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セブンスドラゴン2020 episode GAD2

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 体が麻痺していたリアンは、それほど痛みを感じなかった。
「奴の咆哮には気を付けんとな」
 ウォークライは更に傷付いている。攻めるには絶好の機会であったが、体を麻痺させる攻撃がある以上、同じ轍を踏む可能性があった。
「目には目を、麻痺なら麻痺で攻めるよ!」
 リアンは、ナイフ片手にウォークライに攻めかかった。
 駆けてくる敵を返り討ちにしようと、ウォークライは爪でリアンを引き裂こうとした。
「遅いよ!」
 リアンは、爪が来るのを掻い潜って、麻痺毒を仕込んだナイフをウォークライに突き立てた。
 毒は一瞬にしてウォークライの体に回り、ウォークライの半身を麻痺させた。
「今だよ二人とも! あのドラゴンは満足に動けない、チャンスだよ!」
「言われるまでもない、よくやったぞ本宮! 先に行くぞ四季」
 トウジは前線へと立ち、精神集中を始めた。
「はあああ……!」
 トウジは、精神力が最も充実した瞬間、マナを弾丸に変えて撃ち出した。
「マナバレット!」
 弾丸は見事ウォークライに当たり、ウォークライの装甲を更に砕いた。
「よし、四季、止めをさせ! あそこまで弱った状態ならば、四季の一撃で倒せる!」
 最早迷う事などなかった。
「了解よ、これで終わらせるわ!」
 片腕を失い、ガトウらとの激戦により重傷を負い、更にリアンの毒を食らったウォークライは、地面をなめていた。
「覚悟なさい!」
 シュウが止めの一撃を放とうとした瞬間、ウォークライは僅かに顔をあげ、息を大きく吸い込んだ。
「まずい!」
 トウジは、この攻撃に覚えがあった。渦巻く灼熱の火の玉を吹くウォークライの必殺技である。
「四季、すぐに下がるんだ!」
 トウジは叫ぶものの、ウォークライはすでに火の玉を出した後だった。
「万事休すか……!?」
 シュウは炎に巻かれ、焼死すると思われた。
「やああああ!」
 シュウは、炎に巻かれる前にエグゾーストを発し、防御力を大きく上げた。
ーーそうか、あのエグゾーストがあったか!ーー
 シュウのエグゾーストは何故か効果が大きく出た。エグゾースト状態ならば、ドラゴンの攻撃にも抵抗力を発揮することができる。
 シュウは、灼熱の火の玉を寸前のところで、刀の切っ先で受け止めた。そしてそれを逆さまの空へと弾いた。
 シュウは、エグゾースト状態のままウォークライへと斬りかかった。
「これで倒れろ! やあああ……!」
 シュウは、大技を透かされ、最早動くことができなくなったウォークライに向け、大きな跳躍から勢いを付けて止めの袈裟斬りを放った。
「グアアアア……!」
 シュウの渾身の一撃を受け、ウォークライは断末魔の叫びを上げた。
 ウォークライは死んだ。
 帝竜を倒したことにより、その支配下に咲くフロワロも生命力を失い、散っていく。その風景は、まるで死した帝竜を葬送しているかのようだった。
「……勝った、の、私たち」
 シュウは、自らがウォークライに引導を渡した事が信じられなかった。
「帝竜の生体反応停止。俺たちの勝ちだ」
 トウジは、この激戦の終焉を告げた。
「やったよ、シュウちゃん! わたしたち勝ったよ!」
 リアンは、シュウの腕に絡み付いた。
「おめェら、まさか帝竜をやっちまうなンてな。よくやったぞ」
 ガトウも十三班の勝利に称賛した。
 ふと、ピロピロとトウジの籠手が鳴った。
「こちら十三班」
