開かれた新しいゲート
部屋の中には、デビルチルドレンのセツナ、ミライがそれぞれキングケルベロスのクール、キンググリフォンのベールを連れて待っていた。
「あ!マサキ!」
ミライが話しかけてくる。
そして、隣にいるアキラに目を向けた。
「あなたが、もう一人の新しいデビルチルドレンね。私はミライ。向こうにいるのがセツナ。私達は、初代デビルチルドレンなの。」
アキラは、落ち着いた様子で答えた。
「初めまして。俺はアキラだ。」
少し離れたところにいたセツナが話し出した。
「アキラ、よろしくな。」
アキラは挨拶をした後、辺りを見回した。
「あの…、早速で悪いんだが、ジンって男の子来なかったか?」
「あぁ。さっきここに来たぜ。
ヴァルハラっていう世界へのゲートが開いていたんだけど、さっきそれが閉じてしまったんだ。」
「!?そんな…。俺が向かってる途中、急に戦いをしかけてきたデビルがいたんだが、そのデビルが言っていたんだ。
ヴァルハラへのゲートはもう閉じてしまったからもう遅いって。………くそっ。」
セツナは、少し驚いた顔をしていたが、やがて冷静な表情になって伝えた。
「アキラ、俺達がここに来たのもそうなんだが、何かが現れる予感がある。クールとベールもそれを感じ取ってるみたいなんだ。
俺達が来た時に、たまたまヴァルハラへ向かうジン達とも会ったけれど、ヴァルハラへのゲートが閉じた後も、その予感は続いているんだ。…お前に関係する何かが起こるかもしれない。
マサキを呼んだのも、この場所で何かが起こりそうだったからなんだ。」
マサキが、
「そうだったんですね。」
と言った後だった。
ミライのそばにいたベールが、急に翼をバタバタとざわつくようにはためかせた。
「ミライ!何かが来る!!この予感!!」
急に落ち着きを無くしたように小刻みに辺りを見回し動き、せわしない様子だ。
クールも、唸り声を上げながら部屋の奥のところを見つめている。
「何者かが現れようとしている…!」
クレイも、何かを感じ取っているようだった。
「感じるぜ、これは、デビルの気配だ!」
そして、部屋の奥に、赤い球体のものが一瞬現れた。
全員それに気がついたが、その後すぐ、それを見た全員の視界が、歪んでぐちゃぐちゃに溶けていった。
作品名:開かれた新しいゲート 作家名:きまま