zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 サマンオサ編
ジャミル達は残りのオーブの手掛かりを求めて新しい
土地へと向かっていた。
「色々あったけど……、オーブもこれで半分揃ったな……」
「うん、あと2個だね!頑張らなくちゃ!」
「うう~、オーブが揃ったら……、魔王の所へ行くんだねえ~、
嫌だよお~……」
「ジャミル……」
「ん?」
「……バラモス倒したら……、フィラちゃん達の
お墓参りに行こうね……」
「ああ!」
近頃元気の無かったアイシャの顔に漸く笑みが戻る様に
なってはいたが、テドンの村の悲しい出来事を思い出す度、
塞ぎ込んでしまう……。
「ジャミル」
「なんだ」
「鼻毛がのびてる」
「え?え?え?ど、ドコ……」
「うっそ!」
「ダウドさーん、ちょっとお口開けて下さーい、
……歯の治療しますからっ!!」
「いはいいはい……、やめてほおおー!!おひら
むひはははいほおー!」
「くくくくっ、ぷっ……、あははははは!」
……辛い時でもジャミルの明るさはアイシャの心に
安らぎを与えてくれるのだった。ある日、船内の
休憩室で食事を取っていた時の事である……。
「ふう……」
「アイシャ、元気ないねえ……、どうしたのさあ……」
「又、全然食べてないみたいだけど……」
「……おねえちゃん、ごはんたべないの?おいしいよ?」
皆が心配する中、アイシャは食事を食べず、
下を向いて俯いていた……。
「ごめんなさい、食べたくないの……」
「少しは食べなくちゃ……、辛いのは分るけど……」
「ピキ、おねえちゃん、かわいそう……」
「……フィラちゃん……、ぐすっ……」
「あ、アイシャあ~……」
……アルベルトとダウド、男衆は泣き出した
アイシャを慰めるのに大騒ぎであった。……其処に……。
「元気出せーっ!アイシャー!」
「ジャミル……」
……アホの登場である。
「……何……、その玩具のマイクは……」
アルベルトが呆れて眉間に皺を寄せた。
「元気が出る様に、ディナーショーだっ!」
「……はあ~?」
「いくぜっ!せーのっ!あ、あ、あ、あ、あ~っ!
ああーー!あー、マイクテス……、マイクテス……、
マイクテスデス、ただいまマイクのテスト中……、
んっ、あ、あ、あ……、あ?あ……、ありゃ……」
マイクが作動しないらしい。玩具なので当り前なのだが。
「……あれ~っ?」
「ただの馬鹿だよお……」
「プ……、くくくくく……、きゃーっはっはっは!」
泣いていたアイシャが等々笑い出した。
「……ちくしょーっ!マイクなんかいらねー!」
「う、うふふふふふ!」
「……あいたっ!……ンモーー!」
ジャミルがほっぽり投げたマイクがダウドの
後頭部に直撃する。……ジャミルは独りで勝手に怒り出し、
歌を歌い始めた。
「……♪ぽっ……ぽっ……ぽおおお~……、鳩汽車ぽっぽお~……、
ポオー!!」
「何……、その歌……」
「いいのっ!俺が歌ってんだから!」
「ハア……、そうですか……」
アルベルトは呆れながらカップの中の紅茶を啜った。
「ジャイケルマクソンのムーンウォーク!!」
……をやろうとして後ろに下がろうとしたジャミルが
滑ってこけた。
「ジャミルうー、これ以上馬鹿やると……、アイシャが
笑い過ぎて死んじゃうよお~?」
「……失礼な!あたしゃ笑わせる様な事なんか
何一つしてないよ!」
「あはははは!きゃーっはははは!きゅ、きゅきゅきゅ……、
もうやめてよー!!バカー!!」
「うーん……、箸が転んでもおかしい年頃か……」
「ジャミルの顔がおかしいからだよおー!」
「……ダウドちゃん、あんた言う様になったじゃないの……、
おばちゃん怒らせると怖いわよ?」
「おばちゃん……?」
「……やめてえーっ!死んじゃうわあーっ!
