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照観地獄八景亡者戯

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  SCENE7 ???

「ここが閻魔のいるところか?さすがに、地獄の裁判所ともなると漂っている空気が違うな。ピリピリと肌を刺すような感じだな」
「いえ、ここは地獄の裁判所ではありませんよ」
「なに、ではここは何処だというのだ?」
「『修羅道』です。先生については裁判を経ることなく、こちらの方に案内することになっていますので」
「修羅道だと?」
「ええ、世間的には『阿修羅が住み、終始戦い争うために苦しみと怒りが絶えない世界』なんて言われ方もしていますが、ちょっと大げさですよね」
「どういうことだ! なぜ、オレが修羅道なんかに落ちなければならないんだ!」
「落ちるも何も、先生が選んだ道ではないですか」
「なに!?選んだだと?」
「ええ。ほら、あの晩年の名作『阿修羅』像、あれを世に”発表”した時に先生は修羅道を選んだじゃないですか」
「なっ・・・。『阿修羅』像だと…。何故、お前がそれを…」
「その場にいましたので」
「馬鹿な、あの時お前のような子供など…」
「まぁ、いたというよりも…」
「ひぃ!?。て、手が生えた!?」
「「「・・・本人ですからねぇ」」」
「・・・か、顔が全身に・・・」
「「「おや?見覚えありませんか?貴方が”作った”体じゃないですか」」」
「俺はそんな・・・悍ましいモノなど・・・。まて、まさかそれは・・・」
「「「≪阿修羅≫という名前もつけてくれたじゃないですか。『お義父さん』」」」
「お前は・・・、いやまさかお前は・・・」
「「「思い出しましたか?お義父さん」」」
「…そうか。お前は『阿修羅』か。それで、私を此処に連れてきたのは復習かなにかか?」
「「「復讐?」」」
「俺が、お前をケイから、母親から取り上げ、死なせることになったことの復讐なのか、ということだ」
「「「まさか。名前のなかったボクに名前をつけてくれたじゃないですか。そのお礼ですよ」」」
「礼だと!?こんな、切った張ったの争いしかない世界へ連れてくることの何処が礼だ」
「「「だって、お義父さんボクに言ったじゃない。『俺の行く末は修羅道だ』って。だから、『ああ、お義父さんは修羅道へ行きたいんだ』と思って、大王にお願いして裁判もなしで直接連れてくる許可もらったんだよ」」」
「俺はそんな事を望んではいない。いなかった!」
「「「ええー、そうなの?ボク間違えた?お義父さん喜んでくれるかと思ったのに」」」
「誰がこんなところに連れてこられて喜ぶと言うんだ!戻れ!戻せ!俺を、さっき場所まで戻せ!」
「「「無理だよ。だって、もう大王の裁可貰っちゃってるもの。お義父さんは当分の間ここで過ごさないと」」」
「なっ・・・」
「「「あ、そろそろボクも行かないと。それじゃあ、お義父さん。元気でね」」」
「ま、待て!待ってくれ!」
「「「あ、そうそう。もう二度と会うこともないから教えるけど、お義父さんを呪殺したのボクだよ」」」
「なっ!?なんだと」
「「「だって、ボクとお母さんを離れさせてあんなところに一人ぼっちにさせるんだもん。お母さんは会いに来てくれないし。お義父さんが邪魔をしていたんでしょ?」」」
「なっ。それは・・・」
「「「だから、お義父さんがいなくなればお母さんはボクに会いに来てくれるんだよね」
「待て、違う!お前の母は・・・」
「「「じゃーね、お義父さん。ばいばいーい」」」
「待ってくれ!俺を置いて行かないでくれ!」

   Epilogue

「「「さあ、早く戻ってお母さんが迎えに来るの待たないと」」」