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未来卵

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『1、2期生の先輩方、後輩がこうやって前に出るチャンスを沢山与えて下さって本当にありがとうございました。――各地で色んなメンバーがフューチャーされたりとか、支え合ってパフォーマンスしている姿を見て、なんか、大丈夫だなって改めて思えました』

『私がまだ、先輩に甘えられるうちはいっぱい甘えようって、思いました。本当に幸せでした!』

 秋元真夏は『いくらでも甘えて下さい』と、大泣きした。梅澤美波から『本当に頼もしくて、ずっとついて行こうって思える背中でした』と感謝されると、秋元真夏は『ありがとう。なって1年経ってないのに、本当に頼りがいのある副キャプテンで、隣にいるだけで、常に梅がいればどうにかなるっていう。本当に感謝しかないので。これからも頑張ろうね!』と微笑んだ。
 梅澤美波は元気よく『はい! よろしくお願いします!』と答え、二人は笑った。
 齋藤飛鳥は『みんなの知らなかった事をいっぱい知れた期間だったけど、なんか……、改めてぇ、あの、キャプテンとぉ、副キャプテンのぉ、こう繋がりというか、がぁ、凄い、強まっ、たじゃない最近凄く。それによってぇ、なんか私達も安心できるしぃ、なんか頼れるなぁって、凄く思った』と語り、秋元真夏は『えぇ~? 嬉しいぃ。ありがとぉ……』とその表情と声を驚かせていた。続けて齋藤飛鳥は『真夏さまさまですよ』と言い、秋元真夏は『そんなんえぇ、どうしたのぉ? 急にぃ。え? さっきまでだって、ロマン、ロマンスのスタートでズッキュン絶対やんないからって』と返した。齋藤飛鳥は『いいよ掘り返したらみんな思い出しちゃうじゃん』と迷惑がっていた。
 秋元真夏の『え、どうしたの、急に?』という驚きに対して、齋藤飛鳥は『みんなそうなんじゃない? 今回の形のライブができるのって、たぶんそれぞれのメンバーがちゃんとしているから、出来た事だし。それを取りまとめてくれていたじゃないですか。ありがとうございます』と感謝した。
齋藤飛鳥は、笑いを含ませながらも、みんなの知らなかった事を知れたツアーだったと真剣な心情を語り、キャプテンと副キャプテン様様だとも付け加え、最後は皆を纏めたキャプテン秋元真夏にそう敬意を表していた。
齋藤飛鳥は『1期生は2人になっちゃうけど、頑張りましょ!』と、想いを締めくくった。それに対し、秋元真夏も『頑張ろうね、ありがとう』と涙ぐんだ。
 賀喜遥香が言う――。『皆さんもぜひ、心の中で歌って下さい。乃木坂の詩――』
賀喜遥香をセンターとして『乃木坂の詩』が歌われる――。
後ろを向くな。
正面を見ろ。
賀喜遥香は精一杯の声で叫ぶ……。
『本日は本当に、――ありがとうございました‼』
 乃木坂の詩。
 僕らの詩……。
 盛大な拍手が彼女達を包み込んだ……。
 秋元真夏が最後にこの真夏の全国ツアーにおいての想いを纏める。
 ここまで、乃木坂46を応援して下さって
 今後も、絶対に後悔させないグループになります。
11年目の乃木坂46も、よろしくお願いします――。
1期生が集まる……。齋藤飛鳥が賀喜遥香を呼び込み、賀喜遥香も集合した。
秋元真夏は、最後だし、挨拶させてほしいと告げる。
和田まあやは、涙を堪えながら『みんなに出逢えた事が、凄く幸せの始まりで、こうしてライブ、神宮で追われる事も凄く幸せです。賀喜ちゃんが言っていたように、みんなの事が本当に、大好きです。ありがとうございました!』と語った。
樋口日奈は『ここまで11年も続けてこれたのは、本当に、メンバー1人1人が素敵で、居心地がよくって、そして応援して下さる皆さんが優しい方ばかりで、スタッフさん達も愛に溢れていて――。さっき賀喜ちゃんが言ったように、愛に溢れているグループだからこそ、ここまで楽しい気持ちで、活動できたなって思っています。最高の夏をありがとうございました~!』と笑顔で叫んだ。乃木坂として過ごせて幸せでしたし、メンバーもスタッフさん達も、素晴らしい人達であったからこそ、ここまでこれたと、ファンの皆にも感謝していると――。
秋元真夏は言う。『ツアーを先頭で走ってくれたかっきー』
賀喜遥香は、偉大なる1期生達と肩を並べながら、たじたじとしながらも、精一杯で『先輩方も、皆さん、本当に大好きですし、ここにいらっしゃるファンの方も、配信をご覧になっている方も、本当に大好きです! ありがとうございました』――。と語った。
最後は、ステージに立つ5人で『ありがとうございました!』と挨拶をして、ステージを後にする。
 帰っていく乃木坂46……。3年ぶりに舞い降りた乃木坂46の聖地である明治神宮野球場で、3日間、乃木坂46をこよなく愛するファン達を熱狂させた。7都市15公演で全国の乃木坂46ファン達を大興奮させた真夏の全国ツアー2022が、今、終わりを迎える。
 賀喜遥香は、最後は『バイバイ!』と笑顔で言葉を残し、その栄光のステージを後にした。

