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黄金の太陽THE LEGEND OF SOL30

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第九十七章 超神(ゴッドエクセッサー)


 ロビン達は、大悪魔デュラハンを退け、最後の大仕事たるエレメンタルの灯台を灯しにかかっていた。
 ウェイアードの各地に点在する、神の造りし灯台を灯すことで、錬金術を復活をさせることがロビンらの目的であった。
 一部を除き、灯台と同じエレメンタルに属する者が、空間転移のエナジーによって、その頂上へ出現した。
『皆さん、無事に灯台へ転移できたようですね』
 ロビン達の心に、ハモの声がした。
 ヒナの天眼を用いてロビンらの位置を探り、ハモは『リード・テレパシー』を使って声を届けた。
『転移はできました。後は灯すだけですね』
 ロビンは言った。
『こっちもオッケーだよー!』
 ジャスミンの声がした。
『こちらも、準備は整いましたわ』
 続けざまにメアリィの声が。
『俺達もジュピター灯台の頂上にいる』
 最後にガルシアの声がした。
 四つの灯台に、船に残った者を除いて全員が定位置についていた。
『もう、何か起こる事があるとは思えませんが、用心するに超したことはありません。皆さん一度に灯すのです』
 デュラハンは、どこかで息絶えたため、一同に敵対する存在はもうないはずだったが、ハモは、第三勢力の存在を危惧していた。
『そうね、ここはせーのでいきましょう!』
 ジャスミンが提案した。
『そうだな、それがいい。俺はジャスミンの提案に乗るぞ』
 ガルシアは賛成した。その他の仲間も同意した。
『掛け声と共に火口にかざすんだ。するとひとりでにエレメンタルスターは吸い込まれていく』
 ガルシアが言った。
『それじゃあせーのでかざすわよ、みんな!』
 音頭は自然にジャスミンが取ることになった。
『せーの!』
 灯台の頂上にいる者達は、一斉に、エレメンタルスターをかざした。
 エレメンタルスターは、一瞬光ると、火口へと落ちていった。
 続けざまに変化が起こり、灯台が激しく揺れ始めた。
『みんな、動くな! 灯台が割れるぞ!』
 それは、灯台が灯るときに発生する一つの現象であった。縦横に割れ、広がった火口から灯火が上がってくるという仕掛けである。
『見ろ、灯火が!』
 エレメンタルを表した緑、青、紫、そして赤の色をした球体の灯火が、その姿を現した。
 やがて灯火が灯る一連の現象が収束すると、割れた灯台は元に戻った。
「どうやら成功したみたいね」
 ヒナが船の甲板から灯台の光を見ていた。
 光は、ゴンドワナ大陸南東、アンガラ大陸北西部、アテカ大陸北、プロクスの地に発光していた。
『全ての灯台が灯りました。皆さん、一度船まで戻ってきてください』
 ハモは言った。
『ボクが迎えにいきましょう』
 イワンが迎えを買って出た。
『ありがとう、イワン。でも大丈夫よ。私達なら飛んでいけるから。寒さも炎のエナジーで打ち消せるし』
 ジャスミンはイワンの申し出を断った。
 シバとガルシアのペアは、シバがイワンと同じく『テレポート』を使えるため迎えは不要であり、ロビンとイリスも、イリスがワープできるため自力で船まで帰ることができた。
 イワンの役目が無いように思えた時、メアリィの声がした。
『イワン、私達は空を飛ぶこともテレポートすることもできません。迎えに来て頂けますか?』
 マーキュリー灯台に行ったメアリィとピカードだけが、移動する能力がなかった。
『ああ、そうですね! すぐに向かいます!』
 イワンは『テレポート』を発動し、メアリィら、イミルの地にいる二人を迎えに行った。
 一同がレムリアの船に再集結するのに時間はかからなかった。
「全ての灯台が灯った。これから先どうなるんだ?」
 ロビンが誰にともなく訊ねた。
「黄金の太陽現象が起こり、錬金術が復活します」
 ハモが答えた。
「黄金の太陽現象?」
「何だそりゃ?」
 ジャスミンとジェラルドが、それぞれ疑問を表した。
「詳しいことは私にも分かりませんが、現象はもう間も無く発現します」
 ハモの予知能力で分かった事であったが、なにしろ神の域に達する現象であるため、詳細は明らかにはならなかった。
 しかし、間も無くというハモの言葉通り、異変はすぐに起こった。
「みんな、甲板に来てくれ! 空がおかしな事になっている!」
 外で見張りをしていたシンが、船室へと駆け込んできた。
「シン、どうしたの?」
 ヒナが訊ねた。
「いいから来てくれ!」
 シンは物凄い見幕であった。その様子が、シンの見たものの異常の大きさを物語っていた。
「あの子が、あそこまで慌てているなんて、何か大きなものがあったに違いないわ。いきましょう、みんな」
 再び外へと出ていったシンを追いかけてヒナは船室を出ていった。
「オレ達も行くぞ、何か嫌な予感がする……」
 ロビン達も、シンの言う異変を見るべく甲板へとかけ出た。
「こ、これは……!?」
 各地に点在する、灯台の灯火の光と思われる光線が、全く同じ方向へと走っていたのである。
「あの方角は、アルファ山……!」
 ガルシアは言った。
「アルファ山だって!? ハイディア村のすぐそこじゃないか!」
 ロビンは、故郷に危機が及んでいる感覚に支配された。
「あれこそが黄金の太陽現象。全ての灯台が灯った事により、光の先で錬金術が復活しようとしています……」
 ハモは説明した。
「ハイディア村は無事なのですか、ハモ様!?」
 ロビンは、心配のあまり、大声になってしまった。
「落ち着いてください、ロビン。現象はアルファ山の頂上で起きています。麓のハイディア村には急激な影響はありません。アルファ山で何が起きているのか、皆さんにも見せて差し上げましょう」
 ハモはエナジーを発動した。
『イマジン・プリディクト』
 ハモのエナジーは、一度キラッと光った。
「眩しい!」
 ハモを除く全員が、あまりの強い光に目を覆った。
 しかし、視界はすぐ元通りになり、同時に皆に真実の領域が、その上ハモの予見のエナジーも合わさって、一同の目を変化させていた。
「私の能力で皆さんの目に、私が見ているものが見えるようにしました」
 ハモは規格外のエナジーを使っていた。
「あれは……!?」
 真実の領域の先に映る光景に、人影のようなものが見えた。
 人影は男のものか、女のものか分からなかった。しかし。
「そんな、まさか……!?」
 メアリィが一番大きく驚いていた。
「メアリィ、誰か分かるのか?」
 ジェラルドが訊ねた。
「はっきりとしたことは言えません。ですが、彼が首謀者であれば、全ての辻褄が合います」
 メアリィの言う首謀者とは、錬金術を狙う者であった。
「エナジーを強くします。人影に近づきましょう」
 ハモは、予見のエナジーをより集中させた。
 強化されたエナジーは、人影はある人物の正体を明らかにした。
「まさかあいつが……!?」
「生きていたのか。だがどこで……?」
 人影の正体は、ロビン達ウェイアードを旅してきた者にはよく分かる人物だった。
「アレクス……!」
 人影の正体は、メアリィの口から明らかにされた。
 かつてガルシア達と灯台の解放を狙っていた者、アレクスがアルファ山の頂上にいた。
    ※※※
 全ての黒幕であったアレクスは、デュラハンを殺し、ロビン達が灯台を灯すのを待っていた。