ワクワクドキドキときどきプンプン 3日目
あぁ、まったくもって、すごい子供たちだ。なんて頼もしい仲間たちだろう。
煉獄は優等生だ。喧嘩などしたことがない。竹刀はあくまでも剣道のための神聖な剣であり、ゲスな輩を打ちのめすためのものではない。けれど。
こんな時ではあるが、ワクワクするのだ。ドキドキと胸が高鳴る。恋愛ごとではないが、縁は異なもの味なもの。ライバルであり、尊敬すべき剣士である義勇。頼もしい子供たち。信頼できる友人。この縁を僥倖と言わずしてなんと言おう。
炭治郎を抱えたうえ、禰豆子までおぶって走る義勇の足どりは、見るからに危なっかしい。煉獄はすぐに追いつくと、笑いながら禰豆子へと手を伸ばした。義勇の背から引きはがすようにして、自分の腕に抱きかかえる。
「禰豆子は俺に任せろ!」
こくりとうなずく義勇にうなずき返し、宇髄が錆兎と真菰を両脇に抱え込んだのを見やると、煉獄は腕のなかの禰豆子に笑いかけた。
「飛ばすが怖くはないかっ、禰豆子」
「平気!」
「うむ、では行くぞっ!」
気力十分。体力はまだ残っている。宇髄の先の言をチラリと思いだし、煉獄は禰豆子を抱える腕に力を込めた。
きっとここを逃げ切れば、こちらの勝ちだ!
作品名:ワクワクドキドキときどきプンプン 3日目 作家名:オバ/OBA