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和と緑のスイート

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「…あ、達哉、こっちだよ。」
淳が青葉公園の入り口で手を振っている。
「待たせてしまったか?」
「いや、僕も今来たところだよ。
それじゃあ行こっか。」
そうして、二人で公園の中へ入っていく。


あれから、獅子宮で自分のシャドウを倒した後、淳とは前のような親友関係に戻ることができた。
そして、金牛宮でのイベントの後、淳とは恋人関係になったのだった。



「….淳しか見えない。」
シャドウギンコを皆で倒した後、ギンコが金牛宮の最奥の場所、金牛の間で達哉に向かって告白した時に、答えた言葉がそれで、等身大の自分の、素直な言葉だった。
ただ、告白してくれたギンコを振ることになってしまい、それについては、申し訳なく思った。

金牛宮で水晶髑髏を取り返した後、入り口で解散することになり、その時淳から、話がしたいという事だった。
金牛宮の神殿の、陰になる建物の裏側に淳は向かっていく。達哉もその後について行った。
「…達哉。」
そう言うと同時に淳は足を止め、こちらへ振り返った。

「…さっき、リサが告白していた時に言ってた事は本当なの?」
「…あぁ。」
言葉をもう一度言うのは恥ずかしいが、淳しか見えないと言った事だろう。
「リサからの告白が急だったから、なんとなくびっくりして言ったとかじゃ…」

「…!?俺はそんな適当なつもりで言ったんじゃない!!」
つい、大きな声が出てしまった。
淳はしばらく複雑な表情で達哉を見つめていたが、少しして、恥ずかしそうに視線をやや下に向けて言った。
「…僕も…達哉の事が好きだよ。」
「………俺も、好きだ。」
言葉を待つべきか少し迷っていると、淳はやがて顔を上げて神妙な面持ちで言った。
「…僕は、達哉が嫌じゃなかったら、…恋人同士になっても、……いいと思ってる。」

「…達哉はどう思うの。」
「俺は、構わない。」
「…本当にいいの?恋人、だよ?しかも男同士だし…。」
「あぁ。構わない。」
淳は、しばらく真面目な感じで達哉を見つめていたが、やがて、ふぅー、と長いため息を吐いたかと思えば、
「…わかったよ。」
表情が柔らかになっていた。そして口元がにこにこしている。そして、淳はこちらへ歩いて来て、降ろされていた達哉の右手を取って握った。

「…それじゃあこれから僕達、恋人同士だね。」
淳はふふっと笑った。
「…そうだな。」
「…リサには悪いけれど、僕が達哉をもらっちゃ」
その時だった。
「お〜ほっほっほっ!声がすると思って来てみれば、可愛いボウヤ達だこと!可愛がってあげるわ。」
「ほう…こんなところにニンゲンがいる… しかも何か、ただならぬ雰囲気ですね。」

金牛宮の神殿に出現する、人を酔わせ暴力へと誘う女性の悪魔、アエーシュマと、魚のような姿をしているが蛇の王の悪魔タクシャカだった。

淳はキッとその悪魔達を睨みつける。
「こんな時に…!」
そして、ペルソナを呼び出し攻撃を仕掛ける。
以前は淳のペルソナはヘルメスだったが、あれからランクがMAXになったため、今は少し前にカードによって作成したケルベロスを降魔している。アポロはランク6になり、マハラギダインを使えるようになった。
ケルベロスのファイアブレスと、アポロのアギダインの炎の魔法攻撃で、悪魔達を倒した。
淳はふぅ…とため息を吐きながら、日が暮れた闇に溶け込んで消えていく悪魔達を見つめていた。
「僕達の邪魔をするから…。」
淳が戦闘後によく言う言葉ではあったが、その日はやけに怒りの感情が出ていたような気がする。

「もしかしたら、俺がさっき大声で出してしまったから引き寄せてしまったのかもしれないな。すまない。」
「ううん、気にしないで。…改めて恋人として、よろしくね達哉。」
そしてその日は、解散する事になった。

作品名:和と緑のスイート 作家名:きまま