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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 アリアハン編

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アリアハン編

その1

始まりの朝

それはジャミルが16歳の誕生日を迎えた日の朝だった。
 
……ジャミル……、起きて…… 起きろ、……おきなってば……
 
 
         ……
 
 
「起きろーーっ!!」
 
 
ガアアアアーーンッ!!
 
巨大なフライパンがジャミルの頭目掛け命中。頭部には餅の様な
変なコブが出来る。
 
「……ッテェ~ッ!!」
 
「どう?ジャミル?目ェ覚めたかい?フンっ!」
 
「……ファラ~!テメエ何しやがるっ!!」
 
「だっていつまで立っても起きないんだもん……」
 
「……って言うか……、お前何?そのカッコ……、エプロンなんか
しめてよう……」
 
「だってしょうがないじゃん、この話の設定だとあたい、ジャミルの
母親なんだからさ、でも、決して母親じゃないの!……あくまでも、
母親代わりの綺麗なお姉さんってとこかな!?」
 
「設定……?……綺麗?」
 
「いいから早く支度しなよ、王様に挨拶にいくんでしょ、って、最後の
疑問形の語尾は何っ!」
 
何が何だか解らないままジャミルはモソモソ支度し始める。
 
いつものトレードマークの青い帽子を被ろうとすると……。
 
「あ、今日はそっちじゃないよ、こっちだよ、ほれ!」
 
無理矢理ファラに銀の額当てを嵌められたのだった。
 
「!何だよこれっ!!」
 
「いいから行くのっ!はい、お城へGO!」
 
訳が解らないままジャミルは家を追い出され、仕方無く城へと
歩き出すのだった。
 
 
アリアハン城下町
 
 
「ファラのバーカバーカ!分厚い厚化粧め!」
 
ブツブツ文句を言いながらジャミルは城へ向かう。処が城門に着いた
処で腹の調子が悪くなったらしく大きな屁が出た。
 
 
ブッ!
 
 
周囲には悪臭が漂い、……近場にいた人々は皆その場から逃走する。
 
「一発かましたぜ!」
 
怪訝な顔をする城の兵士にも構わず堂々と城へと入る。困った男である。
 
 
ーアリアハン城 城内 国王の間
 
 
「おお、よくぞ参った、勇者ジャミルよ」
 
「は?勇者あ?」
 
テオドールと言うややアフロ気味のヘアスタイルの王様がジャミルを出迎える。
 
「何で俺が勇者なんだよっ!……説明しろ!」
 
「今、この世界は闇の世界からの凶悪な者の手によって光を奪われようと
しているのだ」
 
国王、全然人の話を聞いていない。高速早口でベラベラと与えられた
台詞を只管発する。
 
「……人の話を聞けっちゅーんじゃ!」
 
「敵は魔王バラモスだ!魔王を倒してこの世界に平和を取り戻すのだ!」
 
「ばか~っ!爆発もじゃもじゃアフロ!」
 
「町の酒場で仲間を見つけて旅の支度をするが良い」
 
少ないゴールドと、しょぼい装備品を貰いジャミルは城を出された。
 
「……ムカツクなあ~っ!おりゃあ元々賊……、シーフだっちゅーねん!」
 
ブツブツブツブツ、文句を垂れて仕方なく、町に有るルイーダの酒場へと
足を運ぶ。酒場に入るとジャミルの親友のダウドがいた。この二人は昔からの
幼馴染であり、親友でもあり、悪友でもある。性格は全然違うが、気が合うのか
いつも一緒に攣るんでいたり悪戯したり悪い事してたりする。
 
