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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 番外・恋するタマネギ編

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「なんだよ、カッコつけんなよ!!オメーだって本当は
野次馬根性アリアリの癖によ!」
 
「また悪い奴らが戻ってくるかもしれないしね……、
目、はなしたら危ないよ?」
 
「……」
 
「そう言う事だ、俺らはただ見守っててやるだけだ、
あくまでもイチャツキぶりを観察したいとか、
そういうんじゃないぞ?」
 
「……」
 
 
野次馬男3人組は2匹を見守ろうとこっそり外へ……。

「ピーッ……」
 
「ピキー!ピキーピキーピキー!」
 
2匹は教会の裏手に回りやり取りをしている。
……見つからない様、後を追い、スライム達の
恋模様……?をこっそりと遠くから見守る
護衛???の皆さん。しかし、発展しているのか
難戦しているのか、今一良く分からない状況。
 
「……スラリン……、スライム同士の時は普通に
モンスター語で喋るんだあ……」

 
「あー!何言ってんだかさっぱりわかんねー!!」
 
「よく聞き取りにくいね、さすがに……」
 
「ピキー!ピキキキキキー!」
 
「……ピーッ……、ピィー……、ピー!!」
 
「ピキーーー!!」
 
「あ!」
 
何が起きたのか……、スラミィがスラリンを突然ドンと突き飛ばし
スラリンはかなり遠くまでふっ飛んで行ってしまう。
 
「ピキー……」
 
スラミィはそのまま教会の中へ戻っていってしまい、後には
倒れてのびているスラリンとジャミル達3人の姿だけとなった……。
男衆は慌てて倒れているスラリンに駆け寄る。
 
「……これはもしかして……、失敗したと言う事ですか……?
アルベルトさん……」
 
目が点になったままジャミルがアルベルトに尋ねる。
 
「ぼ、僕に聞かれましても……」
 
「わー!スラリンしっかりー!!」
 
ダウドがスラリンを助け起こすがスラリンはショックだったのか
目を回していた……。
 
「……ピキ……」
 
 
……
 
 
男衆も大人しく教会へと戻る。……やがてアイシャとシスターが
共同作業で作った美味しそうなフルーツパイが焼き上がり、
気まずい雰囲気のままお茶の時間になった。
 
「さあ、皆さん沢山召し上がっていって下さいね、お代わりも
沢山ありますから」
 
「えへへ!シスター様に教えて貰って私も頑張っちゃった!」
 
「おいしそうだねえ~!」
 
「うん、頑張ったね、アイシャ!」
 
美味しそうな匂いにダウドとアルベルトもお皿を覗き込む。
……しかし。……ジャミルは険悪な雰囲気になりつつある
スライム2匹をちらちら横目で見ている。事情を知らない
アイシャとシスターは嬉しそうにパイを切り分けている。
 
「……あら?スラリンとスラミィちゃん、どうして
そんなに離れているの?もっと近くに寄ればいいじゃない!」
 
「……アイシャ!」
 
アイシャのお節介病が発動しそうになり、慌ててジャミルが
アイシャを引っ張る。
 
「な、何よ……?」
 
「ちょっと……」
 
「えーっ?何、何、何よー!!」
 
ジャミルはアイシャを外へ連れ出し、さっき見てしまった
一部始終を話した。
 
 
「……そうだったの、そんな事が……、に、したって
覗き見するなんて!3人共悪趣味なんだから!!もう!!」
 
誤魔化す様にしてジャミルが舌を出した。
 
「いいわ、私が何があったのかスラリン達に聞くわ」
 
「お、おい……」
 
「だって、スラリンあんなに頑張ったのよ!?このままじゃ
可哀想じゃない!!」
 
アイシャはズンズンと教会の中へ戻って行った。
そんな逞しい姿のアイシャを黙って見つめている
ジャミル……。
 
「……女の子って……、強ぇぇーなあ……」
 
苦笑しながらジャミルも後を追うのであった……。
そして、相も変わらずスライム2匹は距離を置いたまま。
……それを見たアイシャは溜息をついた。
 
「……私が頑張んなきゃ……、よしっ!」
 
拳を握りしめて気合を入れ、アイシャは2匹の側へと近寄って行く。
 
「スラ……」
 
その途端……、思いも掛けない事態が起きる……。
 
「ピィィーッ……」
 
「ん!?な、何だい……」
 
スラミィはフヨフヨと宙を飛び、ジャミルの側へ寄って
行ったのである。……異様に色っぽい目つきをして……。
 
「ピキッ!!」
 
「!?」
 
「ピィィィーッ……」
 
「うわ!お、おい……」
 
パイを口に銜えたままボーっとしていたジャミルは慌てて
銜えていたパイを床に落とした。
 
「ピィィィーッ♡」
 
「おーい!何なんだよ!おいおいおい!こ、こら!やめれ!!」
 
「……あ、そういうオチね……」
 
「成程……」
 
ダウドとアルベルトが揃って頷く。……どうやらスラミィは
スラリンでは無く、……ジャミルの方に興味を
持ってしまった様だった……。
 
「ピィーッ♡」
 
スラミィがジャミルにすりすりすり寄る。
 
「よせーっ!俺にはそんな趣味ねえったら!」
 
「ピ?ピ……、ピィーッ!」
 
「あ!ボクのパイ!」
 
スラミィはよそってあったスラリンの分のお皿から
さっさとパイを回収し、ジャミルの分のお皿へと移した。
 
「ピィーッ♡(沢山お召し上がりになって♡)」
 
「……人の話を聞いてくれ!!頼むから!!」
 
「……良かったわねー、ジャミル、モテモテじゃない……」
 
アイシャが笑った。しかしその目は冷ややかである……。
 
「……アイシャあー!助けてくれよー!」
 
「あらあら……、ジャミルさん、ウチのスラミィを
お嫁さんに貰って頂けるの?」
 
シスターも嬉しそうにニコニコ笑う。
 
 
※騒動の再現フィルム
 
 
「ピーッ……(ダメです……)」
 
「ピキー!ピキーピキーピキー!(なんで、なんでぇー!
スラミィちゃん、ボクのこいびとになってよー!ボク、
スラミィちゃんのことだいすきなんだよー!)」
 
「ピ…ピーピーピーピィー……(私にはもう心に決めた
愛しいお方がいるのです……)」
 
「ピキー!ピキキキキキー!(そんなのかんけいないよー!
ねえボクとデートしてよー!!)」
 
「ピーッ……、ピィー……、ピー!!(あなた……、
私の話を聞いていますか……、私には……、愛しいお方が
いると言っているでしょう!!)」
 
「ピキー……」
 
 
再現フィルム終わり。
 
 
ジャミルはイラついて困った様に溜息をつき、テーブルを指で
トントンと叩くとスラミィを横目で見た。
 
「……あのな、俺は人間……、お前はモンスターなんだ、
言ってる意味……、判るか?」
 
「ピィ?」
 
「……一緒には……、なれねんだよ……」
 
「ピィーッ!?」
 
「まあ、それは当たり前だけどね……」
 
「ねえ……」
 
と、アルベルトとダウド。
 
「ピ!ピィーッ!!ピィー!!」
 
「それに……、俺には……」
 
「!!」
 
ジャミルはアイシャをぐいっと自分の側に引き寄せると、
頬に軽くキスをする。
 
「まあ……、お若い事……、いいですわねえ……」
 
「ピィッ!!!」
 
目の前で何やらやり始めた二人にシスターはぽーっとする。
 
「な?」
 
「……も、もう……、ジャミルったら……、いきなり何よ……」