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黄金の太陽THE LEGEND OF SOL30

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「……自らのエレメンタルの違うエナジーを使うだなんて、超神の能力のなせる技ですか……」
「あっはっは、ご名答。こういうこともできますよ?」
 言うとアレクスは、更にエナジーを発動する。
『ハイパーチルドマウンテン!』
 超巨大な氷塊を作り出し。
『デンジャフュジョン!』
 大きな爆発を引き起こして氷塊を砕いた。
 破壊された氷塊は、細かい無数の欠片となって、爆風とともにイリスに襲いかかった。
「ぐっ……!」 
 イリスは、不死鳥の翼で持ちこたえた。しかし、破片は非常に鋭く、不死鳥の翼は傷ついていった。
 やがて全ての現象が終結した。
「どうです? かなり効いたのではないですか?」
 アレクスは不敵な笑みを浮かべていた。
 イリスの翼は氷の破片で切られ、傷だらけとなっていた。
「くっ、見くびっていたわけではないのですが……」
 イリスの翼は、癒しの力を持つが、それは他者において有効に働くものであり、自身の傷は少しずつしか回復できなかった。
「追撃と行きましょう!」
 アレクスの攻撃は続いた。
『スパーク・プラズマ!』
 連続する落雷がイリスに迫る。
 イリスは障壁を張って雷から身を守った。
『スパイアストーン!』
 今度は無数の岩をイリスの頭上に出現させ、落とした。
『アルカン・エクス・アクア!』
 イリスは、神のエナジーを上空に放射させ、水の勢いで岩を砕いた。
「ふっ、そのような体でよく耐えられますね?」
 アレクスは、余裕の笑みを浮かべる。
「ですが、私の力はこんなものではありませんよ?」
 アレクスは集中した。
「フリーズ!」
 アレクスは、イリスの周りを凍らせた。そして氷の刃持ち、切っ先を向けて連続の突きを放った。
『ダイヤモンドバーグ!』
「あれは、僕のエナジー!」
 ピカードにしか使えないエナジーを、アレクスは発動した。
「はははっ! いつまで耐えられますかね!?」
 アレクスは、氷で動けないイリスに刺突で彼女の障壁を砕きにかかった。
「ぐっ……!」
 イリスは耐えきった。しかし、障壁は割れてしまった。
『ヒートバーナー!』
 アレクスは、氷のエナジーの次に、対になるエレメンタルの火のエナジーを発動した。
「悪手を打ちましたね、アレクス!」
 炎が得意なイリスは、アレクスのエナジーを吸収し、体の傷を回復させた。
「悪手ですって? 果たして本当にそうですかね?」
 アレクスは、何か企んでいるような表情をしていた。
「ハアアア……!」
 アレクスは、氷の刃にエナジーをためた。
『ラグナロック!』
「えっ、きゃああああ!」
 アレクスは、氷の刃から剣状のエナジーを上空から放った。ロビンとガルシアの得意とするエナジーであったが、属性は地ではなく、アレクスの得意な水である。
 アレクスは、あえてイリスに火のエナジーを当てて回復させたように見せかけ、反対の属性の『ラグナロック』を回復の直後にあてて大ダメージを与えたのだった。
 計算され尽くしたエナジーをまともに受け、イリスは膝をついてしまった。
 そこへアレクスが浮遊したまま近付き、氷の刃の切っ先をイリスに向けた。
「まだまだ超神の力はこんなものではないのですが、勝負ありですね」
 アレクスは恐ろしい笑みを浮かべる。
「では、幕を下ろして差し上げましょう。さらばですイリス!」
 アレクスは、氷の刃を振り上げた。
「……ふうううう!」
 アレクスがイリスを断ち斬ろうとしたその瞬間、イリスは力を発した。
「なにっ……!?」
 アレクスは危機を察し、イリスから飛び退いた。
 イリスは立ち上がり、四つのエレメンタルと神の力の光の柱を立て、その身に纏わせていた。そのようすはまるで、虹に包まれているかのようである。
「これが私の全力です! アレクス、お覚悟を!」
 虹色の媒体を一点集中させ、イリスは詠唱する。
『アルカン・ブレイク!』
 岩が礫となり、水流が放出され、雷鳴がとどろき、炎が逆巻いた。そしてそれらの力を増幅させるように神の力が後を押す。
『バリアアンシル!』
 アレクスは急ぎ防御のエナジーを発動する。しかし、イリスの力は圧倒的で、強力な防御壁は、パリンと音を立てて砕け散ってしまった。
「くっ、こんな攻撃超神の前では……!」
 アレクスは、手️にエナジーを込めてイリスの攻撃を受け止めた。
「こんな、こんなもの……!」
 アレクスは、足首まで地面に埋まった。
「やああああ……!」
 イリスは、力を限界まで発した。全力を込めたエナジーと神の力は、アレクスを更に追いやる。
「ぐっ、ぐああああ!」
 ついにアレクスは、イリスの力に押された。岩に打たれ、水の勢いにやられ、濡れた身に電流が走り、炎がアレクスを巻き込んだ。
 最後に神の力が爆発を起こした。辺り一帯に爆風が吹き付ける。
「はあ、はあ……」
 全ての現象が止んだ時、力を使いきったイリスは膝をついた。
「や、やったのか……!?」
 シンは誰にともなく訊ねる。
「あれほどの力をぶつけられたのです。さしものアレクスでも……」
 ピカードが言った。
 次第に土煙が晴れていった。その先に見えたものは。
「そんな、バカな!?」
 黄金色の長髪を持つアレクスであった。傷はあまり負っていない。
「どうして無事なのですか!?」
「無事、ですか。超神は守りにも秀でています。ですが、これは危なかった……!」
 アレクスは、一瞬の動きでイリスの元へ寄り、最大の力を使って動けないイリスを締め上げた。
「よくもやってくれましたね! この超神たる私に!」
 アレクスは、エナジーの衝撃波でイリスを吹き飛ばした。
「かはっ!」
 イリスは力無く倒れた。
「今度こそ終わりにして差し上げましょう!」
 アレクスは怒り心頭で氷の刃を作り出し、振りかぶった。
「死になさい、イリス!」
「イリス!」
 この場にいる全員が叫んだ。ただ一人を除いて。
 イリスは斬られたと誰もが思ったが、辺りに木霊したのはイリスが斬られる音ではなく、鋼がぶつかる音だった。
「何、ロビン!?」
「……ろ、ロビン……」
 アレクスとイリスの間に入っていたのはロビンだった。ソルブレードを盾にしてイリスを氷の刃から防いでいたのである。
「イリス、よくやった。ここから先はオレが戦う。お前は休んでいろ」
 ロビンはアレクスを押し返した。
「シン! イリスを頼む!」
「ああ!」
 シンもお得意の瞬間的移動方法で、ロビン達に近付き、イリスを抱き抱えると遠くへ離れた。
「アレクス、次はオレが相手だ。その前に回復しな。弱いものいじめはしたくないんでな」
 ロビンは回復を促した。
「ロビン、何を言って……!?」
 シンが、イリスを横たえ言った。
「それには及びませんよ。私には再生能力がある。一度は死にかけましたが、イリスに付けられた傷もほとんど塞がりましたよ」
 天界で最強のイリスの最大攻撃も虚しく、アレクスは回復していた。
「そうでなくちゃ面白くない。覚悟しろ、アレクス!」
「ふん、人の身でこの私に挑もうとは。返り討ちにしてさしあげましょう!」
「ロビン……!」
 ジャスミンが不安そうに呟いた。