永遠につづくきせき (v1.1)
莉「大人は傘の持ち方に注意しないと、特に階段などの段差がある場所だと、ちょうど子供の目の高さになるから。古い傘の先なんかは鋭利な刃物のようになってしまっている場合があるらしいわ。」
鉄「それにしても大人の格闘家相手に勝っちまうなんて、やっぱ、じんたん つえーよ!!」
げしっ 鳴海は仁太郎の頭にチョップする。
鳴「次はもう行かないからね!」
集「小学生の頃から変わらないな、じんたんは」
と、松雪 集(14)も呆れる。(どことなく嬉しそうにも見える)
仁「変わってんだろ。背とか」
莉「そうねえ、集と同じくらいかしら」
仁太郎は背筋を伸ばして集と並んでみせる。
鳴「ユキアツ君も175cm?」
集「176cmです」
仁(1cm負けた)
鉄「ま、背に関しちゃぁ、俺が一番変わったかな!」
と、鉄道も並んでみせる。
仁「ぽっぽはでかくなりすぎだろ」
集「まるで熊だな」
へへっ
鉄「それはやっぱマスコット的な熊ちゃんかな?」
《「くまちゃん!」》
芽(くまちゃん…)
最後尾の本間 芽衣(14)は既視感を覚える。立ち止まる。皆と少し距離が離れる。芽衣の横を通行人が通りすぎる。通行人は芽衣がまるでそこに存在していないかのように芽衣に気をとめない。
莉「どうしたの、めんまちゃん?」
鳴「靴ずれしたの?」
芽「ううん。大丈夫」
芽衣は再び歩き出す。
ナデナデ 莉子は芽衣の頭を撫でる。
ナデナデ 鳴海も芽衣の頭を撫でる。
鉄(ああ、めんま 今日は新しい靴を履いてるんだな)
集(めんまは今日も美しい)
集(きっと明日も美しいぞ)
鉄「ところでさ、生まれ変わりってあると思う?」
集「この前、父さん達が言ってたやつか。」
鳴「ひいおじいちゃん(仁太)の写真を見る限りは仁太郎は確かに生まれ変わりっぽいけどね。」
莉「あなた(鳴海)もそっくりじゃない。ひいおばあさん(鳴子)と。」
集「俺達が子孫だから似ているだけだろ。俺達(集、莉子)だって写真を見る限りは曽祖父母(集、知利子)の若い頃にそっくりだ。」
鉄「俺のひいじいさんも俺とそっくりだぜ。」
鳴「めんまちゃんはひいおじいちゃん(聡史)のお姉ちゃん(芽衣子)の写真にそっくりだよね。」
莉「あの写真はかわいすぎるわね。」
鳴「超かわいいよねー。」
集「もし本当に俺達全員が生まれ変わりなのだとしたら意図的に誰かが繋いでくれない限りは無理だろう。」
集「父さん達の話を真に受けない方がいいよ。」
莉「私達の曽祖父母は私達の親からしたら祖父母よね。私達の親は祖父母が好きだったから私達が生まれ変わりだったらいいなって思っているんじゃないかしら。」
芽「そういうことならば致し方ない。」
集「話を合わせておいてあげるのが大人の対応か。」
鳴「そうだねぇ。」
芽衣は鉄道に言う。
芽「ひいおじいちゃんの代のあだ名は“ぽっぽ”や“めんま”だったよね。」
鉄「そうだな。」
芽「ひいおじいちゃんの代よりもさらに前のご先祖様てことかな。」
鉄「? 何の話?」
芽「夢で見た2人のご先祖様(本間 芽衣子と本宮 芽衣子)の話。」
〇鍵継承者支援課
支援員A,Bは昼食を食べながら会話している。
A「幻想のコスモスは人工物だと思う?」
B「私は思う。幻想のコスモスにかかっている呪いはとても人間臭いと感じるから。」
B「かつて存在した地球文明の人達が創造したんじゃないかな? おそらくその地球文明は呪いをかけた個人によって滅んだんだと思う。」
A「人間の科学で創造できるものなのかな。私達の科学水準はいつになったらその人達の水準に追いつくんだろう。」
B「コスモスって実装がどうなっているのかまでは未だに解明されていないからね。」
B「たとえばコスモスにおける固有記憶の本人確認はどのように実装されているんだろうね。」
A「未だに解明できていないよね。」
B「何世代にも渡って完全に機能し続けているから最早その実装がどうなっているのかは重要ではないのかもしれない。」
A「未だにブラックボックスなんだよね。」
A「故人の固有記憶が更新される現象って知ってる?」
B「知ってる。」
B「固有記憶に書き込み権限でアクセスできるのは本人だけだから、」
B「本人の生まれ変わりが更新しているとする仮説があるよね。」
B「ちなみに固有記憶に読み取り権限でアクセスできるのも原則として(=緊急機能が有効になっていない限り)本人だけね。」
B「仮説によると、睡眠中に前世の固有記憶にアクセスするのは何らかのやり残したことを思い出すためなんだってさ。」
***
あとがき
本作の権利は「鬼滅の刃」の原作者である「吾峠呼世晴」先生に帰属するものとします。
本作の利用にあたっては、吾峠先生の許可さえあれば良く、僕の許可は不要です。
余談ですが、まえがきの「炭次郎」を「炭治郎」にこっそり直しておきました。v1.1のために超久しぶりに読み返してみてすぐに誤字に気づきました。
***
必要条件かどうか
鬼滅の刃の一つの外伝としての正しい基本プロットを示すための必要条件でない条件が本作にはかなり含まれてしまっています。
○僕があてがった用語や名前なんかは必要条件では全然ありません。
○固有記憶、幻想のコスモス等の用語は必要条件では全然ありません。ましてや『鍵』や『資源』は独自用語をあてがうのに時間が足りなかっただけなので必要条件では全然ありません。
○登場人物の名前も必要条件では全然ありません。文だけで絵がないので、やむなく名前に依存しているだけです。原則として二次創作で勝手に名前をあてがうのは差し出がましく良くないことだと思います。
○西暦2123年について
○僕が示した話の流れは必要条件では全然ありません。本来なら男女の読者に人気のある女性漫画家に依頼したいところです。平和な世界の話なので。
○読者に納得してもらうための必要条件としては登場人物として仁太郎と芽衣が必要だと思います。
○冒頭の文明やペットに関するエピソードは必要条件ではありません。本作のようなマイナーな作品でないとできないことだと思って実施しました。
○ルーシー、ガンダム、星、身体強化機能、錬成機能、誰にも敵などいない、規定17条、眷属、みどり、本宮は必要条件ではありません。僕が感心した作品の影響であるという個人的な理由にすぎませんので。
恐ろしい敵と戦ったら死んだり大怪我をしたりするのは現実では当たり前です。
しかしながら登場人物が死亡したり大怪我をしたりするのはその登場人物と読者との繋がりが確立する前である方が好ましいです。また確立した後に起こる場合は読者にその覚悟をしてもらう方がよいです。こういった点においても鬼滅の刃は思慮深いといえます。
無限列車編が完了するまではまだ煉
作品名:永遠につづくきせき (v1.1) 作家名:鈴木蓮一郎