ワクワクドキドキときどきプンプン 3日目
不意に、義勇の首に縋る炭治郎の腕に力がこもった。
炭治郎は、ここが義勇の姉たちの事故現場だなんて知らないはずだ。カーブだから振り落とされないようにと、しがみついただけだろう。けれど、義勇にはそれで十分だった。
姉さん、義兄さん……どうか、この子たちを守る力を、俺にくれ。
胸の奥で呟くと、義勇は残る力を振り絞ってスピードを上げた。空き缶にそなえられたしおれた小さな花束は、一瞬で通り過ぎていった。
作品名:ワクワクドキドキときどきプンプン 3日目 作家名:オバ/OBA