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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 アレフガルド編2

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「本当……?」
 
他のメンバーもそーっと動いて、ジャミルの肩越しからその先を見に来る。
 
「……落ちてみたらどうでしょう?」
 
一番後ろにいるガライが無責任な適当な事を言う。
 
「お前な……、いい加減にしとけ……」
 
……顔に血管を浮かせジャミルが切れそうになる。もう既に切れては
いるのであるが。
 
「落ちた先に道がある……、と言うお約束展開もありますし……」
 
「おい……」
 
「ジャミルさん!」
 
「何だよ……」
 
「そうです!真の英雄ならば危険を冒すべきです!試練を乗り越えなければ!」
 
「……滅茶苦茶言うな!……てか、何が試練か!」
 
一番後ろにいるので、ジャミルからは表情は分らないものの、興奮して
熱くなったガライの瞳はメラメラと燃えていた。
 
「先にガライさんが落ちてみればどう……?」
 
「何と……!ダウドさん、結構酷いですね、あなたも……」
 
「……元の道へ戻りましょ?もう岩は転がって行ったと思うし……」
 
「だよな……、だから早く先に穴から出ろや、ガライ」
 
……アイシャの言葉にほっとするジャミル。
 
「仕方ないですね、よいしょ……」
 
ガライが穴から出て4人も横穴から抜け出し、先に穴が転がって行った方向へと進む。
 
「……嫌になって来たよお……、次は何が来るのかな……」
 
「また、さっき転がって来た岩が逆戻りしてくるとか……、嫌だわ……」
 
「お決まりのパターンだと……、鉄砲水か……、飛び出す槍か……、
はたまた……」
 
それぞれがこういう洞窟でお決まりなワンパターン展開を想像していると……。ガライが答えを出した。
 
 
「……落とし穴でしょうね……」
 
 
 
          ぱかっ……。
 
 
ガライがそう言った途端、地面に穴があき5人は地下へと落下する……。
 
「……皆、無事か……?」
 
ジャミルが声を掛け、メンバーの安全状態の確認を取る。
 
「何とか……」
 
「お尻打っちゃったけど……、平気よ……」
 
「あ~う~……、もういやら……」
 
「……?何かいねえような気がするが……」
 
「ガライさんだわ……」
 
「い、いないの……?」
 
「探さなきゃ……、大変だ!」
 
「このまま放っておくか……」
 
「ジャミルっ!」
 
いい加減なジャミルにアイシャが怒る。
 
「冗談だよ……、たく、仕方ねえな……」
 
ジャミル達は逸れたガライを探して再び洞窟内を歩き出した。
 
「でも……、今回全然モンスターが出てこないね……」
 
「ガライの歌声が聖水代わりになってるのかもな……」
 
「あそこにいるの、ガライさんじゃないの?」
 
ダウドが何やら宝箱の前で座り込んでいるガライを発見。
 
「……ガライ!」
 
「ああ……、皆さん、何処行ってらしてたんです?」
 
「それはこっちの台詞だ!」
 
「そんな事より……、見て下さい、この宝箱の山を……」
 
「おお!」
 
「うわあ……」
 
4人は大量に並んでいる宝箱の山に目を輝かせる。

ガライ乱舞

「お決まりのパターンならこの宝箱のどれかの中にミミックがいて……、
どうせ俺がケツ噛まれるんだろうな……」
 
「大丈夫だよ、インパスがあるんだから、てか……、やっとジャミルも
学習したね、……プ」
 
「……俺……、チンパンジーじゃねえぞ……?」
 
今にも笑い出しそうなアルベルトの姿にジャミルが剥れる。
 
「一つ僕が開けます!」
 
「あっ、ガライさん……!待っ……」
 
しかし、吹いている場合では無く、又ガライが……。
 
「……頭を……、噛まれました……、すいません、取って下さい……」
 
「おいおいおいおい!!」
 
今回のミミックの犠牲者は……、ジャミルでなく、ガライである。
 
「きゃーっ!?ガライさん!!血だらけよ!!」
 
野郎3人でガライの身体を引っ張ってみたり、あれこれ試してみたりするが、
ミミックは外れずもう大騒ぎである。
 
「……いたたたた!痛いです!無理に宝箱を引っ張らないで下さい!!
頭が伸びて長くなってしまいます!!」
 
「文句言うなよ!たく、世話が焼けるなあ!」
 
「全くだよお!」
 
「……ダウドが言うな!」
 
アイシャも加わり、4人掛りでようやく、ガライの頭に噛み付いた
ミミックを外してやる。
 
「助かりました……、有難うございます……」
 
ガライの顔には既に生気が無くなっていた。
 
「……とりあえずは、他の宝箱はミミックの心配はなさそうだよ……」
 
と、アルベルトのインパス点検が終了するなり。
 
「よしっ!開けちまえ!」
 
ジャミルが宝箱に食いついた。
 
「……途端にこれだものね……」
 
「おっ、鎧が入ってらあ……」
 
「鎧?」
 
「けど……、俺、あんまり鎧って好きじゃねえんだよな……、動きにくく
なるしよ……」
 
「んじゃ、えへへー、オイラが着けてみたよー!」
 
「ダウド?……何やってるの……?」
 
「似合う?」
 
「いんや」
 
「速攻で言わないでよおー!」
 
「早く外せよ、通常はおめえの装備品じゃねえんだから」
 
「ちぇっ、わかりましたよー……」
 
ダウドが鎧を外そうとすると……。
 
「あれ……、外れない……?あれ?」
 
「何やってんだよ!」
 
「鎧が……、外れない……、ってー、ゆうーかー……、オーイーラー……、
なーんかーうごきがーのろくなってーきーたー……」
 
「……どうやら呪われた装備品着けちゃったみたいだね……」
 
「こーまーったーよーおー……」
 
「仕方ないなあ……、もう……」
 
アルベルトがダウドにシャナクを掛けてやると、途端に鎧の呪いから
ダウドは解放される。身に着けていた鎧も消えてしまったが。
 
「あー……、助かった……、アル、ありがとう……」
 
「はあ、どう考えても此処にはオリハルコンらしき物は無さそうだよな……、
従ってこれ以上の探索は無意味だな」
 
「……他の鉱石だって無さそうよ?」
 
「ジャミルさん、根性が足らないですよ!」
 
諦めようとしたジャミルの態度にガライが怒りだす。
 
「いずれにしても……、もう少し色々情報を集めてからでないと、
無謀だと僕も思いますよ」
 
「いいえ、僕はもう少し洞窟を探しますよ!」
 
「おーい……」
 
アルベルトの言葉にも腹を立てたガライが怒ってその場に座り込んでしまった。
 
「何なんだよ……、あいつ……」
 
ガライの態度にジャミルが呆れる。
 
「僕がもう一度話してみるよ、……えーと、ガライさん……?あれ……?」
 
「zzzzz……」
 
「……あのう……」
 
「……ガライさん、座り込んだまま寝ちゃってるわ……、疲れちゃったの
かしら……」

アイシャもガライの顔を覗き込んだ。
 
「……丁度いいや、さっさとこのまま洞窟から出ちまおうぜ……」
 
やかましいので目を覚まされる前にと、ジャミルがガライを背負う。
 
「たく、世話が焼けるなあ……!んとに!!」
 
「zzzz……んが~……」