混沌が渦巻く日常
バイクを建物の近くに停めて、集合場所へと向かう。
すでにその建物の前には、栄吉、ギンコ、舞耶姉、淳が雑談をしながら待っていた。
「お、タッちゃん到着だな!」
「…すまない。遅くなった。」
「あら、達哉くん何か持ってるわね?」
舞耶姉が、薬局サトミタダシと書かれたビニール袋に目を向けている。
「あぁ。サトミタダシで、血返しの玉と反魂香を買ってたんだ。」
「え、情人!言ってくれたら私も一緒に行ったのに〜!」
「あのチェーン店の薬局で、そんな物が売ってるのかい?」
淳が控えめに問いかけてきた。舞耶姉がそれに返す。
「そうよ。私達ペルソナ使いにとって、大事なものね。これがあれば、誰か倒れても復活できるのよ。」
淳が、
「そうなんだ。」
と呟くように言った後、少し沈黙ができた。その後、舞耶姉が話し出す。
「…それじゃあ、全員揃ったし、行きましょうか。」
そうして入っていく建物は、廃工場だ。
今回、この廃工場に来たのは、黒須淳が仲間に加わったので、その5人での戦闘に慣れるためでもあり、フィレモンから受け取ったそれぞれのペルソナに慣れるためでもあった。
廃工場は人気が無く、薄暗い。
中は広く、通路の先々に、いくつかの小部屋がついている。
「みんな、準備はい〜い?」
小部屋につながる扉の近くで舞耶姉が皆に呼びかけている。
「いつでも…オーーールオッケエエエィ!!」
栄吉ことミッシェルがナルシスト感のあるいつもの調子で返事をした。
「パンツうるさい!しかもこんなところで大声出したら反響するじゃん!…淳も、この先悪魔出るけど大丈夫?」
ギンコが栄吉に突っかかりながらも、淳の方を向いた。ちなみに、パンツというのはギンコが栄吉を呼ぶ時の愛称のようなものである。栄吉が、過去にパンツ番長と呼ばれていた事に由来しているらしい。
「うん。ゆきのさんから譲り受けたペルソナで、僕も役に立てるようがんばるよ。」
淳は胸ポケットから花を出して、眺めていた。
「…行くぞ。」
先頭にいた達哉が、ドアに掌を当てた。
ガラァン、という音を立てて突き当たりのドアが開く。
灰色の面にオレンジの色で「05」と書かれた扉の奥に生息しているのは、過去のダンジョンで出会った悪魔達だ。
廃工場は人が来ない大きな建物という事もあり、きっと悪魔にとって生息しやすい場所なのだろう。少し進んだところで、早速悪魔達がお出ましだ。
達哉達は、早速フィレモンから受け取ったペルソナで戦いながら進んでいった。
フィレモンという謎の人物から受け取ったペルソナ達は、まだ自分が扱うにはレベルが高く感じる。
途中、オルトロスと出くわしたので、栄吉がコンタクトを試みる。
悪魔に対し特技などを披露したり話しかけたりなどして、上手くいけば契約できたり、カードをもらえたりするのだが…。
「ホオオオオオウ!!!」
栄吉は流れる音楽に合わせてスタンドマイクを使って歌っている。しかし、オルトロスの様子は…
「ガアーーーー!!
オマエ 歌 ヘタ! オレサマ チョット オコリギミ」
「コレ以上 オコラセル オマエ 食ウ!」
オルトロスの二つの頭が互い違いに怒って吠えている。
そして、さらに問いかけてきた。
「オマエ ドコ ウマイ?」
「答エロ 頭 脚 脳 ドコ ウマイ?