あはははははははは!!」
「……」
「ピキー!おねえちゃんがまたわらってるー!よかったー!」
次の日。4人は地図を見ながら今後の進路について何処に
向かうか話をしていた。
「次はどこから行く?」
「オイラ危険の少ない場所がいいです……」
「ダウド、そんな所ないから……」
「あう~、アルう~……、そんなストレートに
言わないでええ~……」
「……そうだなあ、行ける所も少なくなってきたしなー……、
グリンラッド……、買い物やら休憩出来る様な新しい場所は
もうサマンオサぐらいしかないか……」
「プッ……」
「何だ……?」
「くくくくく……」
笑い声のした方向を見ると……、アイシャが必死で
自分の口を押えていた。目線はジャミルの方を向いて。
「もー、アイシャってばジャミルの顔見る度、
昨日の事思い出して笑ってばっかりいるんだよお……」
「別に大した事はやってねえと思うんだが……」
「くくく……」
「えーと……」
「くすくす……」
「……何なんだよぉ!?」
「あははははは!」
「と、とりあえず……、サマンオサに行ってみようか……」
汗かきかきアルベルト。……それから暫くして
アイシャの笑い病が治まってきた処で漸く
サマンオサらしき城が見えてきたのだが。
「何だありゃ……、城は見えるけど岩山に囲まれてて
中に入れないな……」
ジャミル達は船が入れそうな入り江を探してみる。
「ど、どっから入んの!?」
「うーん……、どうすっか……」
暫く船でウロチョロしていると北の方にほこらを発見。
「あそこで聞いてみようか……」
「俺、何か腹減ったなあ……」
4人は船を岸に留めほこらの中へと入って行く。
「ちーす」
「おや……、あなた達もサマンオサに……?」
中には愛想のいいおじさんがいた。
「それなんだけどさ、其処ってどうやって行けば
いいのかな?わかんなくって……」
「……それでしたら、其処の旅の扉に入れば、
サマンオサの地へと通じている場所に行ける筈です、
部屋には鍵が掛かっておりますが」
「そうか、あんがと!じゃあ、このままサマンオサに
行っちまうか!」
しかし、サマンオサに向かうという4人におじさんが
忠告を始める。
「ですが……、今はあまりサマンオサには近づかない方が
いいと思いますよ」
「どういう事だ?」
「何でもサマンオサの王が心変わりしたそうです、
逆らう者には死刑だとか……」
「うわ!珍2号!」
「……は?」
「いや、何でもない……」
「勇者サイモンも其処の右の扉から追放され、何処かに
送られたとか……、王の命令によって…」
「サイモンさん?サイモンさんを知っているの?」
「ええ、お嬢さん……、私もサイモンさんの名前くらいは
知っていますが……、サイモンさんの行方は分かりません……、
彼が一体どんな罪を犯したのかも……、私はつい最近この
ほこらに派遣されましたので……」
「そうだよなあ……、やっぱ行って確かめてみるしか
ねえよなあ……」
土地へと向かっていた。
「色々あったけど……、オーブもこれで半分揃ったな……」
「うん、あと2個だね!頑張らなくちゃ!」
「うう~、オーブが揃ったら……、魔王の所へ行くんだねえ~、
嫌だよお~……」
「ジャミル……」
「ん?」
「……バラモス倒したら……、フィラちゃん達の
お墓参りに行こうね……」
「ああ!」
近頃元気の無かったアイシャの顔に漸く笑みが戻る様に
なってはいたが、テドンの村の悲しい出来事を思い出す度、
塞ぎ込んでしまう……。
「ジャミル」
「なんだ」
「鼻毛がのびてる」
「え?え?え?ど、ドコ……」
「うっそ!」
「ダウドさーん、ちょっとお口開けて下さーい、
……歯の治療しますからっ!!」
「いはいいはい……、やめてほおおー!!おひら
むひはははいほおー!」
「くくくくっ、ぷっ……、あははははは!」
……辛い時でもジャミルの明るさはアイシャの心に
安らぎを与えてくれるのだった。ある日、船内の
休憩室で食事を取っていた時の事である……。
「ふう……」
「アイシャ、元気ないねえ……、どうしたのさあ……」
「又、全然食べてないみたいだけど……」
「……おねえちゃん、ごはんたべないの?おいしいよ?」
皆が心配する中、アイシャは食事を食べず、
下を向いて俯いていた……。
「ごめんなさい、食べたくないの……」
「少しは食べなくちゃ……、辛いのは分るけど……」
「ピキ、おねえちゃん、かわいそう……」
「……フィラちゃん……、ぐすっ……」
「あ、アイシャあ~……」
……アルベルトとダウド、男衆は泣き出した
アイシャを慰めるのに大騒ぎであった。……其処に……。
「元気出せーっ!アイシャー!」
「ジャミル……」
……アホの登場である。
「……何……、その玩具のマイクは……」
アルベルトが呆れて眉間に皺を寄せた。
「元気が出る様に、ディナーショーだっ!」
「……はあ~?」
「いくぜっ!せーのっ!あ、あ、あ、あ、あ~っ!
