帰りたくないからって、今までは寮が休みになると友達の家を泊って回ってたらしいんだけどな。俺の家に道場があるって知ったら、道場でいいから泊めろとか言い出したんだ、天元のやつ」
「煉獄さんもね、それなら自分も泊まりたいって言うの。義勇と稽古したいからって。義勇は煉獄さんのことちょっと苦手みたいなんだけど、鱗滝さんがせっかくできた友達なんだから泊まってもらえって言うから、OKしたんだぁ」

 だから炭治郎と禰豆子も泊まりにこい。

 そんなお誘いに、炭治郎たちまでお泊りして大丈夫なんだろうかと、お母さんたちはちょっと心配したけれど、鱗滝さんもぜひと言ってくれたので。まだ子供だけでバスに乗ったことがない炭治郎たちは、煉獄が迎えに来て一緒に行ってくれることになった。宇髄は途中から同じバスに乗るらしい。
 いってきますを元気に言って、炭治郎は、禰豆子と手を繋ぎ弾むように歩く。
 傍らを歩く煉獄の手には、炭治郎と禰豆子の服が入った紙袋と、全員分のお土産のパンが入った紙袋が二つ。肩にかけた煉獄自身のバッグや竹刀袋もあるから、大層な大荷物だ。

 炭治郎は申し訳ないなと思ったが、煉獄はまったく苦にした様子もなく、軽いものばかりだから気にするなと言ってくれた。
 元気で明るい煉獄は本当にいい人だ。仲良くしてもらえて、とってもうれしい。いつも静かで気配の薄い義勇とはだいぶタイプが違うけれども、煉獄も格好良くってやさしいお兄ちゃんだ。
 宇髄だって派手でちょっと口は悪いけれど格好いい。それに、お喋り上手でお話しするのは楽しいし、本当はとってもやさしい人なんだろうと思う。
 まだ逢ったばかりだけれど、炭治郎は二人が好きになったし、一緒にいると楽しい。
 でも、やっぱり炭治郎が一番好きなのは義勇で、義勇と一緒にいると、誰といるよりもドキドキするのだ。

 独り占めしたいなと思って、やきもちを妬いちゃうのは義勇にだけ。特別になりたいと思うのは、炭治郎のたった一人のヒーローである義勇にだけだ。

 義勇はまだぼんやりとすることが多くてとっても無口だし、顔を見てもなにを考えているのかわからないことが多いけれど、一緒にいるだけで炭治郎はうれしくてたまらなくなる。瑠璃色のきれいな瞳に見つめられるとふわふわと幸せな気持ちになるし、ドキドキしてちょっぴり恥ずかしいような気持にもなった。

 そんな義勇とずっと一緒にいられる、ワクワクドキドキのゴールデンウィークは、始まったばかり。