「あ、ジャミル来たー、えへへ~、オイラで良かったら力になるよ」
 
が、彼は臆病でヘタレ属性の為、何かあるとすぐ怖がって逃げたがる
傾向があった。
 
「ダウド……、お前盗賊か?」
 
「うん、そのまんまだよお」
 
「俺と代えてくれよ、かったりいよ、勇者なんかさあ……」
 
「やだ」
 
「やだじゃねえよ、俺勇者なんかやだっ!!ぜってーやだっ!!」
 
「オイラだって嫌です」
 
「やだやだやだやだやだやだや……」
 
舌を噛んだ。
 
「オイラ此処で待ってるからねえー!後で又声掛けてよおー!」
 
「はあ~……」
 
 
……
 
仕方なく仲間集めを始め、ルイーダの酒場をウロチョロする事数分。
酒場には、冒険の記録をしてくれるシスターさんがいたり、
ゴールドを預かってくれる預り所などがあった。
 
「……君、いい男だね、ボクとやらないか?」
 
「お断り致す、それはもういい」
 
阿部さん戦士からそそくさと逃げ、2階にあった冒険者の
登録所へ行ってみた。
 
「私、魔法使いのアイシャ!よろしくね♡」
 
「僕は賢者のアルベルト……」
 
「オイ……、賢者ってさ……、悟りの書がないと……」
 
「そんなの知らないよ」
 
「俺と代われよ!」
 
「やだ」
 
あくまでも抵抗し続けるジャミルであった。
 
「仕方ねえ、まあ適度にこんな処か……」
 
「こんな処って何よう!失礼ねっ!」
 
「うるせー!こんな処だからこんな処だって言ってんだよっ!」
 
……仲間になって数秒後、ジャミルとアイシャのケンカスタート。
 
「はい、では、まずは最初が肝心、性格を決める種をお仲間様へと
使って頂きます」
 
「え?元々、この二人の性格って決まってんだけど……、あぼれんぼうと、
ぬけめがな……、いてっ!?」
 
ジャミル、アイシャに頭を叩かれ、アルベルトに足を踏まれる。
 
「一応、このゲームのルールですので……、従って頂きます……」
 
「しゃーねえ、何になっても文句言うなよ?よし……」
 
ジャミルは登録所のおっさんから受け取った種を適度に二人に使う。
 
 
アイシャ :おおぐらい
アルベルト :むっつりスケベ
 
 
「!!!!」
 
「あてっ!あてててっ!……決まったんだからしょうがねえだろうがっ!!」
 
……ジャミル、二人から暴行を受ける。見ていたおっさんは慌てて、
別の種を渡し、性格を決め直す様に勧める。アイシャとアルベルト、
……何回でも二人の気が済むまで。
 
こうして性格を決め直す事……、……丸一日。
 
「私はおてんば!まあいいか、ふふっ!」
 
「僕は苦労人か……、どうせこの話でも苦労するだろうし……」
 
「……はあはあ、畜生……、だからまどろっこしい事は嫌なんだよっ!!」
 
「お疲れ様です、しかし、このゲームの最初の第一歩ですから、まあ、
我慢して下さい、さあ、お二人は下に行って下さい、今、登録したお二人は
下の酒場から呼んで頂ければお仲間にお誘いする事が出来ますので……」
 
「はあーいっ!アイシャ行きまーす!頑張るっ!」
 
「ジャミル、じゃあ、僕ら下で待ってるよ……」
 
「……疲れら……、あふう~……」
 
「!!あっ、勇者さんっ、大丈夫ですかっ!?お気を確かにっ!!」
 
下の酒場へと移動していく二人を見送ったジャミルは……、疲れて
その場にぶっ倒れた。
 
……こうして、アルベルト、アイシャ、酒場枠以外でダウド……、
の3人を仲間にしたジャミルは魔王バラモス討伐の旅へと、無理矢理
嫌、いやんいやん出発したのだった。一向はまずはとりあえず隣の村の
レーベヘと向かう。てくてく進む一向にスライムの群れが現れ行く手を
阻み妨害する。取りあえず、スライムでも最初は油断すると痛い目をみる
場合もあるので気を抜けない。
 
「……なんかさ、私達がスライムと戦うってさ、変じゃない?」