ああーー!あー、マイクテス……、マイクテス……、
マイクテスデス、ただいまマイクのテスト中……、
んっ、あ、あ、あ……、あ?あ……、ありゃ……」
マイクが作動しないらしい。玩具なので当り前なのだが。
「……あれ~っ?」
「ただの馬鹿だよお……」
「プ……、くくくくく……、きゃーっはっはっは!」
泣いていたアイシャが等々笑い出した。
「……ちくしょーっ!マイクなんかいらねー!」
「う、うふふふふふ!」
「……あいたっ!……ンモーー!」
ジャミルがほっぽり投げたマイクがダウドの
後頭部に直撃する。……ジャミルは独りで勝手に怒り出し、
歌を歌い始めた。
「……♪ぽっ……ぽっ……ぽおおお~……、鳩汽車ぽっぽお~……、
ポオー!!」
「何……、その歌……」
「いいのっ!俺が歌ってんだから!」
「ハア……、そうですか……」
アルベルトは呆れながらカップの中の紅茶を啜った。
「ジャイケルマクソンのムーンウォーク!!」
……をやろうとして後ろに下がろうとしたジャミルが
滑ってこけた。
「ジャミルうー、これ以上馬鹿やると……、アイシャが
笑い過ぎて死んじゃうよお~?」
「……失礼な!あたしゃ笑わせる様な事なんか
何一つしてないよ!」
「あはははは!きゃーっはははは!きゅ、きゅきゅきゅ……、
もうやめてよー!!バカー!!」
「うーん……、箸が転んでもおかしい年頃か……」
「ジャミルの顔がおかしいからだよおー!」
「……ダウドちゃん、あんた言う様になったじゃないの……、
おばちゃん怒らせると怖いわよ?」
「おばちゃん……?」
「……やめてえーっ!死んじゃうわあーっ!
あはははははははは!!」
「……」
「ピキー!おねえちゃんがまたわらってるー!よかったー!」
次の日。4人は地図を見ながら今後の進路について何処に
向かうか話をしていた。
「次はどこから行く?」
「オイラ危険の少ない場所がいいです……」
「ダウド、そんな所ないから……」
「あう~、アルう~……、そんなストレートに
言わないでええ~……」
「……そうだなあ、行ける所も少なくなってきたしなー……、
グリンラッド……、買い物やら休憩出来る様な新しい場所は
もうサマンオサぐらいしかないか……」
「プッ……」
「何だ……?」
「くくくくく……」
笑い声のした方向を見ると……、アイシャが必死で
自分の口を押えていた。目線はジャミルの方を向いて。
「もー、アイシャってばジャミルの顔見る度、
昨日の事思い出して笑ってばっかりいるんだよお……」
「別に大した事はやってねえと思うんだが……」
「くくく……」
「えーと……」
「くすくす……」
「……何なんだよぉ!?」
「あははははは!」
「と、とりあえず……、サマンオサに行ってみようか……」
汗かきかきアルベルト。……それから暫くして
アイシャの笑い病が治まってきた処で漸く
サマンオサらしき城が見えてきたのだが。
「何だありゃ……、城は見えるけど岩山に囲まれてて
中に入れないな……」
ジャミル達は船が入れそうな入り江を探してみる。
「ど、どっから入んの!?」
「うーん……、どうすっか……」
暫く船でウロチョロしていると北の方にほこらを発見。
「あそこで聞いてみようか……」
「俺、何か腹減ったなあ……」
4人は船を岸に留めほこらの中へと入って行く。
「ちーす」
「おや……、あなた達もサマンオサに……?」
中には愛想のいいおじさんがいた。
「それなんだけどさ、其処ってどうやって行けば
いいのかな?わかんなくって……」
「……それでしたら、其処の旅の扉に入れば、
サマンオサの地へと通じている場所に行ける筈です、
部屋には鍵が掛かっておりますが」
「そうか、あんがと!じゃあ、このままサマンオサに
行っちまうか!」
しかし、サマンオサに向かうという4人におじさんが
忠告を始める。
「ですが……、今はあまりサマンオサには近づかない方が
いいと思いますよ」
「どういう事だ?」
「何でもサマンオサの王が心変わりしたそうです、
逆らう者には死刑だとか……」
「うわ!珍2号!」
「……は?」
「いや、何でもない……」
「勇者サイモンも其処の右の扉から追放され、何処かに
送られたとか……、王の命令によって…」
「サイモンさん?サイモンさんを知っているの?」
「ええ、お嬢さん……、私もサイモンさんの名前くらいは
知っていますが……、サイモンさんの行方は分かりません……、
彼が一体どんな罪を犯したのかも……、私はつい最近この
ほこらに派遣されましたので……」
「そうだよなあ……、やっぱ行って確かめてみるしか
ねえよなあ……」
作品名:zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 サマンオサ編 作家名:流れ者