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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 アリアハン編

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向かう。レーベより東にあり、近くには泉がある洞窟との事。レーベの村人が
教えてくれた。
 
「ところでよ、アル、俺らが次に行く場所、なんて言う名称なん?」
 
「……確か、ロマリア大陸だったと思うよ……」
 
「ロマリアね、……ロマリア……?」
 
分かっているのかいないのか、ジャミルが首を傾げ変な顔をした。
 
「……」
 
「あら?ダウド、何してるの?」
 
「……うん、アイシャ……、もうアリアハンに戻って来れないかも
しれないから……、別れを惜しんでいるんだ……」
 
「ちょっ、オーバーなんだよっ、オメーはっ!」
 
「……あいたあーっ!!」
 
ハンカチをひらひら振り始めたダウドの頭を一発ぽかり。ジャミルが殴る。
……そんなこんなで、4人はわーわー騒ぎながら歩いていく事、丸半日。
勿論、モンスター達も蹴散らしながらLVも適度に上げて行く。
また日も暮れかけた頃に、漸く目的地の洞窟へと辿り着いた。
 
 
 
いざないの洞窟
 
 
「此処かな?教えて貰った通り、泉があるから間違いないね……」
 
アルベルトが周囲を確認。確かに泉らしき物があり、側にはほら穴がある。
 
「あそこから入るのか、よし、行くぞ!」
 
「よーし、行くわよーっ!」
 
「うえ~い……」
 
ジャミル達の後を……、余り乗る気がないダウドがちょこちょこ
ついて行った。
 
 
……
 
「おおー!」
 
4人はいよいよ洞窟内部に潜入。内部には先の通路を塞ぐ大きな壁が
立ちはだかっていた。壁の前には老人が一人、佇んでおりじっと壁を眺めていた。
 
「また爺さんか……、何か爺さんのフルコースだなあ~……」
 
「こ、こら!」
 
毒舌が回り始めたジャミルをアルベルトが膝で突く。
 
「ここがいざないの洞窟じゃ、じゃがこの先の階段へはこの石壁で
封じられておる……」
 
「へへ、大丈夫!俺らこの壁を壊せる魔法の玉を貰って来たんだ!」
 
「な、何と!」
 
「よし、投げるぞっ!皆、壁から離れろっ!爺さんもな!」
 
「……ひいい~っ!」
 
「……」
 
一番最初に走り出したのはダウド。彼はやっぱりこういう時、
異様に行動が速い。
 
 
……どごおおおーーーんっ!!
 
 
ジャミルが魔法の玉を石壁に向かってほおり投げると、凄まじい音を立て、
石壁がガラガラと音を立てて崩れてゆく。……そして、崩れた壁の先に……、
階段がお目見えする。
 
「やったっ!これで先に進めるなっ!」
 
「あはっ!すごーいっ!」
 
「……うん、本当に凄い破壊力だったね……」
 
「進めちゃうんですかあ~……」
 
「何だ?……ダウド……」
 
顔をひくひく引き攣らせ、ダウドにジャミルが迫る……。
 
「キャー!何でもないよおお~っ!!」
 
「うむ、もはやこの洞窟の封印は解かれた!さあ、行くが良い、この先へ!」
 
4人は老人の言葉に頷き、壊れた石壁を見つめた。此処を無事抜けられれば
いよいよ別大陸のロマリアへと辿り着く。この先に果たして何が
待ち受けるのか今はまだ、4人には分らない……。
 
