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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 アレフガルド編1

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「ねえ、ジャミル、このエビフライ、衣サクサクでおいしいよ!」
 
ダウドがフォークでエビフライをジャミルの口元まで近づける。
 
「そうかい……、良かったな……」
 
「ジャミル……?」
 
アルベルトも様子を気に掛ける。先程からジャミルは出された食事に
目もくれず、只管下を向き、じっと唸っている。
 
「どうしたの……、さっきから全然口つけてないじゃん……」
 
ダウドはそう言いながら先程のエビフライをぱくっと自分の口に入れた。
 
「……」
 
「ジャミル……、焦っても仕方ないよ……、気持ちは分るけど……」
 
「あーーーっ!!あんのイカむかつくう!!イカ焼きにして食ってやる!!」
 
苛々してジャミルが頭を掻きむしる。
 
「……じゃあ、ジャミルの分のタマゴ焼き、オイラが……」
 
「んー!?」
 
「……食べません、いたたたた!いたいよお!」
 
「とりあえず落ち着いて、お腹いっぱいになれば気分が落ち着くよ…」
 
「そうか、じゃあ食うか……」
 
「はあ~……」
 
ダウドの所為で漸く食事に目を向け、食べる気になったらしく、
アルベルトがほっとする。
 
 
〔おまけエピ 魔法の……。〕
 
 
ロビーにて。話をしている男衆。
 
「……ねえ、ジャミル……、オイラ相談があるんだけど……」
 
アイシャが食事の途中で先に風呂へ行った隙にダウドがジャミルに
こっそりと話し掛けた。
 
「何だよ」
 
「これね、キングマーマンが落としてったみたい……」
 
「これは……、ビキニだ……」
 
「やっぱり……、ビキニだよねえ……」
 
「……やっぱりって何だよ……」
 
「どうしようか迷ったんだけど……、捨てるのもねえ……」
 
何故かダウドの顔がいやらしくなる。
 
「女性専用の……、レア装備アイテム……なのかな……」
 
やはり男の本能なのか……、アルベルトも顔が赤くなる。
 
「……これはアイシャに着てもらう方がいいと思うんだよお……、
何だか守備力高そうなオーラ出てるし……」
 
元々タレ目のダウドの目じりがどんどん下がっていく。
 
「……バカ野郎!それこそ殴られんぞ……!!……特に俺が……」
 
「じゃあ……、勿体無いけど……、売っちゃう……?」
 
アルベルトがジャミルの顔をちらっと窺う。
 
「う……、っと、ま、待てよ……、露出度高いのはあいつマジでギャーギャー
怒るからな……、でもなあ……、あーうー……、何だかかんだか……」
 
「じゃあ、ジャミルが着なよ……」
 
「何で俺なんだよ!!」
 
「女装趣味があるんだから……」
 
「……元の方から話持ってくんな!!それに趣味じゃねーっつーの!」
 
「この際きっぱりさっぱり売った方がいいよね……、超レアアイテムで
勿体無いけど……、チラッ、チラッ……」
 
何故か未練がましいアルベルト。
 
「……ま、待て!!」
 
「やっぱり着て欲しいんでしょ……?我慢しちゃ駄目だよ?」
 
「……駄目だよお?」
 
「う……、ううう~……」
 
 
         ……さて、どうするのか……
 
 
やがて、出してもらった料理もすべて平らげてしまい、先に風呂に
入りに行っていたアイシャもロビーに戻ってくる。
 
「ふーっ、食った食った!」
 
ジャミルが満足そうにお腹を撫でた。
 
「はあーっ……」
 
「?」
 
見ると隣のテーブル席の男が異様に落ち込んでいた。
 
「何かあったのかい?」
 
ジャミルが男に声を掛けた。
 
「詐欺にあったんですよ……、カンダタと言う男から伝説の剣を
買ったんです……」
 
「ふーん?……ちょ、ちょっと待て!!」
 
「……カンダタですって!?」
 
アルベルト達も思わず椅子から立ち上がり身を乗り出す。
 
「あなた達も詐欺に遭われたのですか……?」
 
「うーん、詐欺じゃねえんだけどさ……、ちょっとな」
 
「これを見て下さい……」
 
「銅の剣がどうかしたのか?」
 
「……実はこれを王者の剣と言い張って、オラ買えよ!お買い得だろと、
無理矢理買わされたんです……、値段ですか?……ちなみに5000
ゴールドです……」
 
「王者の剣て……、ゾーマに盗まれたんだろ……」
 
「魔王に唯一対抗出来る伝説の剣ですものね、剣の力を恐れた魔王が
ラダトーム城から奪い去ってしまったと云われています……」
 
「伝説の剣か……、畜生……」
 
稲妻の剣も失ってしまい、昼間の戦いを思い出したジャミルが悔しそうに
拳をぐっと握った。……そんな剣と巡り合える日は果たして来るのか。
 
「……とりあえずこの剣は売ってしまう事にします、幾らにも
なりませんが……」
 
男はよろよろと宿屋から出て行った。
 
「……」
 
「で、でも、なんでカンダタがこんな所にいるのーっ!?」
 
「分らないから人生は面白い」
 
「あのね……」
 
「もしかして俺達の後つけて、奴らもこっちの世界に来た……とか?
……んなワケねえよな……」
 
「ス、ストーカー?」
 
「何か気持ち悪いわ……」
 
「……」
 
「なあ皆……、俺、武器屋に行きたいんだけど……」
 
話を変えようとジャミルが口を挟む。
 
「そっか、そのままじゃ戦えないもんね……」
 
「ま、しょうがねえさ!ははっ!」
 
「ジャミル……」
 
何とか気丈に振舞っているジャミルを見て、アイシャが心配そうな顔をする。
 
「んな顔すんな、俺は平気だから……」
 
「……無理……、しないでね……」
 
口ではアイシャにそう言ったものの、ジャミルの心の中はクラーゴンに
勝てなかった悔しさとイライラ、これから先の戦いへの不安でいっぱいだった……。
 
 
〔おまけエピ 魔法の……。 その後。〕
 
 
武器屋に行く前に汚れをしっかり落としていこうとアイシャと交代で
風呂に入りに行った男連中は……。
 
「うーん……」
 
ちゃっかり脱衣所までこっそり持参したビキニを目の前にまだ悩んでいた。
 
「これじゃオイラ達……、まるっきり変態だよね……」
 
「……何で僕まで……」
 
「大体だな、オメーがこんなモン持ってくるから火種になるんだよ!」
 
「なんだよお!本当はビキニ姿のアイシャ見たくてしょうがない癖に!!」
 
「……俺ばっかりふるなっ!!お前らだって見たいんだろう……?」
 
「……」
 
「……本当の処は……、あ……!」
 
「わーい!アルが本音だしたーっ!!」
 
「ち、ちが……、うー!!ンモーっ!!」
 
「やっぱ、人間素直が一番だよな……」
 
口の端を曲げ、ニヤニヤ笑いながらジャミルが頷く。
 
「……違うったらっ!!違うよっ!!」
 
「だけど……、これには根本的な問題がある……」
 
「?」
 
「思い出したんだ……、肝心のアイシャが……、まな板……っつー事を……」
 
「……そうかあ……、む、むちむちぷりん……、なら……」
 
「発展途上国……、だったね……」
 
「……」
 
「やっぱりこっそり売った方が……、お金になるし、ベストだね……」
 
「だな……」
 
 
       「……はああああ~……」