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穴場の消し方

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「っ…、痛みは、ないか?」


控えめに訊ねると、小刻みに金の頭が頷いた。


「そこ、ばかり…だと、……達してしまいそうだ…っ」

「……。」


そ、そうなのか。
そんなに気持ちいいのか、杏寿郎。
俺も動きを変えたらその拍子にイきそうなほど気持ちがいいぞ。

一瞬絶句してしまったが、気を取り直して緩んだ表情を引き締め「承知した」と低く切り返した。

ぐっと腰を引き、かり首が出る寸前まで逸物を抜いていく。
そのまま角度をつけて入口付近の浅い部分を擦ってやると、腹部がびくびくと痙攣し再び抗議の声があがった。


「そっ…それも、…うあッ、……だっ…駄目だ、ッ」

「…………。」


ああ。可愛い。
身体を快楽の波にびくつかせながら、甘い声で達しそうだ、駄目だと言われ、試されるかのように息子を締め付けられて。
もう限界だ。よく耐えたと己を称賛したい。

胸中で悶絶し、ひと息に奥を穿った。


「っあ!待っ……あか、ざ…っ」

「はあっ、杏寿郎……もっと、もっとだ…、乱れるといい…ッ」


水飛沫を上げながら、間断なく思いきり腰を奥へと打ちつける。
奥の更に深いところを目指してごつごつと抉るように押し込むと、手の中で煉獄の雄がびくんと跳ねて先走りをしとどに流した。


「ッ…は、……ぁ、や、やめ…っ」


嬌声を噛み殺してはいるが、ぐちゅぐちゅと淫靡な音を立てて扱かれている屹立はこれ以上ないほど張り詰めている。
浮いた血管すら愛おしく、薄い皮の上から陰茎を一度優しく撫で、追い込むように激しく扱き上げた。


「…いつでもイけ、杏寿郎…」

「ぅ、ぐ…、っ、もう…ッ、ーー!」


身体を痙攣させ煉獄が果てる瞬間、胎内がきつく収縮し真空化され、収めていた肉棒が圧死させられる予感に肌が粟立ち、ずるりとそれを救出する。
己の手で扱くと、九死に一生を得た息子は呆気なく精を放った。

二人分の白濁が湯の中に花ひらく様を視界に映しながら、呼吸を整えて猗窩座は言葉を落とす。


「…杏寿郎。…前に俺の行為は、腹の中で列車が衝突事故を起こしているようなものだとか、言っていたな?」

「……うむ。」


荒々しい息遣いのまま振り返り、あのときの発言は間違いではなかったとばかりの神妙な面持ちで頷く相手に、こちらも神妙に返した。


「言わせてもらうがな……お前の締め付けとて、四方八方から列車が魔羅に衝突してくる程度の圧力はある。鬼でなければ男の機能を失っているだろう」

「なっ…!?」

「特にお前がイくときは、急所を討ち取られる恐怖すらあった。意図してできるものでもないだろうが、鬼をも上回る胆力を見せるお前だ。己の馬鹿力を自覚しておくことだな」

「そ…そうだったのか…」


気まずそうに視線を外しつつ呟く煉獄に背を向けて、離れたところで一度肩まで湯に浸かる。


「まあ、お互い様ということだ。それより杏寿郎、早く汗を流せ。まもなくそれが拡散される」


水面を漂う白濁は、ふわふわと揺らいで今にも湯と混ざり合いそうになっていた。
煉獄もこちらに倣って反対側の縁にいそいそと移動し、身体を温める。
少しして揃ってあがり、互いの精液が溶けた湯で全身がまみれるような事態は免れた。

手拭いで身体を拭き身なりを整え、不意に煉獄が真剣な様子で口をひらく。


「…うむ。ここは埋め立てよう」

「ほう?杏寿郎の割には突飛な提案だな。何故だ?」


珍しい発言に思わず口角を上げて訊ねると、固い声が返ってきた。


「ここの湯場は汚染された。見ず知らずの人が入ることを思えば、存在自体を消したほうが世のためだ」

「なんだそんなことか…。考えてもみろ、そもそもここに不純物は皆無だったのか?どこぞの年寄りが入った拍子に小便を垂らすなんてこともあっただろうな」

「む…。それもそうだが、いかがわしい行為の副産物と比べれば、小便など可愛いものだろう」

「俺に言わせれば同じ生理現象だ。放っておけ」

「ならば一人で実行する。……万一、うら若い生娘が入るやもと思うと、俺はもう胸を張って生きられない」


猗窩座はにべもなく一蹴したが、煉獄のその言葉に脊髄反射のように身体が停止する。


「……。」

「下がってくれ。一瞬で多くの面積を根こそぎ抉り斬ーー」

「いや、杏寿郎の言うとおりだな。この場一体は即刻消滅させるべきだ」


手のひらを返したこちらに、抜刀しようと刀の柄に手をかけたままきょとんとした煉獄だったが、持ち前の判断力ですぐに思考を切り替え、力強く頷いた。


「では、俺は広範囲を削るから、君は深く穿ってくれ」

「いいだろう」


その数秒後。
けたたましい爆音と巨大な火柱が天に向かって立ち上り、温泉のみならずその竹林がまるごと消え去った。


「少々力が入り過ぎてしまったが、後顧の憂いは絶ったな!」

「ああ。いい湯だった」


土が盛り返されるように吹き飛び、半円状に深く沈み込んだ大地には岩肌が剥き出しになっている。
荒廃としただだっ広い空間に佇む二人の表情は実に晴れやかで。

後日、温泉を紹介してくれた宇髄に穴場の消失について詰め寄られ、返答に窮する煉獄なのだった。

fin.
作品名:穴場の消し方 作家名:緋鴉