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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 海賊集団現る!&ルザミ編

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珍の街で散々嫌な思いをした一行は気を取り直して
次の目的地を探す。アイシャは船室で昼寝をし、同じく
アルベルトも船室にていつも通りゆったり読書。
モンスターも現れず、久々にまったりのんびりモードの
航海だったが……。
 
「う~っ……、あっついよお~……、夏でもないのに
なんでこんなに暑いのかな……、あついよお、あついあつい
あついーーっ!」
 
甲板に出てダウドが吠えている。
 
「ホントだよなあ……、今日は風が全然ねえし……、
いっそ台風でも来ねえかな……」
 
「……そ、それは駄目だよおっ!縁起でもない事いうなよお!
バカジャミルっ!」
 
「うるせー!このヘタレっ!」
 
この二人は甲板にて他愛もないアホバトル。
 
「あ、それより、ねえねえ、ジャミル見て見て、これ珍の
ホテルから貰ってきた、はいお土産」
 
「……彼のソーセージは世界一なの、でも時々大きい
フランクフルトになるの……、おい、なんだこれ……」
 
「月刊お〇ん〇&お〇ん〇の友……」
 
「変なモン取ってくんな!まーたアイシャに見つかったら
俺が殴られんだろが!」
 
「いいじゃん……、アンタも好きなんでしょ……、
ん……もう……」
 
「……よこせっ、このやろ!早く捨てろ!」
 
「見たいなら無理しない方がいいよおー!」
 
……そんな揉める二人の様子をじーっと見つめている者?
が一匹。スラリンである。スラリンはアイシャがいる
寝室までぼよんぼよん飛び跳ねて行った。
 
「ねえ、おねえちゃーん」
 
「ん……、なあに、スラリン、私まだ眠くて……、
もう少ししたら遊んであげるからね…」
 
「おち〇〇とお〇ん〇ってなーに?」
 
「!?」
 
「ジャミルとダウドがはなしてたのー、かれの
ソーセージはせかいいち、でもときどきおおきい
フランクフルトー」
 
「……ジャミルとダウドのバカーーっ!!」
 
その日ジャミルとダウドの顔面にアイシャの鉄拳が飛んだ。
 
次の日。
 
「又すぐそうやって膨れる!機嫌直せよ、アイシャ!」
 
「知らないっ!スケベジャミル!!」
 
「……?ジャミル……、あの船はなんだろう……」
 
一人でぼ~っと海を眺めていたアルベルトが声を上げた。
 
「どうした?」
 
ジャミルも身を乗り出し海を見る。……確かに
見た事のない船が4隻こちらの船に向かって接近して
来ている様である。
 
「な、なんかやばくないですか……?」
 
ダウドがさっとジャミルの後ろに隠れた。
……いつも通り。
 
 
「海賊船みてえだな……」
 
 
「……ええーっ!?」
 
「そう言われてみると……、皆筋肉ムキムキだし、
武器持ってるし、頭にバンダナを巻いているね……」
 
アルベルトも呆然とする。もしかしたら、海賊を
相手にするとなると、モンスター戦以外での初の
困難なバトルになるかも知れなかった。
 
「うわ、すげー臭そうな連中……」
 
「オ……、オ……、オ……、オイラ達を捕まえに
きたんだあ~っ!」
 
「ピキピッキー!」
 
「何だよ、厄介だなあ!たく!」
 
「ギャー!どうしよどうしよ!」
 
「怖い……」
 
スラリンは甲板で跳ね、ダウドは怯え、アイシャは
ジャミルにしがみ付く。
 
「売られたケンカは買うしかないか……」
 
ジャミルが鉄の斧を構え、体制を整える。
 
