zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 エジンベア編
「……アル!」
「アルうううう!!」
3人が声を揃えた。城に残った筈のアルベルトが其処に立っていた……。
「……ただいま……、やっぱりみんなと旅してた方が楽しいしね……、
申し訳ないけど隙を見てルーラで逃げて来ちゃったよ、てか、僕……、
無理矢理連れて行かれたのに……、いつの間にか自分の意志で行った事に
なってるんだけど……」
「あれ?」
「あれええ~?」
「あーあ……、ったく、まーた口うるせーのが帰って来やがったぜ……」
「そんな事言って……、本当は嬉しいくせに……」
ダウドがジャミルの方を見てニヤニヤ笑う。
「あのね、アル、ジャミルはね、口ではあんな事言ってるけど、
内心アルがもう戻って来ないんじゃないかって心配してたみたい……」
「アイシャ!こ、コラ……!勝手に話作んなよっ!」
「べー!」
ジャミルの方を向いて悪戯っぽくアイシャが笑った。
「……ジャミル……、ありがとう……」
「つ、次は浅瀬探すぞ!浅瀬!余計な時間食っちまったからな!」
照れくさそうに誤魔化しジャミルが腕をぶんぶん振り回す。
「でもさあ……」
「なんだ?ダウド」
「浅瀬って言ったってさあ……」
「……」
「腐るほどあるよ……?」
「しらみつぶしに海上を探すしかないよね……、大変だけど……」
「んな事してたら爺さんになっちまうよ!」
「頑張るしかないわよ、ジャミルっ!」
アルベルトも復帰し、渇きの壺も手に入り、取りあえずジャミル達は
一安心。これ以上、こんな嫌な所にはいたくないので、さっさとエジンベアの
地から逃走するのであった。
作品名:zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 エジンベア編 作家名:流れ者