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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 ポルトガ~ダーマ編

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「もーっ!ジャミルのバカっ!いつになったら塔に行けるのよう!」
 
「仕方ないよ、アイシャ、今日は一日ゆっくりしよう、
玉にはこんな日があってもいいと思うよ……」
 
「ふぁ~、うるさいのも倒れてる事だし、今日はオイラずっと
寝てようかしら」
 
「それもいいかもね」
 
「私はいや!じっとしてるの嫌い!ねーねー、神殿を探検しようよ、アルー!」
 
「え?えええ、ちょっと……」
 
アイシャはアルベルトの腕を掴んで引っ張りそのまま神殿内の
探検へと繰り出し連れて行ってしまう。
 
「あふう、んじゃオイラはと、昼間だけど皆さんお休みなさ~い……」
 
 
その頃のジャミルさん。。。
 
「くそっ、あいつら俺が倒れてる間にィ~……、好き勝手
やりやがって……、うっ!く、くそっ……、ま、まただ、
助けてダイナマン!!ア……、アーー!特大級の爆弾が出るーーっ!
キャーーー!!」
 
そう言ってトイレに駆け込んで行った。

次の日、何とかジャミルの体調も回復し、4人は漸くガルナの塔内部へと入る。
 
「うー……、何だよこの塔はよ……、やたらだだっ広いし
階段は多いしよう……、ブツブツ……」
 
ジャミルがぼやく。文句を言うジャミルのその後を苦笑しつつ
付いて歩く仲間達。
 
「ジャミルぅー!ファイトおー!我慢すればきっとお宝がみつかるよお!」
 
いつもと違ってやたらと元気が良く何故か張り切っているダウド。
 
「へーいへい、ったく元気だねえ、若えモンは……」
 
「もー!お年寄りみたいな事言わないのっ!」
 
アイシャがジャミルの背中を叩く。
 
「お宝ー!何があるのかなあー!オイラワクワクしてるよお!」
 
「うふふ、楽しみー!」
 
「お弁当があればもっと良かったのにねえー!」
 
「ねー!」
 
「……」
 
「……プ……、っと、……」
 
吹きそうになったアルベルトが堪えた。
 
「……まるで遠足前日状態の幼稚園児だな……」
 
「君だって、ノアニールの洞窟の時最初はやたらと張り切ってたじゃないか……」
 
「今は今なんだよ!はんっ!」
 
それから暫くはアイシャとダウドは元気が良かったが
階段を登ったり降りたり同じ事の繰り返しで
特に珍しい物も見つからずいい加減に飽きてきたらしい。
……そして飛び出す我儘と愚痴。
 
「……疲れたあ……」
 
「もう帰りたいよお……」
 
 
「……お前らが行くって言ったんだろうがっ!!」
 
 
「ジャミル……、何もそんな顔を大きくしてまで怒鳴らなくてもいいだろ……」
 
アルベルトがぐずり出した二人を慰める。
 
「何よう……、ジャミルのばかあ……、もう……、すぐ怒るんだから!」
 
「……うう~……、そんなに怒ってばっかいたら痔になりますよお~……」
 
アイシャとダウドはさっとアルベルトの後ろに隠れ、二人してジト目で
ジャミルを見る……。
 
「???何か最近お前らマジで幼児化してないか?」
 
「あはははは……」
 
どうしようと言う様な感じで、困った様にアルベルトは自分の頭を掻いた。
 
「ジャミルのバカ」
 
「ジャミルのアホ」
 
「スケベ」
 
「ボケナス」
 
「変態」
 
「短気」
 
「……小さいち〇こ」
 
「……お前らなあーーっ!……オイ、ダウドてめー、最後のは何だっ!?」
 
「きゃーっ!きゃ~!きゃーっ!」
 
「コラ待てーっ!ガキ共ー!!」
 
「……みんな、楽しそうだね……」
 
本当はちょっぴり追いかけっこに加わってみたい様なアルベルトなのだった。
 
「たくっ!冗談じゃねえぞっ!……俺だってなあ、デカくなる時は
デカくなるんだっつーの!」
 
「……威張って言う事じゃないでしょっ!ジャミルのバカっ!」
 
「いったああ~、何でオイラだけ殴られんのさあーっ!」
 
「……はあ」
 
アホ4人組、只管どんどんと上の階へ登って行く。やがて綱の
張って有る場所へと出た。
 
「……何だこりゃ」
 
周囲には足場が無くサーカスの綱渡りの様でもあった。
 
「つまり……、ここを渡って行けって言うのか?」
 
「やだー!やだー!こんなとこ渡れないよおー!バカーー!!」
 
やっぱりと言うか、このお方……、ダウドが真っ先にぐずる。
 
「情けねえなあ、ダウドは、こんなモン怖いのか?よし、ちょっと見てろ!」
 
ジャミルはそう言って綱の上をバランスも取らずヒョイヒョイ走って行く。
 
「おお~っ!」
 
3人がパチパチ拍手する。
 
「どうだ!」
 
後ろを振り向き得意げにドヤ顔するジャミル。
 
(……体育はオール5だけど数学は1って感じかな……、ププッ……)
 
「アル、どうした?次はお前来いよ」
 
「あ、ああ……、ごめんよ、すぐに行くから」
 
アルベルトとアイシャは何とか渡り切ったがダウド一人、綱の向こう側で
周囲にぽっかりと空いた巨大な穴と睨めっこしていた。
 
「……こんなの無理だよお……、オイラ絶対落ちちゃうよお~……」
 
「ダウド何してんだよ、早く来いよー!」
 
「早くしないと食べられちゃうよー!」
 
「……え……?」
 
ダウドが後ろを向くとマッドオックスの大群が目を光らせていた。
 
「うわあああっ!やだやだやだっ、恐いよおお~!!」
 
物凄い勢いでダウドが綱を走って渡って来る……。
 
「……渡れるんじゃねえか……」
 
「ひっく、うっく、……ううう~、ぐすん……」
 
ダウドは顔中涙と汗と鼻水だらけ、セットしてあるオールバック
ヘアーは乱れ、髪の毛ぐちゃぐちゃで凄まじい状態になっていた。
 
「よく頑張ったね……」
 
「お疲れ様、ダウド……」
 
アルベルトがダウドを慰め、アイシャがタオルで汗を拭いてやる。
 
「……どっかのン時間テレビのマラソンランナーかい……」
 
綱を渡りきったはいいが結局宝箱一つしかなく、悟りの書にも
用はないので塔を後にする事にした。
 
「……だからあれほど面倒くせーって言ったのに……」
 
ちらちら半目でアイシャとダウドを見るジャミル。
 
「で、でも、LVも上がったし良かったよねー!ダウド!」
 
「ねーっ!」
 
「……はあ~……、マジで疲れがどっと出てきた……」
 
少し茶色がかった前髪を掻き上げてジャミルが溜息をついた。
 
「プ……」
 
「何笑ってんだ!アル!」
 
「い、いや……、何でもないよ…」
 
そして、何度か敵とバトルを繰り返し、神殿周辺の敵ではLVも上がらなく
なってきたので一行は神殿を後にし新しい場所を探して次へ向かう事にした。