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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 地球のへそ編

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あははーっ!」
 
アイシャはもう無我夢中でジャミルに飛び付いた。
 
「お帰りっ、ジャミルっ!!」
 
「ピキー!」
 
「おう、ただいまっ、皆!」
 
「ジャミル……、心配したんだよ……、本当に良かった……」
 
アイシャはジャミルの胸の中で涙を流すのであった。
 
「そ……、そんな、大げさだな……、えへへ……」
 
「あのー……、僕達の事……、忘れてない……?」
 
アルベルトとダウドが自分たちの顔を指差した。
 
「ありゃ!」
 
「きゃっ!」
 
「最近こればっか……」
 
「オイラ達だって心配してたのになー!!」
 
「あ、あんがと!アル、ダウド!」
 
ジャミルが慌てて二人にもお礼を言った。
 
「もう~、大変だったんだよ、アイシャってば、
ジャミル……、ジャミルって」
 
「きゃっ!ダ、ダウド!やめてぇー!」
 
アイシャが顔を真っ赤にし、慌てて手を振り回した。
 
「でも本当に良かった、無事で……」
 
アルベルトもほっとし、安心した様に微笑む。
 
「怪我とか……、してない?」
 
アイシャが聞くとジャミルはうーんと言う表情で
笑って見せる。
 
「ああ、ちょっと擦り剥いたかな……、あ、でも、
大した事は……」
 
「ほら、べホイミかけてあげるよ」
 
アルベルトがジャミルの手を取り、呪文を唱える。
ジャミルの傷はあっという間に塞がる。
 
「アル、ありがとな!」
 
「ジャミルもやっと素直になったじゃん!」
 
「……うるせーんだよ、バカダウド!!」
 
顔を赤くしてツンデレジャミルが怒る。
 
「あはははっ!」
 
「ふふふふっ!」
 
神殿内に暫し朗らかな笑い声が響き渡った。
 
「おにーちゃん、みんなしんぱいしてたよー!
よかったー!」
 
スラリンもジャミルの頭の上に乗る。
 
「ああ、お前も有難うな、スラリン!」
 
「あなたは無事試練を乗り越えたのですね……、
勇者様……」
 
そして、神官が近づいて来た。
 
「ああ、オーブもこの通りさ、取ってきたぜ!」
 
「これからの道のりはこれまで以上にきっと険しい
道のりに成る筈……、けれどあなた達ならどんな苦難も
乗り越えていけるはずです……」
 
「平気さ!皆がいるから!」
 
アルベルト達も頷く。
 
「どうかどんな時でも希望を忘れませぬ様……、
あなた達の道にいつでも光が照らしています様に……」
 
神官に礼を言い、ジャミル達は神殿を後にするのであった。
此処、ランシールでのお役目も無事達成、任務完了である。
 
「ふう~……」
 
「どうしたんだ?ダウド」
 
「この話も何か中盤突入だよね、これから
どうなるのかな~……」
 
「そうだな、段々ふざけてられなくなるかもな……」
 
「大丈夫だよ、ジャミルはふざけてばっかりだから」
 
「……うるさいっ!アホベルト!」
 
「誰がアホベルトだよっ!」
 
「おめーしかいねーだろーが、ボケッ!」
 
「ボケてるのはジャミルの頭じゃないか!」
 
「うるせー!いんぐりもんぐり!ぐーりぐり!」
 
「……訳わかんない事言うなーっ!!」
 
「あーあ……、折角かっこ良く決まったと……、
思ったのに……」
 
アイシャとダウドが揃って溜息をついた。大概
こうなるのがお決まりである。
 
「ねえ、ジャミルとアルベルトっていつもこうなの?」
 
スラリンがピキピキ、ぴょんぴょん飛び跳ねる。
 
「しょっちゅうだよ……」
 
「さて、話を戻すか、アル、他にどっか町ないか?」
 
「えーと、ちょっと待ってね」
 
アルベルトが世界地図で確認を始めた。
 
「まだ行ってない所は、テドン、サマンオサ、
その辺りかな」
 
「……テドンてやな噂があるよな……」
 
「ああ、幽霊が出るって……」
 
ジャミル達の話が耳に入ったらしく、町の若者二人が
立ち話を始めた。
 
「幽霊!?」
 
……お約束、ダウドが震え上がった。
 
「その町って心霊スポットかなにか?」
 
ジャミルが割り込んで逆に話を聞いてみる。
 
「なんでも、大分昔の話だけどさ、テドンて言う村が
バラモスに滅ぼされたんだよ、んで、村人が成仏できなくて
今も彷徨ってるって言う話だよ……」
 
「町じゃなくて村なのか……、どうする?行ってみるか?」
 
「や~だ~!!」
 
「うん」
 
心の準備が出来ていないダウド以外、皆頷く。
 
「ゆーれいってたべもの?」
 
そしてスラリンは無邪気である。
 
「……食べ物かあ、うう~、ハラ減ったよう~……」
 
疲れた様にジャミルがその場にしゃがみ込む。
それを見たアルベルトは仕方ないなあと言う様に頷いて。
 
「夕ご飯は何処かのお店で久々に美味しい物食べようか、
ジャミルも今日はご苦労様だったしね……、お疲れ様……」
 
「ま、マジっ!?うわあ、苦労して良かったあー!」
 
ジャミルは目を輝かせ、アルベルトの方を見ると、
アルベルトも静かに頷く。今日のジャミルの御苦労様は
本当に、皆が分かっている。
 
「だけど、……分かってると思うけど、ステーキは
駄目だよ……」
 
「ぶうーーっ!」
 
ジャミルが膨れてブン剥れる。ゴールドを管理する
アルベルトは本当に大変なんである。この間の如く、
機嫌取りでジャミルを宥める為とは言え、ステーキ食べに
行こうとは二度と言うまいとも思っていた。
 
「うあー!俺は一体何時になったらステーキ食えるんだっ!」
 
「なんか、ジャミル、アイシャみたいだあ、バカップル、
やっぱどっか似たモン同士なんだよね……」
 
「何かしらっ、ダウドっ!?」
 
「い、いえ……、何でもないですよお~……」
 
「ピキー?」
 
そしてそのまま、ランシールの小さな飲食店で、
4人と1匹は(安くて)美味しいカレーでお腹を満たした。