二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 アリアハン編

INDEX|7ページ/9ページ|

次のページ前のページ
 

どんな扉でも開けられてしまう最後の鍵をこの塔にいるお爺さんが
持ってるって……」
 
「そらおめえ、奴らの勘違いだよ、……序盤からんなモン手に入ったら
それこそチートだよ、チート!」
 
「……そうね……」
 
アイシャにそう言いながらジャミルの目線はアルベルトの方を見ている。
 
「お願いだから僕の方見ないで……」
 
「……」
 
自分だって宝箱に強い武器が入ってねえのなんのと散々騒いでたじゃ
ないかと、ダウドは心で思うのであった。
 
「何だ、ダウド……」
 
「何でもないですよお!」
 
……ジャミルは気を取り直し、部屋の前で深呼吸し、ついでに屁を放いた。
 
「よしっ、この部屋に……、盗賊の鍵を持ってる爺さんがいる筈だ!
入るぞっ!」
 
ジャミルは裏入口から勢いよく中へと入る。他の3人もジャミルの後に続く。
漸く中に入ると、確かに中には一人……、ぽつんと椅子に座って俯いている
老人がいた。老人は4人に気づくとゆっくりと顔を上げる。
 
「おお、やっぱり来たか……、して、少年、お主はジャミルか?」
 
「そ、そうだけど……、何で俺の名前知ってんだよ、何か
気味わりィなあ~……」
 
「ふんふん、ふん……」
 
老人はジャミルに近寄るとジャミルの顔を近くでまじまじと見つめ
何やら確認を取っている。
 
「老人ホモ……?」
 
「……うるせーぞ、ダウドっ!」
 
「プッ……」
 
横を向いてアルベルトが吹いた。
 
「間違いない、儂の夢で見た顔と同じじゃ、名前もな……、
ジャミルよ、儂は夢の中でアンタにこの鍵を託す夢を見た、
だからお主にこの鍵を渡そう、受け取ってくれるな……?」
 