「さあ、行くぞ!爺さんも、元気でな!」
 
「うむ、お主らの旅の無事を祈っておるよ……、気を付けてな!」
 
「お元気で……、お爺さん……」
 
「さようならー!」
 
アルベルトとアイシャも老人にお礼を言う。老人はうむうむと頷いた。
 
「オイラ、……好○にな○た○歌っていい?……さよーなーら……、
あいたあーっ!」
 
「変なのが飛んで来るだろうがっ!不用意に歌うたうなっ、
バカっ!金徴収されたらどうするっ!」
 
「えうう~、……気分を落ち着かせたいんだよおお~!」
 
この先に進む事で、少し不安になっているのか何だかダウドが
暴走し始める。ジャミル達はダウドを抱え、慌てて壊れた壁の
向こうへと走るのであった。
 
「元気な少年達じゃ、本当に彼らのこれからの活躍が楽しみじゃのう……」
 
「はあ~、ったくっ!お?宝箱だっ!」
 
階段の側に宝箱が置いてある……。
 
「はい、オイラが開けまーす!」
 
「……おい」
 
先程まで暴走していたダウド。盗賊の血が騒ぐのか、進んで自ら
さっさと宝箱を開ける。
 
「えーと、これは?」
 
「地図、……みたいだね……」
 
「地図?」
 
ダウドの後ろで見ていたアルベルトが言う。ダウドはアルベルトに
中のブツを確認して貰おうとアルベルトにブツを渡した。
 
「うん、世界地図だ……、きっとこの世界の……、ほら、此処が
アリアハン大陸だから……」
 
「うわ、……こうやってみると、アリアハンてすげー小さかったんだなあ~……」
 
ジャミルも地図を覗き込む。だが、地図は現時点のアリアハンは
確認出来るものの……、まだ見ぬ他の大陸はシルエットになっていて、
はっきりとはどんな場所なのか分からずまだ見えない様になっている。
 
「私達が別の大陸を訪れる事で、きっとこのシルエットも
段々封印が解けて行くのかも知れないわね……」
 
「じゃあ、ロマリアに付いたらその部分が解放されるって事かもな、
成程……」
 
「この地図、オイラが預かってまーす!はいはいはーい!」
 
異様に張り切るダウド。ジャミルは不安に駆られつつも、ダウドの機嫌が
良くなって来たので、地図を預ける事にしたが。
 
「……ほれ、なくすなよ?落とすなよ……?」
 
「心得てますよお!ぶうーだ!」
 
「じゃあ、先へ進もうか……、この先、モンスターも出るだろうし、
気を引き締めないと……」
 
「分ってるさ!けど、そろそろ新しい武器が欲しいとこだよなあ~……」
 
銅の剣を見てジャミルがぼやく。レーベの村でも銅の剣を上回るそれなりの
武器は売っていたものの……、高いのでパスしたのであった。
 
「……アリアハン大陸内での私の最高防具が亀の甲羅とか……、酷いわよ……」
 
「……ぎゃははははっ!!」
 
何か想像したのかジャミルが大声を上げて笑い出した。
ダウドは亀の甲羅を装備は出来ないのだが、何故か頭の中に
アイシャと一緒に甲羅を装備している間抜けな姿が登場して
しまったらしい。
 
「何?……何よジャミル、何考えたのっ!言ってみなさいよっ!!」
 
「……何だよおおお!!オイラの方も見て笑ったなっ!変な想像したろっ!!」
 
「……あてててっ!こ、こらっ!よせってのっ!!」
 
ジャミル……、アイシャとダウド、両方に殴られる……。
 
「あの、そろそろいい加減で先に進もう、ジャミルを殴るのは
此処を出てからでも幾らでも出来るからね……」
 
「……余計な事言うなっ!このアホベルトおおおーーっ!!」
 
「そうね、楽しみはとっておくわっ!」
 
「オイラもそうする、……いつもジャミルに殴られてるからねえー!」
 
「……おおーいっ!!」
 
「はあ、全くもう……」
 
アルベルトが溜息をつく。ジャミルを殴るという楽しみが出来た為か、
脅えて不安になっていたダウドもすっかりご機嫌モードに。
しかし、行く手を阻むモンスターとの戦いで、この後、そんな事も
すっかり忘れてしまうのだが。何はともあれ、4人はいよいよ階段の先へ……。