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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 ジパング編・後日談

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そうですか……、卑弥呼様はすでに……
 
 
誰かの話し声が聞こえる……。
 
 
うう、私達は……、今まで一体何の為に……
 
 
あれ……、俺……、どうしたんだっけ……、確か……
 
 
もう過ぎてしまった事はもうどうにもならん……、これからは村中の者と共に
力を合わせて生きていかなくては……
 
「!?」
 
……ジャミルが目を覚ました。
 
「ここは……、弥生さんの家か……?」
 
気が付くとジャミルは布団の上に寝かされていた。
 
「……ジャミル……、さん……?」
 
様子を見に部屋に入ってきた弥生が目を覚ましたジャミルに驚き……。
 
「あ……」
 
「みんなぁ!ジャミルさんが……、ジャミルさんがーっ!!」
 
弥生に呼ばれ、アイシャ達も急いで部屋に駆け込んできた。
 
「ジャミル……」
 
「よ、よお……」
 
「……ばかあーーっ!」
 
「うわ!」
 
アイシャが泣きながらジャミルに飛び掛かっていった。そしてそのまま
ジャミルに馬乗りになり首を揺さぶる。
 
「バカバカバカ、ばかぁ!何であんな大火傷してたのに黙ってたのよーっ!!」
 
「や、やめろって……、うっ、いたたたたた!」
 
「ア、アイシャ落ち着いて……、ジャミルは重体なんだから……ね?」
 
勢いが止まらず、きゃんきゃん泣き喚くアイシャにアルベルトが声をかけた。
 
「最初に溶岩魔人と戦った時だったっけか…?そん時は大した事ねえと
思ってたんだけど…後になってからか……、痛みが強くなってきたのは……」
 
「それで……、ずっと堪えて我慢してたんだ……」
 
「……余計な迷惑掛けたくなかったからな……」
 
アルベルトの言葉にぷいと照れくさそうにジャミルが横を向いた。
 
「君って時々変な処で真面目になるよね……」
 
「……うるさい……」
 
「ううっ!それなのに……、あ、あの時……、オイラなんか
庇ったりして……、うわあ~ん!!ごめんよお~っ!!」
 
「な、泣くなよダウド……、あれぐらい何ともねえよ……」
 
「……ぐすっ」
 
「とりあえず……、アイシャも降りてくれ……」
 
「あ……!」
 
顔を赤くしてアイシャがジャミルから降りた。
 
「ごめんね……、僕がべホマさえ覚えていたならこんな事には……」
 
申し訳なさそうにアルベルトも項垂れ、ジャミルは慌てだす。
 
「気にすんなって!俺は全然平気平気!この通りピンピンして……、
ヒッ!いててててて!」
 
ジャミルの体に激痛が走った……。
 
「もう無理するのやめるのっ!わかった!?」
 
「…ふぁい…」
 
アイシャに怒られてジャミルが小さくなる。
 
「勇者様……、弥生を……、娘を助けて頂いて……、本当に
有難うございます!!」
 
弥生達親子が深々と、何度も何度も4人に頭を下げた。
 
「いいよ!そんな!礼なんか……」
 
「そうですよ!……僕達は当然の事をしたまでなんですから……」
 
「私達は何のお礼も出来ませぬが……、どうですか?火傷が治るまで
我が家で療養されていかれては……?」
 
「おじさん、おばさん……」
 
しかし、ジャミル達に弥生の命を救われてから、おじさん、おばさんも
何だか敬語を発したりと、言葉遣いも何だか急に仰々しくなってしまった
様だった。
 
「いえ……、村中の者が勇者様達にお会いしたいと申しております、
どうぞご遠慮なさらずに……」
 
このままではどの道出発出来ないのでジャミル達は弥生家の行為に
甘える事にした。
 
「あのさ、おじさん、おばさんも……、あんまり俺らに気とか
遣わなくていいよ、最初の時みたいに、砕けた感じで接して欲しいんだよ、
じゃないと、俺らも硬くなっちまうからさ、な、みんな……」
 
ジャミルの言葉に笑顔で仲間達も頷く。それを見た弥生の両親も
笑顔になった。
 
「そうかい?んじゃ、遠慮しねえよーっ、ガハハ、あー、今日は
酒がうめえなーっと!」
 
「父さんたら、すぐ調子に乗る……、あはは、それじゃ、あたしも
気軽に接して貰うさね!」
 
「ああ、そうしてくれよ!友達感覚でさ!」
 
弥生の家には毎日、沢山の人が訪れ、ジャミル達に会いに来た。
色んな人と話をしたり、村中の人とも仲良くなりジャミルの火傷も
いつの間にかすっかり良くなった頃……。
 
「ねえ、弥生さんて……、おっぱいおっきいよね……、しかも美人だし……、
はあ……、どうやったらあんなに大きくなるのかな?何かコツがあるのかしら、
今度聞いてみようかな……」
 
アイシャが自分の胸をまじまじと、……じーっと真剣に見つめる。
 
「無駄な抵抗はやめとけ……」
 
「……うん、そうね……って、何よ!」
 
速攻で部屋から逃走し、その場を逃げ出すジャミル。
 
「ああ、ジャミルさんや……」
 
「ん?」
 
台所から顔を出し、おばさんがジャミルに声を掛けた。
 
「ちょっと弥生を探してきてくれないかい?もうすぐ夕飯だっていうのに
落ち着くとすーぐこれだよ……」
 
「ああ、いいよ」
 
「すまないねえ……、近所にいると思うんだけど……」
 
ジャミルは村中を探し回って弥生を探すが見つからない。
 
「入れ違いで家に帰ったのかな……」
 
家に戻ると外の地下室の入り口が開いており、ハシゴを降りて行ってみると
そこに弥生がいた。
 
「何してんだい?」
 
「あ……、ジャミルさん……」
 
「おばさんが呼んでるぜ、夕飯だってさ」
 
「……」
 
「どうしたんだい?」
 
「ジャミルさん、私……、ずっと考えていたんです…」
 
「ん?何を……?」
 
「私の友達は……、皆おろちに殺されました……、私だけが生き残って
しまって……、大切な友達を失って……、私には生きていく希望が
見つかりません……、私なんか生きている意味なんてないんです……、
でも、私……、本当にあの時死ぬのが怖かった……、これから私は一体
どうしたらいいの……」
 
「……意味なら……、あるさ……」
 
「えっ……?」
 
弥生がジャミルの顔を見る。ジャミルも弥生を見つめる。
その表情は……、いつもお茶らけてバカをする時の表情と違い、
穏やかで本当に優しい顔だった。
 
「あんたはこれから死んだ友達の分まで生きてやんなきゃ!
生きて生きて生きまくってやれ!な?そんで幸せになるんだよ!!」
 
「ジャミル……、さん……」
 
「なーんつってな、ちょっと臭かったかな?」
 
「ジャミルさん……、ありがとう……」
 
「さー戻ろうぜ!腹減っちまったよ……、おばさんの手料理美味いもんな!!」
 
「うふふふっ!そうですね、お腹、空きますものね……」
 
弥生はいつの間にかジャミルに心を惹かれている自分の気持ちに
気がつき始めていた。
 
「お母さん、ごめんなさい、遅くなってしまって、今、夕ご飯の支度、
手伝います……」
 
慌てて台所に入ってくる弥生。しかし、ぽーっとした娘の表情に……、
おばさんは不思議な感覚を覚えた……。
 
「……弥生……、顔が赤いけど……、どうしたんだい?」
 
「な、なんでもないのよ、お母さん……、わ、私……、おいもの皮、
剥きますね……」