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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 地球のへそ編

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「約束して……、お願い……、絶対無理はしないって……」
 
やはり、ジャミルを止める事は絶対出来ない……、
アイシャがジャミルの手をそっと握りしめた。
自分は此処で祈って待つ事しか出来ないのだと……。
どうかジャミルが無茶をしない様に……。
 
「ああ……、約束する……」
 
「らぶらぶう?」
 
「ス、スラリン!?」
 
「ジャミルとアイシャ、ラブラブなの?ねえ、
アルベルト!」
 
「……あ、あの二人は……、もう~!!」
 
突如始まるいつものイチャイチャに恥ずかしくて見て
いられないのかアルベルトが横を向く。
 
「スラリン……、意味判ってんの……?」
 
「うん、ダウド、わかるよ、なかよしのいみだよね、
おにいちゃんもおねえちゃんもアルベルトもダウドも
みんなみんなみーんななかよし!ピキー!」
 
「……ふう……」
 
ダウドが下を向いた。もう好きにして下さいよお~状態である。
 
「……もう、宜しいですか……?」
 
「あ……」
 
「きゃっ!」
 
……神官、仲間達、二人を見つめる皆の視線に
漸く気づき、二人は顔を真っ赤にし、慌てて手を
放した……。
 
「この先の洞窟、地球のへそにはブルーオーブが
眠っていると伝えられています……」
 
「え!オーブがあんの!?じゃ、じゃあ……、
試練の筈だよねえ……」
 
ダウドが身を乗り出してくる。オーブを手に入れる為の
ジャミルへの厳しい試練とあれば……、勇者として
これぐらいは乗り越えなければならないと言う事が
明確になる。
 
「厳しい試練を乗り越えた者だけに……、新たな道が
開ける筈です……」
 
「なんだってやってやらあ!」
 
「そうだね、ジャミルなら殺しても死なないもんね!
だから、大丈夫だよお、アイシャも!」
 
「ふふっ、そうね!」
 
「……一言余計だっつーの!」
 
ジャミルがダウドの頭を拳でぐりぐり……、それこそ頭部に
穴が開きそうな勢いである。
 
「いた……、いたいよ……、ジャミルう……!」
 
「あははははは!」
 
「ピキー!」
 
4人が顔を見合わせて笑った。先程まで緊迫していた
ムード、ガラッと変わり、賑やかムードに一転し、
スラリンも笑顔になった。
 
「んじゃ、ぼちぼち行ってくらあ!」
 
「気を付けて!」
 
「早く戻って来てね!……でも、絶対無茶しないんだからねっ!」
 
「ピキー!ジャミルおにいちゃん、がんばれー!」
 
「拾い食いなんかしちゃ駄目だよお!」
 
「……誰がするか!バカ!」
 
皆に見送られながらジャミルは一人、地球のへそへと
向かうのであった。


地球のへそ
 
 
薄暗い洞窟の中をジャミルは独りで進んで行く……。
 
「試練って言ってたけど……、どんなのだろうな?」
 
 
……ぐぎゅるるるう~……
 
ジャミルの腹の音が洞窟内に間抜けに響き渡った……。
 
「……はあ、肉まん食いてえな……、焼きそば、
たこ焼き、……ステーキ……」
 
こう呟くと何処かの腹黒貴族がスリッパを持って
飛んで来そうであったが。今はジャミルは本当に一人、
孤独なのである。薄暗い洞窟の中をひたひた只、只管
歩いていれば、自分は今本当に独りなんだなと、嫌でも
実感出来る。試練を乗り越えなければならなかった。
 
 
……引き返せ……
 
 
「は?」
 
 
……引き返すのだ……
 
 
「ん?どっから声出てんだ?」
 
見ると壁に頭だけの石像が二つ並んでいる。
 
「……引き返せ……」
 
「そうか、こいつが喋ってんのか……」
 
「引き返すのだ……」
 
「……悪いけどそんな素直に言う事聞く様な人間じゃ
ないんでね!」
 
石像を無視してどんどん先へと進む。
更に奥へと進んでいくと同じ様な石像が
あったが無視。……あまりにもうるさいので、
一度切れて喋る壁にパンチしたが、
自分の拳が赤くなって腫上っただけであった。
 
「別に今ん処大した仕掛けはねえよなあ……」
 
そう思っていると通路の影から大量のモンスターが
飛び出してくる。
 
しかもその数は1匹や2匹では済まず、これまで訪れた地で
ジャミル達が戦って来た全てのモンスターが密集していた。
 
「こいつらを倒さねえと先に進めないわけだ、ふーん……」
 
モンスターの群れはジャミルを見て目を光らせている。
 
「……こういう事なのかな、試練の意味が段々分かって
来たわ、戦ってやるか!」
 
ジャミルが鉄の斧を構える。……たった独りで、数匹の
モンスター達と睨み合いになる。

 
 
ーランシール
 
 
「……」
 
「アイシャ」
 
「アル……」
 
アイシャが不安そうにアルベルトの顔を見る。すると
アルベルトがアイシャの肩に手を置いた。
 
「ジャミルなら心配ないよ、きっと元気で戻ってくるよ……」
 
「……うん……、でも……」
 
あの2度目のバカンスの休憩日、アホなジャミルが
ドジって海で溺れ掛った日の事がアイシャの脳裏から
離れないのである。もしも、もしも……、又何かあったら……、
そう思うとアイシャは不安になってしまい、ぎゅっと目を瞑り、
抱いているスラリンを更に強く抱きしめるのだった。
 
「ピキ、おねえちゃん……」
 
「大丈夫、大丈夫、ジャミルの事だもん!」
 
「ピキー!」
 
ダウドとスラリンもアイシャを励ました。
 
「うん……、そうだよね……」
 
アイシャは再び目を開くと心の中で小さく祈る。
 
 
ジャミル……、早く帰って来てね……
 
 
そして、再び場面は地球のへそに……。
 
「……だああーーっ!どけーっ!!」
 
アイシャが心配と不安で胸を痛めている中、

ジャミルは襲い掛かってくるモンスター達を次々と
蹴り倒し、暴れまわっていた……。
 
「俺の邪魔すんなあーーっ!!邪魔だあーーっ!!」
 
ジャミル達のLVはすでにやまたのおろちの洞窟で
……25付近になっていた為、別に何の問題もなかったのである。
 
「……ちぇすとおおおーーっ!!」
 
吠えながらモンスターをドスドス蹴り飛ばしていく。
アルベルトが言った様に何の心配も要らなかった
が、既に格闘攻撃になっていた為、これでは鉄の斧を
構えた意味もなかったんである。
 
……散々暴れ捲って漸くジャミルは洞窟の奥へと辿り着く。
 
「……はあ、手強い奴らだった……、ん?」
 
見ると行き止まりの通路に宝箱が置いてあった。
 
「どれどれ?」
 
早速中を開けると光り輝く青い玉が入っていた。
ジパングでゲットした、オーブ、パープルと全く
同じ型だったのでオーブに間違いはなかった。
 
「……やたっ!ブルーオーブGet!」
 
こうしてジャミルは試練を越え、苦労の甲斐だけあり、
漸く二つ目のオーブを手に入れる事が出来たのである。
 
 
再びランシール……
 
 
「……あ、帰って来たよお!」
 
「えっ!?どこどこ!?」
 
ダウドの言葉にアイシャ達が反応する。
 
「うん、確かに足音がする……」
 
アルベルトも気が付いた様だ。
 
「おーい!」
 
青いオーブを持ってジャミルが走って来る。
 
「……、ジャミル……、ジャミル……、ジャミルーっ!!