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地下の宇宙

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そして、中庭に移動すると、鳴羅門石のあった場所からは、青白い巨大な光が円柱状に太く立ち昇っていた。
同じ光でも、ニケーの時のものとは違い、不気味で禍々しい雰囲気を放つ。

淳が説明してくれた。
「これが、天国の門…
父さんは、天の川がシバルバーへの道だと説いていた…。
セブンスの地下に七夕川から別れた、天の川があるはずだって…
その地下の天の川へ至る天国の門…
それが、この鳴羅門石なんだ。」

石を中心として天に向かいまっすぐ放たれている怪しい光の柱は、七姉妹学園の外の街の人からもはっきりわかるほどの大きさだった。

しっかり準備してから向かった方が良さそうね、との舞耶姉のアドバイスもあり、一度街に戻って必要な物を買い込んでから、光の柱に入ることにした。

光の柱に入ると、地下の洞窟のような空間に出た。目の前には大きな川が広がっている。
先の方はここからではよく見えない。

青緑色のきれいな水辺にはボートが浮かんでいた。
「ここを下っていけば、シバルバーの入り口に辿り着けるはずだ。」
と言う淳の意見を聞き、皆でボートに乗り込む。


今まで、天の川といえば7月7日に晴れていれば、織姫と彦星が会う事ができる宙の場所としてしか知らなかった。地下の洞窟のような中に、このように川としてあるなんて。


舞耶姉の、絶叫アトラクションのようなボートの激しい動きには驚いたが、それもそれで楽しかった。
その後運転を代わることになったが、機械いじりがどちらかというと得意なのもあって無事に操縦できて良かったと思った。



天の川は、確かに地下にあるはずなのに、言葉通りに空中は銀河のような宇宙空間のような世界が広がっていて、不謹慎だが、幻想的で綺麗だと思った。
水面は濃い青緑のような色に、それよりも薄い青緑の水面に現れる不自然な線の模様がゆらゆら揺らめいて、水平線より上は、かなり暗い群青色の宇宙に、真ん中にきれいな水色やエメラルドグリーンのグラデーションの、天の川を思わせる銀河が太く、横一直線に流れていた。


今までは神殿や防空壕の中など、人がいてもおかしくない場所にいたが、今回の宇宙のような景色の空間の中にいる事で、本来人間がいられないところにいよいよ足を踏み入れてしまったんだとも思った。
まさに異空間。

そして、何となくそんな予感はしていたが、4つの神殿や学校の時では見かけなかった、初めて見る悪魔達と出くわす。

鳥のような姿をした、水面よりも少し明るい青緑色の胴体に黄色のラインと尾をしたヴグブ・カキシュ、雲の上で、寝そべって寛いでいる様子のフナブ・ク、白い髭を長く生やしており、青いマントを羽織っているマナナン。
色鮮やかな悪魔が多く、エスニックな雰囲気を感じさせた。

その悪魔達を倒したりコンタクトを取ったりしながら、ボートで分かれ道を時に選び、ひたすら長い道のりを前へ前へと進んでいった。

その後、何となく滝でもあるんじゃないかと話をしていたら滝が現れ、落ちたものの無事生還し、落ちた時にたどり着いた陸地の地続きに、巨大なシバルバーの建物が見えていた。
歓迎するかのように、入り口近くのライトによって、より明るくシバルバーの建物は照らされている。

ここのどこかに、拐われたイデアル先生がいるはずで、フューラーや淳の父親とも相対することになるだろう。そう思いながら、巨大な建物、シバルバーに足を踏み入れ始めた。
作品名:地下の宇宙 作家名:きまま