『情報支援班、ミイナです。まずは帝竜討伐おめでとうございます。ナツメ総長からもお話しがあるそうです』
 通信が切り替わり、 籠手のディスプレイからナツメの顔が映った。
『よくやったわ、トウジ……いえ、十三班の皆』
 ナツメは一言十三班に労いの言葉を告げた。
『早速だけど、帝竜の体の一部を検体として持ってきてちょうだい。Dzの回収も忘れないこと』
 ナツメは、言いたいことだけ言って通信を切ってしまった。
「ナツメの奴め、検体の大切さは分かるが、どこを持ってきていけばいいのか、言い忘れてるぞ……」
 再びトウジの籠手が鳴った。
『ミイナです』
「ミイナか、帝竜のどこを切れば検体になるか分かるか?」
『はい、ご説明いたします。鋼鉄の翼に未だ帝竜反応を感知できます。翼の一部分を採取していただければよろしいかと』
「分かった、翼だな? 四季、奴の翼を切り裂いてくれ。本宮は俺と一緒に散らばったDzを集めるぞ」
 シュウたちは持ち場に付き、それぞれ必要なものを採取した。
「よし、必要なものはこんなものだな。さっさと帰還するとし……」
 突如として、逆さまの都庁が激しく揺れ始めた。
「一体何だ、この揺れは!?」
「都庁が壊れそうだよ!」
「見て、あれ!」
 逆さまの都庁を照らしていた日蝕が、ひび割れ、やがて完全に散ってしまった。
 日蝕がなくなると、揺れは更に強くなった。
「どうなっている……!?」
 日蝕がなくなった空間を中心に、次元に渦が巻いている。
 次元の渦は都庁を吸い込んでいた。
 吸引と同時に、渦は都庁を縦に回転させている。
「おめェら、こいつァやばい! 早く都庁の中に入って、どこでもいいからふン掴め! このままここにいたら異次元に吹っ飛ばされンぞ!」
 ガトウは言うが早いか、ナガレの亡骸を抱え、都庁の内部へ戻っていった。
「ガトウの言うことは本当だ。都庁を吸い込むような力、抗いようがない。急ぐぞ!」
 トウジが言うと、二人は頷き、三人で都庁に入った。
 都庁内部もまるで、大嵐の中を進む船のような揺れ方をしていた。
 とても立っていることなどできず、どこかに掴まっていないと簡単に吹き飛ばされそうだった。
 揺れはやがて収まった。するとシュウたちのいた天井は元通りとなり、三人がいたのは都庁の床であった。
 変化はそれだけではなかった。
 都庁の至るところに咲いていたフロワロは全てなくなっていた。
 そして窓からは黄昏が照っていた。
「どうなった、の……?」
 シュウは誰にともなく話した。
「よっと、うーん、籠手を調べてみたけれど、敵対反応はないよ?」
 リアンは言った。
「おめェらよくやったぞ」
 ガトウが言う。
「都庁をドラゴンから奪い返したンだ。オレたち人間の拠点をな!」
 都庁には、マモノもドラゴンもフロワロもない。完全にダンジョン化する前の姿に戻っていた。
 その後、新宿御苑の地下シェルターに逃げ込んでいた人々も都庁へと移り住んだ。
 そして、都庁奪還の立役者たるムラクモ十三班を労う宴が開かれた。
 それは、ドラゴン来襲前と比べると慎ましやかなものであったが、老いも若きも心の底から楽しんだ。
 人々の力によって、ドラゴンとの戦いの爪跡が残る都庁は改修され、シェルターに比べれば心地よい住み家となった。
 ここから人類の反撃が始まろうとしていた。
 そんなお祝いムードの都庁にて、秘密裏に、ある者が研究室にて一人、研究に没頭していた。
 その者はパソコンに向かい、忙しそうにタイピングをしていた。画面に映るのは様々なグラフであり、DCという円グラフが一際目を引いた。
「……あと二つ、ドラゴンクロニクルを完成させるには必要……」
 謎の研究は続けられるのだった。