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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 新たなる厄災編

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祝賀会の日

……ジャミル……
 
   ……ジャミル…
 
ん……
 
目覚めなさい……、もう時間がありません……
 
 
う……
 
お願いです……、勇者ジャミル……、どうか……を……
 
 
       
    ジャミルううううーー!!
 
 
「……ぶわっ!!」
 
「ねー!おきなよぉぉぉ!!みんなまってるよおー!!」
 
「んーぐぐぐぐぐ……、ぐっ……、ぷはーっ!!」
 
ジャミルは顔に張り付いたスラリンを慌てて引っ剥がした。
 
「ハー……、ハー……、コラ、スラ公!てめえ人を殺す気か……!!」
 
「だってジャミルずーっとおきないんだもん……、みんなまってるよおー?」
 
「おめーその喋り方やめろよ……、ダウドみたいになってきてるし……、
感染したか……?」
 
「ピキー?」
 
「全く……、帰ってくるなり寝ちゃうんだもん……」
 
フライパンを肩に担いだファラが部屋に姿を現す。
 
「ファラ……、そうか、俺ら帰って来たんだっけ……、アリアハンに……」
 
「今日はお城で祝賀会があるんでしょ?バラモスを倒したお祝いにさ」
 
「あー面倒くせーな……、疲れてんのによ……」
 
「何言ってんだい!しゃんとしなよ!ホラ、髪の毛がボサボサだよ!!
平八みたいになってるよ!横の髪の毛!」
 
「……誰だよっ!平八って!!」
 
ファラは既に部屋から逃走しており、姿が見えない。
 
「う~……」
 
唸りながら鏡の前に立つ。……鏡には疲れた顔が映っている。
 
「それにしても……、まーた久々に例の変な声が聞こえたな……、
何だっつーんだ……」
 
支度が整った頃にアルベルト達が自宅へとジャミルを迎えにやって来た。
 
「ジャミルー!迎えに来たよー!」
 
「……あ~……、今いく……」
 
「まだ寝てたの……?もう!お寝坊さんなんだから、ジャミルはー!!」
 
寝ぼけ眼で部屋から出てきたジャミルを見て、アイシャがくすくす笑った。
 
「うるせーな、いいんだよ!」
 
「相変わらずだねえ、ジャミルう」
 
「お前もな、バカダウド」
 
「……あうう~……」
 
「アンタ達、来てくれたんだ、中々このおバカジャミルが起きなく
て困ってたとこなの」
 
「……誰がおバカだっての!」
 
「こんにちはー!ファラー!わあ、エプロン似合うねー!」
 
「あはは、まあね……、今回の役どころだからさ、あ、でも、
決して母親じゃないの、あくまでも、このアホのお姉さん的立場なんだよ!」
 
「そうなの~!うふふ、でも、ファラが着けてる猫さんエプロン可愛いね!
今度私にも貸してね!あ、後でお料理教えてね!」
 
「あはは、そうかな……、はいはい、分ったよ、アイシャってば……」
 
そう言いながらファラはジャミルの側にいる天然アイシャを
何となく複雑そうな顔で見ていた。
 
「もてる男は大変なんだね、ジャミル……」
 
「本当だよお!よっ、この浮気性のワル男!!」
 
ぼそっと嫌味を言うアルベルトとダウドの二人。
 
「何がだっ!あ、アイシャ……、時間ねえから……、城いこ、城、な?」
 
ジャミルはアイシャを引っ張り、慌てて家から出て行った。
 
「はあ、行ってらっしゃい、夕ご飯は作っておくからね!」
 
「ピキー!いってらっしゃい!」
 
スラリンをファラに預けて、4人はアリアハンのお城へ向かうが。
……城に向かおうとしたジャミル達を沢山の人達が取り囲む。
 
「やったね!勇者のお兄ちゃん!!」
 
「おお……、勇者よ……、よくぞバラモスを倒してくれた……」
 
「もう、魔王はいないんですよね……?」
 
「凄いな!ジャミルは!」
 
「流石は勇者オルテガの息子!!」
 
(だから……、オルテガなんて、俺は、さ……)
 
