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開かれた新しいゲート

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気がつくと、今度はぐちゃぐちゃに混ざり合っていた視界が、ぼんやりからはっきりしたものへと移り変わっていった。
時間を巻き戻すかのように屋上の部屋にあった物達は、だんだんそれらの輪郭を取り戻していく。

再び、屋上の部屋の様子がはっきりわかるようになった時には、奥の部分に五芒星マークのついた床が円状に盛り上がっており、その円の周りに石が取り囲むかのように並べられている。その五芒星マークの場所へ歩いて行けるよう、緩やかな階段が数段ついており、その石の周りには、悪魔でも意味するかのように黒い翼が一対生えていた。

ゲイルがアキラに話す。
「気をつけろよアキラ!!
これは魔界ゲートだ。誰かが魔界から現れようとしているんだ。」

そして、そう言うとすぐに、ゲートの中心から顔の部分が赤く炎のような形になっており、紺色のもふもふした大袈裟なコートでも着たようなデビルが現れる。

そのデビルは、現れるとすぐにアキラに話しかけた。
「お前がアキラか。人間とデビルの力を持ったデビルチルドレン…」

「俺を知っているのか?お前は誰だ?どこから来たんだ?」

「私はフォロウ。デビル達が暮らす魔界から、あるお方による命令で、時の歪みが現れたという地上の様子を探りに来たのだ。」

「時の歪みが現れた事を知っているのか?
時の歪みを消さないと、この世界が滅びるという事も…。」

「あぁ。…そして先ほど、魔界でも最初の時の歪みが確認された。」

「!な…」
セツナが、驚きつつ悔しそうな表情をしている。
しかし、フォロウはセツナやミライ、マサキの様子は気にせず、アキラの方をずっと見ていた。
「世界が滅びようとする時、2つの力を持った子どもが現れ、その世界の運命を任されるという…
お前が、その一人かもしれぬ。」

「………???」
アキラはまだ言葉の意味をちゃんと受け取れずにいた。
「時の歪みを消さないとこの世界は滅びるんだろう?
それを防ぐにはどうしたらいいんだ?」

「魔界にいるあのお方なら、時の歪みの事を知っている。
どうすれば時の歪みを消す事が出来るのかも…。
アキラ、魔界に来るがいい。
お前の旅は、そこから始まるだろう。」
そう言うと、フォロウはふっと姿を消してしまった。 

アキラは、しばらく沈黙していた。
ゲイルが、
「アキラ、行こう。魔界の旅が始まるんだ。」
と言っている。
「ああ。そうだな。」と言って、アキラは歩き出そうとした。

マサキは、セツナやミライを見ながら
「それじゃあ、俺達も魔界に…」
と言おうとしたが、ミライの
「待って、マサキ。」
という言葉に遮られた。

「?」

「アキラ君も、少しだけ待ってほしいの。伝えておきたい事があって…。」
セツナもミライとマサキの方に近づいてきた。そしてセツナが話す。
「俺達も、一緒に魔界に行けたらって気持ちは、よくわかるんだけどさ。」

ミライが話し出した。
「さっき、ジン君達がヴァルハラへのゲートに乗って行った時も、声をかけて見送った後私達もヴァルハラへ行ってみようとしたのよ。
………でも、私達は、ゲートに乗ってもヴァルハラの世界へは行けなかったの。」
「え…。」
その後、セツナが話し出した。
「マサキ、俺達の冒険の時には、セントラルランドのダークパレスの奥から、ライトパレスっていう赤い宮殿に行く事ができたんだ。
でも、マサキの時は、そこへ行く事は出来なかったよな?」
「!はい。」
「逆に、俺達はマサキ達が行く事ができたアルティミアへは行けなかった。
…きっと、このゲートも、アキラが行くことになる魔界に、俺達デビルチルドレンが乗っても、行けないかもしれないんだ。」
ミライも続けて話す。
「だから、アキラ君が魔界に向かってから、当分会えない可能性はあるわね。
ジン君の時みたいに、ちゃんとお見送りした方がいいんじゃないかと思うのよ。」

「そうなんですね…。いいですよ!」
マサキは賛成した。
「ふふっ、それじゃあ早速どうぞ。」
ミライが軽く握った拳を口の前に持ってきて口元を軽く隠しながら促した。

マサキは急な事だったので動揺しながらも、明るく話す。
「えーと…同じデビルチルドレンとして、応援しています!あと、迷ったりしたら、街のデビルとかに話聞いてみるといいですよ。
友好的なデビルも、いっぱいいるんで。」

ミライが、笑顔で元気そうに話す。
「気をつけてね。私達デビルチルドレンは、自分で自分の生き方を決めていくのよ。」

セツナが、冷静で落ち着いた感じで話す。
「どんな残酷な運命が待ち受けているかわからない…けど、強く生きろよ、アキラ。」

「みんなありがとう。それじゃあ、行ってくる。行こう、ゲイル。」
「あぁ。」

そしてアキラとゲイルは、ゲートに乗って魔界へと旅立っていった。

その後、それぞれ魔界ゲートへ乗ったが、やはりそれぞれ冒険時に旅をした時の魔界へしか行く事は出来ず、アキラの姿も確認出来なかった。
マサキは、これを体験した後、ゲートに乗って魔界を冒険した時の事を思い出していた。

(…やっぱり、運命によって導かれている…。)
その後、セツナやミライと話し、新しくできたサークルゲートにも気をつけながら、新しいデビルが襲ってきても大丈夫なように備えようという事を話し、解散した。
マサキが屋上の部屋の外に出ると、相変わらず不気味な色の空が人間を見下すかのように広がっていた。

(ジン、アキラ…原宿の、いや、東京の俺達の世界の未来を頼むぜ。)
そして、今一度デビライザーをしっかり握りしめた。




───そして物語は、真・女神転生 デビルチルドレン
光の書、闇の書、炎の書、氷の書へと繋がっていく───

【完】

作品名:開かれた新しいゲート 作家名:きまま