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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 アレフガルド編3

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一行は漸く洞窟を出、少し小休止する事に……。
 
「皆さん……、ここから更に南へ行くと……」
 
「何だガライ!公衆便所でもあんのか!?」
 
「随分機嫌悪いですね……、ジャミルさん……、どうなされたんですか?」
 
自分が原因なのが今一、ガライは理解出来ていない様である。
 
「南に何があるんですか?」
 
ジャミルの機嫌が悪い為、代りにアルベルトが聞いた。
 
「この先の砂漠に……、ドムドーラと言う町があるんです」
 
「本当にか……?」
 
「はい、其処で情報収集をどうですか……?」
 
「ジャミル……、此処にいても仕方ないし、動こうよ……、僕等は色んな
場所を巡ってみなくちゃなんだから……」
 
「はいはい、わっかりましたよー!」
 
ジャミル達は砂漠の中を歩いて行き、ドムドーラへと辿り着いた。
 
「ジャミル……」
 
「ん?」
 
「ダウドが……、干からびてるわ……」
 
「あつうーい……、みず……、みず……、アハハハハ!!……おほほほほ!」
 
「たく、仕方ねえな……、もう町は目の前だぞ、頑張れよ、ほら!」
 
「みず……、みず……、うへへへへ!」
 
 
ドムドーラ
 
 
一行はダウドに水分補給をさせようと、まずはとりあえず軽食屋に入る。
勿論自分達も疲れているので休憩したいと言う気持ちもあった。
 
「……はああ……、氷水……、冷たくておいちい……」
 
ひんやり冷え冷えのお冷を美味しそうにダウドが飲んだ。お冷は
いくら飲んでもタダでなので遠慮せず、今の処4杯は軽く飲んでいる。
それほど、砂漠を横断するのは実に過酷なのである。
 
「とりあえず落ち着いたみたいだね……、良かった」
 
「ジャミル、私もフルーツジュース頼んでいい?」
 
「ああ」
 
やがて注文したフルーツジュースが届くとアイシャも美味しそうに
ジュースをごくごく、喉を潤す。
 
「それにしても、此処も広い町だね……」
 
窓の外を見ながらアルベルトが呟いた。
 
「ま、こんだけ広けりゃ何か情報きけっかな……」
 
「うん、そうだね……」
 
「ねえー、あなた」
 
「何だい?」
 
隣の席に座っているのはラブラブな夫婦らしかった。
 
「この子の名前……、どうしようかしら……」
 
「んー、そうだねえ……」
 
「……」
 
夫婦の状態を察したのかジャミル達が顔を赤くする。
 
「ゆきのふ……、ゆきのふはどうだろう……?」
 
「素敵ね!ゆきのふにしましょう!」
 
「……」
 
「いい子に育つぞおー!」
 
旦那はそう言って奥さんのお腹をさっと摩った。
 
「いやん!あなたったらあ!もうっ、えっち♡」
 
「……(-_-;)」
 
やがて夫婦は手を取り合って店を出て行った。
 
「♪あ~ご懐妊……、めでたいなあ~~」
 
「……うるせーよ、ガライ……、思い付いたら何でも歌にすりゃ
いいってもんじゃねえよ……」
 
「ぼ、僕……、うるさいですか!?」
 
「……他のお客さんもいますし……」
 
「僕……、うるさいんですね……、あああああ~……」
 
「でも、もし……、女の子が産まれてもゆきのふって付けるのかしら……」
 
「ははは……、どうだろうね?」
 
「さーて、情報でも集めっか!」
 
ダウドも元気を取り戻した為、ジャミル達は軽食屋を出るが。
 
「……うわ、あっつ……、店の外に出たら何か急に……、むわっと来た……」
 
「砂漠の中の町だものね……、イシスの時もそうだったけど、建物の中と
外と、ギャップが凄すぎるよね……」
 
「ほんと、暑いわねえ……、ふう」
 
「無理すんなよアイシャ、暑かったら何処か木陰見つけて休んでろよ」
 
「うん、ありがとう、でも私は平気だから……」
 
「そうか……?」
 
「君達……、ちょっと聞きたいのだが……」
 
「あ?」
 
旅の剣士風の男がジャミル達に声を掛けてきた。
 
「お見受けした処、君達も旅人の様だが……」
 
「そうだけど……」

「一つ訪ねたいのだが……、君達も旅をしているのならば知っているかね?
伝説の鉱石、オリハルコンの噂を……」
 
「!」
 
「……し……、知ってるけど……、知らねえな……」
 
「?」
 
「ジャミルってば……」
 
「アイシャ、……しっ」
 
アルベルトに注意され、アイシャが慌てて口をつぐんだ。
 
「そうか、知らないのか……、この町にあると言う噂を聞きつけて
此処まで来たのだが……」
 
「……」
 
「邪魔したな」
 
剣士は何処かへ行ってしまった。嘘をついてしまった事には申し訳ないが、
どうしてもオリハルコンを渡す訳にはいかないのである。
 
「そうか……、オリハルコンはこの町にあるんだな……」
 
「ジャミル!一刻も早くオリハルコンを探そう!」
 
「ああ、だとしたら悪ィけど、あのおっさんより早くオリハルコンを
見つけねーとな!」
 
「お兄ちゃんたち、オリハルコンを探してるんだ?」
 
子供がちょこちょこジャミル達の傍に寄ってきた。
 
「あら?この子……」
 
「何か用かい?」
 
「オリハルコンなら、ぼくのおじいちゃんが持ってたよ」
 
「……マジで!?」
 
またまた思いがけない情報が入り、4人は目を輝かせる。
 
「うん、おじいちゃんが生きてたとき、ぼくによく見せてくれたよ」
 
「生きてたって……」
 
「あの……、君のおじいさんは……」
 
アルベルトが訪ねると男の子は少し淋しそうな表情をするがすぐに顔を上げた。
 
「昨日、……病気で死んじゃったんだ……」
 
「ひぃーっ!」
 
ダウドがこてんとその場に倒れた。
 
「……バカダウド……、何やってんだよ……」
 
「でも……、お母さんがね、おじいちゃんもういないからって……、
おじいちゃんが大事にしていた宝物を捨てちゃったの……」
 
「その捨てた宝物ってのは……」
 
「それがオリハルコンだよ」
 
「そのオリハルコン、何処に捨てたんだ!?」
 
「牧場の草の中……」
 
「ジャミル、探してみようよ!」
 
「れっつごーだよお!」
 
「牧場に行きましょ!」
 
「……よ、よしっ!」
 
ジャミル達は子供に場所を教えて貰うと猛ダッシュで牧場へと走った。
ガライも竪琴を抱え、のこのことその後に付いていく。
 
「……あったか?」
 
「いや……、まだ、それらしき物は……」
 
「何か牛のうんち臭いよおー!」
 
……牧場独特のあまりの臭さに耐えられず、ダウドは鼻を摘まみながら
必死でオリハルコンを探している。
 
「……牧場だからね……」
 
「いやーん!」
 
「♪~~~♪」
 
ガライは手伝わず一人で歌をうたっている。
 
「お?」
 
「どうしたの?」
 
「何か今……、光るモンが見えた気が……」
 
「えー!どこどこーっ!」
 
「……あった!」
 
ジャミルが見つけた石はキラキラと輝いていた。
 
「あー、それだよー!」
 
「これが……、オリハルコンか?」
 
「うん、昨日お母さんが捨てちゃったやつだよ」
 
「……漸く見つけた……!オリハルコンだ……、苦労したぜ……、全く……!」