「おい、書いてる奴、俺、いい加減に鉄の斧からも
卒業させろよ、いつまでこれなんだよ……」
 
「ジャミル、今はそんな事言ってる場合じゃないよっ!」
 
アルベルトも草薙の剣を構えた。
 
「あんた達、いい度胸してるねえー!あたし達のショバに
入ってくるたあ!」
 
「……ん、女……?」
 
むさ苦しい連中の中に何故かただ一人だけ威勢の良い
スタイル抜群の美女がいた。
 
「ふふん、あたし達はここいらの海を取り仕切ってるのさ!」
 
「お頭、こいつらどうします?」
 
「……お頭?あんたがボスなのか?」
 
「そうさ、あたしが首領だよ!」
 
「ほへ……」
 
「あんた達は悪人て顔じゃないねえ……」
 
女ボスがジャミルをジロジロと眺めた。
 
「僕達は魔王バラモスを倒す為に旅を続けています」
 
アルベルトが口を開くと、女ボスはあっ!と、
言う様な表情をした。
 
「!へー、あんた達が噂の騒動屋勇者様ご一行なのかい、
へえ~……」
 
「……そー」
 
ジャミルが気の抜けた様な返事をする。どうやら
海賊達にまで、この4人の方々での暴走っぷりは
伝わっているらしい。もう、大変な有名人になっていた。
 
「どうだい?あたしらのアジトに来ないかい?
少しはもてなしするよ」
 
「……お頭あ!」
 
「うるさいね!あたしが気に入ったんだよ!
文句あるかい!?」
 
「は、はい……、」
 
「ジャミル……、どうするの……?」
 
心配そうにジャミルを見るアイシャ。
 
「……とりあえず……、行ってみるか、何か情報が
得られるかもしんねえし」
 
「決まったね、そう来なくちゃ!あたしらの船に
ついでおいで!」
 
4人の船は海賊達の乗った船の後を付いていく。
やがて、小さな小島まで辿り着いた。
 
海賊のアジト
 
 
「お頭、お帰りなさい!」
 
「おう、帰ったよ!」
 
むさ苦しい男達がゾロゾロ出て来て、ボスを出迎える。
 
「お頭、こいつらは?」
 
「私の友人だよ、ごちそうの用意をしてくれ」
 
(……い、いつから知り合いになったんだ……???)
 
「へーいっ!」
 
「まあ、そんなに堅苦しくなるな、ここに座れ」
 
「はあ……」
 
4人は広間に案内される。アルベルトは落ち着いていたが、
アイシャとダウドは何となくそわそわしている。
 
「なああんた、何でこんなに俺達に親切にしてくれんの?」
 
「あんた達はバラモスを退治してくれるんだろう?全く、
バラモスの奴ときたら……、手下のモンスターを使って
海を荒らしまくってるのさ、おかげで海は汚れるわ、
魚は死んじまうわ、もう散々だよ……」
 
「……」
 
「頼むよ、おちびの勇者さん達、しっかりバラモスの
野郎をシメてやっておくれよ!」
 
「わ、わかった……」
 
「その為にも今日は沢山食っていきな!栄養つけなきゃ!」
 
(……この人達……、悪い人達じゃなさそうだね……)
 
アルベルトが小声でジャミルに話しかけた。
 
(ああ……、心配ないみたいだな……)
 
「それに理由はもう一つある」
 
「?」
 
……ボスがジャミルに近寄っていった。
 
「あんたなかなか可愛い顔してるじゃないか、
うん、気に入った」
 
「……は?」
 
「!!!!」
 
「どうだい?バラモスを倒したらあたし達と一緒に
海賊をやらないかい?」

「はあ……、今度は海賊スか、国王とか、俺、何か
色々スカウトされんなあ~……」
 
「だめぇーっ!!だめったらだめぇーっ!!」
 
ムキになってアイシャがジャミルの前に立ち、
両手をばっと広げた。
 
「……何だいお嬢ちゃん、あんたもこの坊やが
好きなのかい?」
 
「大好きだもん!べーだ!それに私達、もう
好き同士だもん!!」