二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 アレフガルド編4

INDEX|7ページ/7ページ|

前のページ
 

「ふーん……、よく判んねえけど……、色々やってみる」
 
「ええ、どうか無理はしない様に……、それから、これは
私から皆さんへのプレゼントです」
 
そう言ってルビスは光輝く石と指輪をジャミル達に差し出す。
 
「この石は賢者の石と云い、使うだけでべホマラーと同じ効果があります」
 
「へえー、便利だな……」
 
「MPを消費しませんから魔法と違い何度でも使う事が可能です……」
 
「じゃあ……、ダウドに持ってて貰った方がいいかもね……」
 
アルベルトがダウドの方を見た。
 
「そうだな……、ふらふらと危なっかしい武器振り回すよりは
その方が確かに有難いな……」
 
「ん……、分った、オイラが預かるね……」
 
(やっとオイラも真面に仕事が出来るよお……)
 
「それと、この指輪って……?」
 
「私の愛を込めたお守りです……、必ず必要になる時が来る筈です……」
 
ルビスはそう言い、指輪をそっとジャミルの右手の薬指にはめた。
 
「わ、分った……」
 
「……そろそろ行こうよ、ジャミル……」
 
今回は大人しく見守っていたが、むっつり顔でアイシャが言った。
 
「えーと、ルビス様……、あんたはどうするんだ?一緒に行くか?」
 
「ここは私の塔ですからゾーマが大人しくなるまで此処にいます……」
 
「大丈夫なんですか?」
 
「此処の階にモンスターが入って来れぬ様、結界を張っておきます、
さあ、あなた達はもうお行きなさい……」
 
「色々ありがとな、ルビス様!」
 
「……あなたは本当に小柄で可愛くて……、愛着が持てますね……、ふふ……」
 
「はい?……小柄?(つまり……、チビ……!ですと……!?)」
 
「ジャミル……、どうか忘れないで……、あなたは独りではありません、
あなたの側にはいつでも大切な仲間……、友がいる事を……」
 
「ルビス様……」
 
「あなたの本当の力は……、剣の力でも魔法の力でもありません、
あなた自身の優しさ、勇気……、それはきっと何者にも敵わない……、
例え相手が闇の大魔王ゾーマでも……、最強の力へと変る筈……」
 
「……」
 
「私の愛おしい子供達……、私はいつでもあなた方の幸せを祈っています……」


ジャミルも最強装備が揃い、最終決戦への胸の高まりを感じ
改めて結束を誓う4人だったが……。
 
野宿時……。
 
「……はあ……」
 
「ねえ、ジャミル……、どうしたのかなあ?」
 
ルビスの塔を離れて数日。ずっとジャミルは元気があらず。
ダウドが構ってもあまりムキになって突っ掛って来なくなった。
 
「ルビス様に鎧を貰ってから……、最近ずっとああなんだよ……」
 
「鎧は嫌いだって言ってたし、でも……、我慢しなくちゃね……」
 
「そうだよお!贅沢なんだから!」
 
「……」
 
「ジャミル、少しは鎧に慣れなよ、見た感じそんなにゴテゴテの
分厚い鎧でもないだろ?」
 
「んー、そうなんだけどよ……」
 
「小型タイプの軽鎧みたいだし、君に合ってるじゃないか……」
 
「小型……」
 
「ジャミル?」
 
「どうせ俺は小型だよ……」
 
アルベルトが折角フォローするも、どうしたのかジャミルは
機嫌を損ね、そっぽを向いてそのままふて寝する。
 
 
……あなたは本当に小柄で可愛くて……、愛着が持てますね……
 
 
「小柄に……、小型……」
 
(……俺だって……、もっと背が高かったら……、鎧着ても
全然おっけーなのによ……)
 
「はあ……、背が高くなりてえ……」
 
「ジャーミルっ!」
 
「!?」
 
「肉焼けたよおー!ほらほら、食べないとー、なくなっちゃうよお!」
 
肉の串焼きをジャミルの目の前でちらかせる空気の読めないダウド。
 
「……ダウド、お前、短足で不便だって思った事ねえ?」
 
「なっ!?……いきなり何言うのさあ!」
 
「冗談だよ……、お前は足長いね、はいはいおやすみー!」
 
「わっけわかんないなあー!なんだよお……!」
 
「ダウド、ジャミルだって疲れてるんだよ……」
 
「そっとしておいてあげましょ……?」
 
「ちぇっ、オイラだって心配してるのに……、わかったよお……」
 
ダウドはジャミルをあまり刺激しない様にアルベルト達に諭される。しかし、
ジャミルが元気がないのがつまらなく、堪らなかった。
 
 
夜中……。
 
焚火の見張りのダウドはこっくりこっくりと眠ってしまっていた……。
一人眠れないでずっと狸寝入りをしていたジャミルは呑気なダウドの姿に
呆れる。
 
「……強く……なりたい……」
 
「ダウド……?」
 
「オイラも……、強くなって……、みんなの……役に……むにゃ……」
 
「なんだ、寝言か……」
 
「むにゃ……」
 
「こいつもこいつでコンプレックスがあるんだよな……」
 
「……」
 
「だけど、ダウドはダウドだ……、無理すんなよ……、
お前らしくでいいんだから……、けどあまりへタレすぎんのも、
ま、困りもんだけど」
 
ジャミルはそう言って座ったまま寝ているダウドを寝かせ、
布を掛けてやった。
 
「……お前らしく……、か……」
 
焚火の火を消し、ジャミルも漸く眠りにつく。……そして、とんでもない、
非常にキモい夢を見たのだった……。
 
 
「ジャーミルっ!」
 
「う、うわ……、ダウド……!な、何だ!その恰好は……」
 
「じゃーん、見てー!オイラ戦士に転職しましたー!」
 
「戦士……?」
 
「うん、見てー見てー!筋肉ついたー!ムッキムキだよおー!」
 
「……うわああーーっ!!キモーーっ!!」
 
「もうこれでオイラも足手まといじゃないよおー!ビバマッチョマンー!!」
 
「……やめろーっ!頼むから……、ヘタレの……、元のダウドに
戻ってくれーーっ!!」
 
 
「……お願いだーーっ!!」
 
 
「ジャミル……?」
 
「……うわああーっ!!」
 
ジャミルが慌てて飛び起きる。目の前には起きてしまった
ダウドの姿が……。
 
「たく……、昨日から……、本当失礼だよお……、アルもアイシャも
起きちゃうじゃないかあ、二人とも疲れてぐっすり寝てるんだから……」
 
「ダウド……、ああ夢か……、良かった~」
 
いつもの見慣れた細っちい体格のダウドの姿にジャミルは
ほっと胸を撫で下ろした。
 
「お前……、転職なんかすんなよ?」
 
「なんでえー?オイラこれが一番いいんだもん、転職なんか
しないよーだ!」
 
「ダウド……」
 
「なんだい?」
 
「俺は……、俺のままでいいのかな……」
 
「何言ってんの……、当り前じゃない……、やっぱ昨日から
おかしいよお!」
 
「ははっ!そうだよな!」
 
「?」
 
「さーて、朝になったら皆と朝飯何食うかなー!楽しみだなーっと!」
 
「???」
 
(……チビでも何でもいいや……、これが俺なんだ……、へへっ!)