君に叱られた
それは、遥香と遥香の時間。
遥香と遥香の時間が終わり、始まる――。
遥香と、サリの時間。
頭の上から『HA』と『SA』の消えた、こちらで側での二人の時間――。
セミの歌声は騒がしく賑やかで、二人で過ごす夏休みの始まりを、どこかで予感しながら、どうしようもなく賑わっているようでもあった。
「あ~のポテトチップスの占い師……、イチゴ全く関係ないじゃない……」
「あっはは……え。……え?――」
サリを見つめた遥香の時間が、一瞬だけ、時を止める……――。
「ま、いいわ……。後で冷やしてから、練乳かけて、一緒に食べましょうね。イチゴ、約束だもん」
サリは顕在的なつり眼で、にっこり――と、遥香に微笑んだ。
「あっははははっ、かっきーーーん!」
「かっきーーーん! 行きましょう、サリちゃん」
「うんっ。行こう遥香ちゃん!」
~完~
あとがき
作 タンポポ
賀喜遥香さんの物語でした。この物語もまた、映像化したら面白くなりそうな秀逸な作品となりました。賀喜遥香さんの主人公となる物語を書くにあたって、まず最初に構想したのは、その飛び抜けた可愛さをどう弄り回すかです。要は、もう一人の賀喜遥香さんを創り出す事でした。
それから、賀喜遥香さんの相棒を汐崎佐里という気難しい人間にして、個性的な四人の仲間達も創り出しました。
ストーリーは何年間も温めていた物で、理想の悪夢というモニュメントをそのままに、『君に叱られた』という新たなテイストを交えて再構成致しました。
この物語はとにかく、賀喜遥香さんと汐崎佐里との夢想の旅路です。かっきーがとにかく可愛らしいので、何度も何度も読み返してみて下さい。頭の中で遥香とサリの姿をイメージできるようになると、よりいっそうこの物語は味を引き出します。
愛を込めて、賀喜遥香さんに捧げたいと思います。――賀喜遥香さん、汐崎佐里はいつもあなたの心の中にいます。読者になって下さったあなたの心の中にも、あの科学部の連中は居座るはずです。
愛を持って書き上げました。どの作品もそうであるように、乃木坂46の栄光を賛美して。賀喜遥香さんの活動に心から感謝して。この作品を手掛けられた事を光栄に思います。
次の作品も、そのまた次の作品も、すでに構想は終わり、後は文字に書き起こすのみとなっております。これからも素敵な乃木坂46の魅力と同じく、素敵な物語をクリエイトしていきたいと心から思っております。伝えたい乃木坂46の魅力は底を尽きません。まだまだ書きますよ~。それでは、また次の作品でお会い致しましょう。タンポポでした。
~完~