「ジャミル……、元気ないね……?」
 
歩きながらアイシャがジャミルの顔を覗き込む。
 
「どうせお腹でも減ってんじゃないの?寝すぎて時間無くて
朝ごはんも食べてないみたいだし、ジャミルの事だから多分……、
いや、絶対そうだとオイラは推測するね!」
 
「やかましー!つまんねー事推測すんなっ!」
 
いつも通りダウドを殴るジャミル。
 
「本当に変わんないね、君達も……」
 
「ん、この匂い……、くんくん、焼きたてのパンの匂いね……」
 
アイシャが鼻をくんくん。立ち並ぶ店から朝イチで焼きたての
香ばしいパンの香りが漂ってきた。
 
「……本当に腹減ったな、パンでも食ってくか、匂いの所為で
腹が減って来た……」
 
「おい……、さっき……」
 
と、アルベルトが突っ込もうとしたがジャミルは既にパン屋へと走って行った。
 
「~♪」
 
「本当に……、これが……、バラモスを……」
 
「これが現実なんだよお、アル……」
 
「あはは、あははは……」
 
「ん?」
 
パン屋に入ろうとしたジャミルは足を止めた。店の前に金髪の少年が
座り込んでいた。歳は16歳ぐらいだろうか、少年には何故か
サルだか猫の様な尻尾が生えていた。
 
「何してんだ……、お前……?」
 
「誰でもいいさ、俺の話を聞いてくれ……」
 
「はあ?」
 
「俺は、ジタン、ジタン・トライバル」
 
「FFⅨの主役の奴か?」
 
「あんたよく知ってるな……」
 
「まあな、色々と情報量が広いからな、で、何してんだよ」
 
ジャミルはジタンの隣に腰掛ける。
 
「可愛い女の子を探してたらいつの間にかこんなとこまで来ちまって、
故郷に帰れなくなっちまった……」
 
「はあ?」
 
「……探してるんだ、俺のいつか帰る所……」
 
ジタンは淋しそうな表情をしているが、故郷に帰れなく
なったらしき理由が滅茶苦茶である。
 
「まあ、元気出せや、その内いい事もあんだろ……」
 
「あんたいい奴だね……、処で、この辺に可愛い女の子
いないかい?知らない……?」
 
「はあ……?」
 
「オレ、女の子不足で身体がもう干からびそうなんだよ……」
 
「ほんっとにワケわかんねー奴だな……」
 
「ジャミルー!もう、何してるのよー!」
 
「あ……」
 
アイシャがこちらにやってくる。……アイシャの姿を見たジタンは
思わず尻尾をぴんと立てた。
 
「お!お……、女の子だああ~!!」
 
 
……
 
 
「……連れてっちゃ、駄目……?」
 
「だーめっ!!」
 
「俺、ジタン!特技は女の子をナンパする事!」
 
「全く……、何してんのかと思ったら……」
 
「馬鹿だよお~……」
 
「こんにちは」
 
「かーわいいなあ……、君、名前は?教えてよ!」
 
「アイシャです……」
 
「アイシャちゃんかあ……、ねえ、俺と今度、飛空艇でデートしようよ!!」
 
「コラ!アイシャには手ぇ出すなよ!!」
 
「ジャミルっ!!早く捨てて来なさい!!これ以上ジャミルが
増えたら大変だよ!!」
 
「何の話になってきてんの……、でもアル、捨ててこいって
動物じゃないんだからさ、失礼だよ……」
 
珍しくダウドがアルベルトに注意する。
 
「と、とにかく……」
 
「ジタン……!やっと見つけた!!」
 
「え……?」
 
「……ダ、ダガー……!?」