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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 アレフガルド編2

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「頼むから!!向こうで歌え!!だけど竪琴は弾くなよ……!?」
 
「判りました……、結構、勇者様は気が短いんですね、ぶつぶつ」
 
「そうなんだよお!困っちゃうでしょ!」
 
「……おめーもうるせーな!バカダウド!!」
 
「……プ」
 
「いつになったら話が先に進むのかしら……」
 
「はああ……、随分賑やかな方達なんだなあ……」
 
いつもはトラブルーメーカーで暴けてばかり、アルベルトに怒られっぱなしの
ジャミルが逆に大物に苦戦しているおかしな状況になっている……。
そんなジャミル達のやり取りを呆然と見ている道具屋の親父だった……。

「話が中断しまくって悪いんだけど、それで、王者の剣は……」
 
「もちろん、お作り致しますよ!」
 
「やったね、ジャミル!」
 
「良かったわね!」
 
「ああ!!」
 
「ふう~、王者の剣の心配はこれでもうしなくて済……」
 
と、作って貰えるのは確実と、ダウドが安心してしまった直後、新たな問題と
直面する事に。
 
「ですが……、今すぐにでも製作に取り掛りたい処なのですが……、
肝心の材料が足りないのです……」
 
「え……」
 
伝説の剣を作り上げると言うからには、やはり一筋縄ではいかず、すんなり事が進む筈が無かった。
 
「王者の剣にはオリハルコンと云う石が必要なのです……」
 
「そっか……、それじゃまだ先だよな……」
 
「そんなに簡単に済む筈ないか……、はあ……」
 
……安心してしまっていたダウドもがっくり肩を落とす。
 
「とりあえず、オリハルコンを探しに行くか!」
 
「そうだね!まずは動かなくちゃ!」
 
「オイラはあまり動きたくな……、ジャミルさん、お願い、殴らないで下さい、動きたいです」
 
「また冒険に出発ね!」
 
「♪どなどなどなードナー……、ルドーらんらんるー」
 
「……」
 
「ガライさん、行きますよ……、楽しそうに歌っている処、申し訳
ありませんが……」
 
アルベルトがガライに声を掛ける。歌を中断され、ガライはちょっと残念そう。
 
「あっ、はい……」
 
「楽しい……?」
 
「はい!歌うのは大好きですから!♪ららら~」
 
なら、此処でずっと歌っててくれ、頼むから……、と、ジャミルは思う。
 
「もうちょっとまともな歌、歌えよ……」
 
「で、この先は何処へ?」
 
「オリハルコンを探しに行くのよ、それが無いと王者の剣が出来ないん
ですって」
 
「オリハルコンですか!」
 
「そう」
 
「で、オリハルコンて何なんです……?」
 
次から次へと。ガライの天然は尽きる事があらず。
 
「……石だよ、鉱石!」
 
「それでしたら、岩山の洞窟へ行ってみませんか?」
 
「洞窟?」
 
「あ、洞窟の中なら……、もしかしたら見つかるかもね……」
 
「行くならこの村からずっと西南の方向ですよ」
 
「行ってみるか……」
 
ジャミル達は船に戻り、マイラから一旦離れ、岩山の洞窟へ向かった。
幸いな事に今回はクラーゴンと遭遇せず、無事に目的地に辿り着いたのだった。
 
「此処だと思いますよ……」
 
ガライが岩山の中央にある洞窟の入り口を指差す。
 
「折角だから何か他にもお宝があればいいんだけどなあ……」
 
「ガライさんて色々詳しいのねえ」
 
「まあ、情報便りに彼方此方旅してますから……」
 
「お、悪寒が……、する……」
 
突然またガクガクダウドが震えだした。
 
「ええ……?お前なあ~……」
 
「オイラの悪寒がここはやばいって言ってる……、やばいよやばいよ
なんだよお、ね?やめよう、ね?」
 
「今更何言ってんだよ……、此処まで来て……」
 
 
「……てろてろてろてろ……てーんてん……」
 
 
「……ひゃあっ!?」
 
ガライがダウドに近づいて、……耳元にこっそりと……。
 
「……呪いのBGMです……、おきのどくですがぼうけんのしょは……」
 
「……ぎゃー!やめてえーーっ!!」
 
耳を塞ぎパニックになるダウド。
 
「ダウドさんて、何だか可愛いですね……」
 
……脅えているダウドの姿を見て、ガライがほくそ笑む。
 
「怖がりなんです、あまり構わないであげて下さい……」
 
アルベルトがダウドを落ち着かせようとダウドの肩に触れた。
 
「アルうー……、少し……、洩らした……」
 
「え……」
 
「……構ってらんねえ、先行くぞ」
 
ジャミルが洞窟の中へと先にスタスタ歩き出した。他のメンバーも慌てて
ジャミルの後を追って、中へ。
 
「……ガライ」
 
「はい?」
 
「あんた、やっぱ船で待ってた方が良かったんじゃね?」
 
「大丈夫ですよ!僕もいざとなったら戦えるんです!」
 
「……本当かよ……」
 
「はい!僕は七色の美声を持つ男なんです!」
 
「美声って……」
 
「ガライさん、あなた戦えるんだ!凄いね!」
 
アイシャが興奮し、キラキラ目を輝かせた。
 
「旅の間はこれでモンスターを振り払ってきたんです!通称……、モンスターが近づかなくなる声、濁声の歌……、ぼええええええええーーーー!!」
 
「う、うわ……!」
 
「きゃっ!」
 
「み、耳が潰れ……」
 
「あうううう~!」
 
4人があまりの声の凄さに一斉に耳を塞いだ……。
 
「ぼええええええーーー!!」
 
「……と、とりあえず……、その声やめろーーっ!!」
 
耳を押さえながらジャミルが必死で叫ぶ。
 
「ぼえ?」
 
「……はあ……」
 
「……何か……、音がする……」
 
「今度は何?……どうしたのよ、アル……」
 
「何か……、巨大な物が……、転がってくる様な……、こういう洞窟では……、
その、よくある……、お決まりのパターンの……」
 
「はあ?」
 
「!!!!」
 
真っ先に異変に気付いたダウドがすっ飛び上がった。
 
「うしろーっ!岩が……、岩が転がってくるよおーーっ!!」
 
 
「ひえええええーーっ!」
 
 
お決まりのパターンで5人は横一列になって転がってくる巨大な岩から逃げる。
 
「何だか運動会の大玉転がしの……、玉が追い掛けてくる様な気分ですね!
ハハッ!」
 
何処かの国の鼠の様に笑いながら4人と一緒に並んだガライが走る。
 
「バカ言ってんじゃねーっ!!バカーっ!!」
 
「……あうううううーっ!」
 
「このままじゃ潰されちゃうわーっ!」
 
「……お決まりのパターンなら……、ど、何処かに横道が…!」
 
「……ありました!ワンパターン展開です!」
 
ガライが横に人が通れそうな程の横穴を発見する。
 
「……飛び込めーっ!」
 
5人は一斉に横穴に飛び込み、どうにか危機を免れる。……岩だけが
ゴロゴロ……、何処かに転がって行った。
 
「……」
 
「はああ……」
 
「狭いわ……」
 
「……この横穴、何処かに続いてるみたいだな……」
 
一番先のジャミルが這いつくばった姿勢のまま前に進んでみる。
 
「あ……」
 
「どうしたの……?」
 
二番目にいるアルベルトが聞いてみると、ジャミルはかなり焦っている様子。
 
「こりゃ最悪のワンパターンだ、道がない……、崖っぷちだ……」