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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 夢の町・再出発編

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「おおおお~……」
 
「おいおい……、じいさん平気かよ、無理すんな、
よろよろしてんじゃねえか……」
 
「皆様もお久しぶり……、来て下さってありがとう……」
 
「お久しぶりです……」
 
アルベルト達も爺さんに頭を下げた。
 
「……珍、地下牢の中……、腹ただしいでしょうが、
どうぞ会ってあげて……」
 
ジャミル達は爺さんに案内され薄暗い地下牢への階段を降りる。
 
「……ジャミルさん……」
 
「珍……」
 
珍は牢屋の中で抵抗もせず静かに横たわっていた。
ど派手だった服はボロボロに破かれ、顔面血だらけ、
……彼方此方殴られた跡があり痣だらけであった。
 
「……すげー顔だな……、原型留めてねーぞ……」
 
「わざわざ私を嘲笑いに来たのでしょう?フン……、
笑いたければ好きなだけ笑いなさいよ……、フフフ……」
 
「……負け惜しみが叩けんだから別に大丈夫か……」
 
珍は一しきり無理に笑っている様だったが、やがて
疲れて来たのか、その笑い声に勢いが無くなってくる……。
 
「……ああ……、バカをみましたよ、私は……、
金さえあれば幸せになれると思っていました……、
この世の中はすべて金なのだと……、しかしそれは
間違っている事に漸く気付きました……」
 
「たりめーだろ!バカ!今頃おせーよ!」
 
「……私はこれから一体どうすればいいのでしょう……」
 
「……何年掛かるか俺にはわかんねーけど、街の奴らに
許して貰えるまで只管謝るしかねーんじゃねーの?」
 
「そんな……」
 
「難しいけどな……、あんだけ酷え事したんだから
簡単には許してくんねーだろうけど……」
 
「……」
 
「さあ皆行こうぜ」
 
「……珍さん……」
 
アイシャが鉄格子越しに珍を見つめる……。
 
「へへへ、ざまーみろ!」
 
「……コラ!」
 
アルベルトが調子に乗るダウドを怒る。
 
「えー……、だっていい気味じゃん……」
 
「……ダウド!」
 
「わかったよお、ちぇ……」
 
……珍はそれきり黙り、誰の方も見ず口を開かなくなった。
 
「アイシャ、行くぞ……」
 
「え?う、うん……」
 
ジャミル達は重苦しい雰囲気の地下牢から外へと戻る。
皆、安心した様に大きく息を吐き、外の空気を吸った……。
珍が自分で巻いた種とは言え、余りにも酷な場面だったからである。
 
「でも……、あのおじさんちょっとかわいそうだね……、
ねえ、おねえちゃん……」
 
「優しいのね……、スラリンは……」
 
スラリンがアイシャの顔を見上げる。……アイシャはスラリンを
ぎゅっと抱きしめるのであった。
 
「皮肉なモンだよな……、自分で作った街に裏切られるなんてよ……」
 
そう言って力なくジャミルも笑う。
 
「自業自得だよお!」
 
「……ジャミルさん……」
 
爺さんが近寄って来てジャミルの前にすっと宝箱を差し出す。
 
「これ……、珍から預かった、たいせつなもの、あなた達に
渡してほしいと、わし、たのまれた」
 
……宝箱を開けてみると中に輝く黄色の玉が入っていた。
 
「イエローオーブ……?」
 
「それ昔、珍があちこちを旅していた時に手に入れた
秘宝だといっていた」
 
「でも……、貰っていいのか?」
 
「これまでのお詫びの印、受け取ってほしいとのこと」
 
「やったー!オーブ5個目だよお!あと一つ!」
 
「ピキキー!ばんざーい!」
 
ダウドが万歳ウェーブし横でスラリンも飛び跳ねる。
 
「そうだね、バラモスの所まであともう一息だよ、
頑張ろう、ダウド!」
 
「あうう~!忘れてたあ~!……オーブが全部揃ったら
バラモス行き直行だったんだあ~!」
 
「ピキー!」
 
アルベルトの言葉で思い出した様にダウドがヘタレモードに
入ってしまった……。
 
「爺さん、色々ありがとうな!」
 
「いえ、こちらこそ……、珍も反省してくれた……、わし、
本当に嬉しい……」
 
「ま、気長に待てばいつか牢屋から出して貰えるさ……」
 
「……そうですね、珍、許して貰えるまで、何年掛かるか
判らない……、でもきっといつの日か……、街の皆と、珍、
仲直りしてくれる、わし、信じます」
 
「私も信じてるわ!ね、ジャミル!」
 
「ああ!この街も、もっともっと発展出来るといいな、
いい街になる様に陰ながら願ってるよ!」
 
「はい……、わしとドリームバーグの街の民、みんなで力を併せて
これからも頑張る……、皆さんも頑張って……、どうかお元気で……」
 
ジャミル達は爺さんと握手し、心からのお礼を言うと
ドリームバーグ、爺さんに別れを告げ船へと戻った。