       1

 乃木坂46の和田まあや、樋口日奈が、二千二十二年八月三十一日発売の30枚目シングル『好きというのはロックだぜ!』の活動をもって、乃木坂46から卒業する事が、二千二十二年七月十八日、乃木坂46公式サイトで発表された。
 これはその次の日、二千二十二年七月十九日の事である――。
 世界的大企業ファースト・コンタクト(株)の新宿区に建つ東京本社ビル地上二十二階の〈03ミーティング・ルーム〉にて、三笠木里奈(みかさぎりな)はスリムな煙草を吸いながら、未来風のデザインが成された長テーブルで、人を待っていた。三笠木里奈は現在二十七歳の企画営業部の課長兼企画部主任の鬼才美人の正社員であり、風秋夕(ふあきゆう)と稲見瓶(いなみびん)の上司でもある。
 三笠木里奈はファースト・コンタクト社内限定クラブである『乃木坂46非公式ファンクラブS』の会員でもあった。
 時刻は十六時四十五分を過ぎている。
 二分もしないうちに最初に〈03ミーティング・ルーム〉に入室してきたのは、綾乃美紀(あやのみき)であった。彼女は現在二十四歳の一般平社員であり、社内限定の『乃木坂46非公式ファンクラブS』の会員である。
「三笠木課長……、あの、えっと……」
「落ち着きなよ。それに、どうせ私語でしょう? そういう時は三笠木さんでいいから」
 三笠木里奈は落ち着いた様子で、メガネのピントを調整するように、微妙に縁を動かしながら言う。
「とりあえず、その手に持ってるコーヒーを私にちょうだい。それから、あなたも座ればいいわ。彼らもそのうち来るわよ、必ずね」
「はい……」
 三分もしないうちに、稲見瓶がすりガラス製のオブジェが印象的なスライド式のドアを開いた。彼は現在二十二歳のファースト・コンタクト(株)期待の新人社員であり、社内限定の乃木坂46非公式ファンクラブSの会員であり、秘密組織・乃木坂46ファン同盟の正当なる会員でもある。
「夕はまだですか……。ああ、綾乃さん、こんばんは。三笠木さん、こんばんは。お待たせしました」
「詳しい話は風秋君が来てからにしましょう。例えたった五分間の会話だとしても、これは残業に持ち込んでも話すべき内容よ」
「はい」
「そうなんですぅ~……」
作品名:未来卵 作家名:タンポポ