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言霊砲

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「もちおぉ? ………。うん、わかった」
 祐希は両手をいっぱいに夜空へと広げ、大きく微笑んだ。
「もちおも、元気で!!」

「わ、びっくりしたぁ……。あうわあ、……痛ってて」
 転んだ社会人の男に、祐希はすぐにお辞儀をした。
「あ、ごめんなさい、でっかい声出しちゃダメですよね、てか大丈夫です……か…、あ」
「痛つつ……。…どうかしました?」
 起き上がろうとしながら、そんな不思議そうな表情を浮かべたのは、あの若葉幸助であった。祐希が【まるでダメの助】と呼び続けた人間である。
 祐希は、どうしようもなく、微笑んだ。
 さっと、祐希は転んでいる若葉幸助に、手を差し伸べる。
「大丈夫? 幸助君」
「ああ大丈夫です、はは、は? あれ…、なんで俺の名前…、知ってるんでしょうか?」
 祐希は無邪気に微笑む。
「なんでも知っとるとよ?」
「はあ?」
「うそうそ、tiktokで見た事あるから……」
「ええ! あのいいね0だった幻の? あのたった1回きりだった歌ってみた動画、知ってるんですか!」
 祐希は頷いて、にっこりと笑った。
 若葉幸助は、繋がれた手と手をそのままに、精悍(せいかん)な笑みを浮かべる。
「どうも初めまして、若葉です。若葉、幸助といいます」
 祐希は、立ち上がった若葉幸助に、抑えきれない笑みを浮かべた。
「与田祐希です、初めまして。これからよろしく!」
 どうしようもないほどに、これからの毎日に期待してしまう。祐希の言葉に戸惑っている若葉幸助の背中にも、親友のグリフォンの力によって七色に煌めく天使の羽根が光っていた。
 若葉幸助は、ブツブツと言っている。
「一目惚れって……、こういうのか。そうか、なるほど……」
「なに?」
 祐希は若葉幸助の顔を覘(のぞ)き込んだ。
 若葉幸助は慌てて、顔を退(しりぞ)ける。
「いや、あの、なんでも……。あのう……、食事でも、行きませんか? あいや、何を言ってるんだろう俺は、ごめんなさい!」
「どこ行くと?」
 祐希は無垢に若葉幸助の顔を見上げる。そのまま、己の腹部を両手で触(さわ)った。
「これが、腹ペコってやつか……、あっはは」
「お、お腹、すいてるんですか?」
「もうぺっこぺこ!」
 若葉幸助は決心したように、毅然とした表情で言う。
「じゃあ、い、行きましょう! その、お食事へ! あのう俺給料入ったんでなんでもおごります!」
 祐希は小首を傾げて微笑む。
「祐希、コロッケが食べたい」
「コロッ、ケ……、ああはい、いい店知ってますので!」
「行こ行こ! いえーい」
 東京の街中から、ぽつん、ぽつん、と七色に煌めいていた天使の羽根は、その輝きを一人残らず消していく……。

 さみしくないとよ、もちお……。
 祐希はきっと、この人に守ってもらえるから。

 元気でね、もちお!

 若葉幸助と与田祐希は、夜景の美しい街並みをぎくしゃくと歩き始める。生まれて初めて経験する、まだ始まったばかりの、恋の行方に胸を躍らせながら。
 二人ともが、どうしようもないほどの、甘い恋に落ちていきながら……。
「幸助君、ご飯食べ終わったら、祐希とけんけん相撲(ずもう)しよ?」
「けんけん相撲、ですか?」
「うん! あっはっは。祐希が勝ったら言う事きくとよ~!」
「はい……」
「ありがと、もちお」
「は?」
「ううん、なんでもな~い」



乃木坂46十一周年記念作品
与田祐希・主演物語『言霊砲』



~END~




  あとがき
        作タンポポ


 今回、与田祐希さん主演の物語を執筆させて頂きました。この物語はキュンキュンして、とてもとてもタンポポ自身超絶気に入っております。与田祐希さんがもう、とにかく可愛いので、書いていて幸せでした。
 与田祐希さんが天使だったら可愛いな――。という想いから、制作に取り掛かりました。舞台となるのは、乃木坂46プロデューサー秋元康先生の作詞でファンの間では有名な『言霊砲』の世界観です。
 この作品は、頭の中で、まずエンディングの、あのぽつんぽつんと七色に輝きだす、あのシーンの発想から構築していきました。あとは大大大好きな『言霊砲』を何度も聴いて、ハッピーになって書き上げました。執筆期間というか、プロット段階の期間がけっこう長かったのですが、手こずった分、最高の作品となってくれました。
 クリエイターの皆様、主題歌、エンディングテーマソング、よろしければ作ってあげて下さい。二人のへんてこで心温まるストーリーに。
 必ず見つけてみせます。そして『言霊砲』という乃木坂46の素晴らしき楽曲を聴いてみて下さい。素晴らしく可愛らしい楽曲ですし、タンポポは名曲と呼んでいます。乃木坂46の【妹坂(いもうとざか)】というユニットが歌う『言霊砲』は、この物語と一部リンクしていて、そういった楽しみ方もできますので心よりお勧め致します。
 ついてない事、あるんですよね。タンポポもそんな人生の中、微笑む時間を大切に生きています。けれど、絶対に、誰かは見ていてくれていると思うんです。それは親であったり、兄弟であったり、友人であったり、仕事仲間であったり、ペットであったりと、様々ですが、誰かはきっと、あなたの魅力を見ています。きっとこの未来という明日の先に、あなたを待っている素晴らしい出逢いがあるでしょう。それがどんなものか、どんな形なのかは、わかりませんが、タンポポはあなたの幸せも、己の幸せと同様に願っています。
 お読み下さり、ありがとうございます。これからも、与田祐希さんの活動を敬愛し、賛美して、乃木坂46、乃木坂46OGの活動に栄光を掲げて、乃木坂46合同会社の皆様、乃木坂46やそのOGに携わってくれるスタッフの皆々様、秋元康先生、今野義雄様、菊池友様、そしてアーティストの皆様に尽きぬ感謝をして、これからも良き作品をクリエイトしてまいりたいと思います。
 与田ちゃん超絶愛してる!
それでは、次の作品でまたお会い致しましょう、タンポポでした。


     2023・2・6~END~
作品名:言霊砲 作家名:タンポポ