「これが……、盗賊の鍵か?」
 
ジャミルは老人から鉄の鍵を受け取る。
 
「さよう、さあ、もう此処には用はない筈であろう、行きなさい、
……儂は夢の続きを見るとしよう……」
 
「……爺さん……?おい!」
 
ジャミルは急に眠ってしまった老人に慌てて声を掛けるが……。
 
「ぷう~、ぷう~……」
 
「おい……」
 
「大丈夫よ、ジャミル、お爺さん寝ちゃっただけよ!」
 
アイシャも老人の呼吸の確認をする。そして近場に置いてあった
毛布を掛けてやるのであった。
 
「……ふにゃ、ふにゃ……、zzzzz」
 
「たく、人騒がせな爺さんだなあ!俺はまた……、お役目果たして
……天命を全うしちまったんかと思ったよ……」
 
「……もう、君も失礼だなあ~……、本当に口が悪いんだから……」
 
アルベルトも呆れるが、取りあえず爺さんに何事もなくてほっとしている。
 
「んじゃあ、此処を出るか、爺さん、この鍵預かるぜ、ありがとな!」
 
ジャミル達は眠ってしまった老人を起こさない様、そっと部屋を出る。
そして、塔を後にし、魔法の玉を貰いに再びレーベの村へと戻った。
 
 
再びレーベ……
 
ジャミル達は再度、火薬職人爺さんの家の前を訪れる。そして
盗賊の鍵で扉を開ける。
 
「……おお、待っていたぞ、話は聞いておる!さあ、この魔法の玉を
持って直ぐにいざないの洞窟へと行くが良い!この魔法の玉で立ち塞がる
壁を壊せる筈じゃ!」
 
「あのさ、話聞いたって……、一体誰から……?」
 
「……だからっ!大元の原作がFC全盛期のRPGで……、細かい事、
色々突っ込んだら駄目なんだって!」
 
「だってよう~……」
 
突っ込みたがり、話をややこしくしようとするジャミルを
慌ててアルベルトが制するのであった。
 
「と、とにかく、これで新しい大陸に行けるのね!お爺さん、
どうもありがとう!」
 
「えへへ、有難うございまーす!」
 
アイシャとダウドがお礼を言う。アルベルトも慌てて爺さんに頭を下げ、
礼を言った。……ジャミルだけは何となくしっくりこないのか、少し
ムスっとしている。
 
「まあいいか、んじゃな、爺さん……」
 
「ほほ、玉がお役に立てる事を祈っておるよ、時にお主……」
 
「はい……?」
 
今度は火薬職人の爺さんがアルベルトを呼び止める。
アルベルトはきょとんとした顔をし、爺さんの方を振り向く。
 
「お主……、見た感じ、随分真面目そうじゃのう~、……眉間に皺が
寄っておるぞ、……それではいかんのう……」
 
「は、はいい~?」
 
爺さんの言葉の意味がよく分からず、アルベルトが首を傾げた。
 
「……真面目なのはいい事じゃ、じゃが、そのままではいずれ
お主自身の身体に支障をきたしてしまう事になってしまうかも
知れんぞ……、もっと心をリラックスさせないといかんぞ……、
のう……、おんしはまだ若いんじゃ……」
 
「はあ、……分りました……」
 
一応老人にそう返事を返しておくが、爺さんがアルベルトに
一体何を伝えたいのか……、今はまだアルベルトも良く分からない
ままであった。ジャミル達は既に爺さんの家から外に出ており
家の中に最後まで残っていたのはアルベルトだけだった。
…… 何となく気分がモヤモヤのまま、アルベルトも爺さんの家を
後にする。
 
「随分遅かったな、……何の話だったんだ?」
 
「……ん?……な、何でもないよ……」
 
「そうか~?」
 
ジャミルはまだアルベルトに聞きたそうだったが、それ以上この話は
アルベルトはしなかった。
 
「今日は初めての本格的な冒険で疲れたね、もう暗くなってきたし、
宿屋で休もうか?」
 
「おお、そうすっか!腹も減ったしなあ!」
 
「くくく、ジャミルのお腹は一年中年中無休の癖にィ~!」
 
「……うるせーんだよっ!このバカダウドっ!!」
 
「何だよおおーー!バカジャミルっ!!」
 
「二人ともやめなさいったらっ!人が見てるでしょっ!!」
 
両者、ほっぺたを掴み合い、また取っ組み合いになりそうになった
ジャミルとダウドをアイシャが注意する。……その横で……。
 
「……」
 
「アル、どうしたの?……疲れちゃった?あの、ごめんなさい、
私の所為で……、余計な……」
 
「あっ、いいんだよ、気にしないで、アイシャの所為じゃないよ……、
確かに沢山MPは消費した様な気がするけど……、でも、こんな事、
この先旅が進めばしょっちゅうある事だよ、先に進めば進むほど、敵は
どんどん強くなるんだから……」
 
「でも……」
 
「そんな顔しないで、さあ、宿屋へ行って休もう……、其処の二人……、
……まだMPは残ってますので……」
 
……アルベルトの警告に……、揉めていた二人、……ピタッと動きを止める。
 
「よし……、さあ、行くよ……」
 
(畜生、……この腹黒めっ!)
 
「何かな?……ジャミル……」
 
「……ひい~っ!何でもないですう~っ!!」
 
「もう~、でも、ジャミルもアルには敵わないわね!ふふ!」
 
アイシャがくすっと笑った。……今に見てろ腹黒~……、と、ジャミルは
しつこく心で誓う。
 
その夜。4人は宿屋で今日の冒険の疲れを落とし、ゆっくり就寝する……。
明日はいよいよアリアハン大陸を離れ、新天地へと向かうのである。

翌朝。4人はレーベを後にし、新大陸へと続く場所、いざないの洞窟へと