zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 テドン編
……皆さんがいつまでも幸せであります様に……
「……さよなら……、フィラ……」
『私もね……、ジャミルの笑った顔大好き……』
「……うわ!くさ!きっつうーーっ!」
「す、少しきついね……」
「コレ、あまずっぱ通り越してるよお!……くさずっぱだよお!」
「なにしてるのー?アルベルト、ダウド」
「!う、うわ……、スラリン……!?」
「それ、なあに?」
何時の間に来たのか、スラリンが甲板に出現する。
「こ、これは……、音楽を聴く物……、だよね……?」
「う、うん……」
ダウドが慌ててテープレコーダーをさっと後ろに隠す。
「ピキー?」
「あ、アル、ダウド、二人とも何してるの?休憩室にいなかったから……、
甲板にいたのね、夕ご飯のお魚でも釣るの?」
「……うわわわわ!」
二人を探してアイシャまで甲板に顔を出し、こっちに向かってくる。
「え!?あ、あの……」
「……その後ろに見えてる物、なあに?ダウド、何か隠してるのかしら?」
「あの、それはね……」
「ちょっと貸して!」
「……早っ!!」
アイシャ、素早くダウドの後ろに回り、隠していたテープレコーダーを
取り上げる。
「ぽちっと!」
「あーーー!!」
二人が止める間もなくアイシャがテープレコーダーの再生ボタンを押す。
「あ、何か言ってる!えーと……」
「……やめてええええーっ!」
『口が悪くてドジでおっちょこちょいで短気で……、でも誰よりも
優しくて……』
「……これ、私の声じゃないのよう……!」
「ヒイイイイーーっ!!」
「待ちなさーい!アルーっ!!ダウドーっ!!」
「……何だ……?」
「……キャーすいませぇーーんっ!!」
「待てえええーーっ!!」
「……珍しいな……、今日はあいつらが怒られてら……」
「ピキー?」
体調も戻り、少し風に当ろうと甲板へやって来たジャミル。
アルベルトとダウド、そして二人を追掛けるアイシャ……。
……非常に珍しい光景に首を傾げるのであった……。
作品名:zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 テドン編 作家名:流れ者