ソレトモ オマエ マズイ?」
物騒な選択肢だが、怖気づいてはいけない。
悪魔との会話は、殺伐とした会話になる事も普通に起こりうるのだ。とりあえず、どれか選ばなければいけないのだが…
「う〜ん、脳はどうだい?ベイビィ。」
ミッシェルが自分に酔ったような調子で言っている。
「ガアーーー!! オレサマ 脚 好キ
脳 イラナイ!!」
「ガアーーー!! オマエ達 オレサマ 怒ラセタ 食ベル前 オシオキ!!」
完全に怒らせてしまった。
そして、オルトロスはそのまま栄吉に毒噛みつきをくらわせる。
「栄吉くん!大丈夫?」
近くにいた舞耶姉が様子を見ているが、特に毒状態にはなっていないようだった。
「いてて…、俺様のビューティフォーな歌声がわからないなんて…!」
そこまでダメージはひどくないようだったが、舞耶姉がアイテムを使って回復する。
「情人、どうする?逃げる事もできるけれど…。」
こうなるとこれ以上悪魔と会話はできない。
「ペルソナで…戦おう。」
そして、ペルソナを呼び出し、魔法攻撃でオルトロスを倒すのだった。
すでにその建物の前には、栄吉、ギンコ、舞耶姉、淳が雑談をしながら待っていた。
「お、タッちゃん到着だな!」
「…すまない。遅くなった。」
「あら、達哉くん何か持ってるわね?」
舞耶姉が、薬局サトミタダシと書かれたビニール袋に目を向けている。
「あぁ。サトミタダシで、血返しの玉と反魂香を買ってたんだ。」
「え、情人!言ってくれたら私も一緒に行ったのに〜!」
「あのチェーン店の薬局で、そんな物が売ってるのかい?」
淳が控えめに問いかけてきた。舞耶姉がそれに返す。
「そうよ。私達ペルソナ使いにとって、大事なものね。これがあれば、誰か倒れても復活できるのよ。」
淳が、
「そうなんだ。」
と呟くように言った後、少し沈黙ができた。その後、舞耶姉が話し出す。
「…それじゃあ、全員揃ったし、行きましょうか。」
そうして入っていく建物は、廃工場だ。
今回、この廃工場に来たのは、黒須淳が仲間に加わったので、その5人での戦闘に慣れるためでもあり、フィレモンから受け取ったそれぞれのペルソナに慣れるためでもあった。
廃工場は人気が無く、薄暗い。
中は広く、通路の先々に、いくつかの小部屋がついている。
「みんな、準備はい〜い?」
小部屋につながる扉の近くで舞耶姉が皆に呼びかけている。
「いつでも…オーーールオッケエエエィ!!」
栄吉ことミッシェルがナルシスト感のあるいつもの調子で返事をした。
「パンツうるさい!しかもこんなところで大声出したら反響するじゃん!…淳も、この先悪魔出るけど大丈夫?」
ギンコが栄吉に突っかかりながらも、淳の方を向いた。ちなみに、パンツというのはギンコが栄吉を呼ぶ時の愛称のようなものである。栄吉が、過去にパンツ番長と呼ばれていた事に由来しているらしい。
「うん。ゆきのさんから譲り受けたペルソナで、僕も役に立てるようがんばるよ。」
淳は胸ポケットから花を出して、眺めていた。
「…行くぞ。」
先頭にいた達哉が、ドアに掌を当てた。
ガラァン、という音を立てて突き当たりのドアが開く。
灰色の面にオレンジの色で「05」と書かれた扉の奥に生息しているのは、過去のダンジョンで出会った悪魔達だ。
廃工場は人が来ない大きな建物という事もあり、きっと悪魔にとって生息しやすい場所なのだろう。少し進んだところで、早速悪魔達がお出ましだ。
達哉達は、早速フィレモンから受け取ったペルソナで戦いながら進んでいった。
フィレモンという謎の人物から受け取ったペルソナ達は、まだ自分が扱うにはレベルが高く感じる。
途中、オルトロスと出くわしたので、栄吉がコンタクトを試みる。
悪魔に対し特技などを披露したり話しかけたりなどして、上手くいけば契約できたり、カードをもらえたりするのだが…。
「ホオオオオオウ!!!」
栄吉は流れる音楽に合わせてスタンドマイクを使って歌っている。しかし、オルトロスの様子は…
「ガアーーーー!!
オマエ 歌 ヘタ! オレサマ チョット オコリギミ」
「コレ以上 オコラセル オマエ 食ウ!」
オルトロスの二つの頭が互い違いに怒って吠えている。
そして、さらに問いかけてきた。
「オマエ ドコ ウマイ?」
「答エロ 頭 脚 脳 ドコ ウマイ?
ソレトモ オマエ マズイ?」
物騒な選択肢だが、怖気づいてはいけない。
悪魔との会話は、殺伐とした会話になる事も普通に起こりうるのだ。とりあえず、どれか選ばなければいけないのだが…
「う〜ん、脳はどうだい?ベイビィ。」
ミッシェルが自分に酔ったような調子で言っている。
「ガアーーー!! オレサマ 脚 好キ
脳 イラナイ!!」
「ガアーーー!! オマエ達 オレサマ 怒ラセタ 食ベル前 オシオキ!!」
完全に怒らせてしまった。
そして、オルトロスはそのまま栄吉に毒噛みつきをくらわせる。
「栄吉くん!大丈夫?」
近くにいた舞耶姉が様子を見ているが、特に毒状態にはなっていないようだった。
「いてて…、俺様のビューティフォーな歌声がわからないなんて…!」
そこまでダメージはひどくないようだったが、舞耶姉がアイテムを使って回復する。
「情人、どうする?逃げる事もできるけれど…。」
こうなるとこれ以上悪魔と会話はできない。
「ペルソナで…戦おう。」
そして、ペルソナを呼び出し、魔法攻撃でオルトロスを倒すのだった。