二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 勝利をこの手に!編

INDEX|3ページ/9ページ|

次のページ前のページ
 

ギャースッ!!ギャーー!!ギャーー!!
 
「あ……、うわあっ!!」
 
「ダウドっ!!」
 
キングヒドラは真っ先にダウドを狙い、首を伸ばしダウドに
噛み付き攻撃してきた。ダメージを受けたダウドは面食らって
その場にうつ伏せに倒れた。
 
「……ううう……」
 
「ダウド、大丈夫かい!?」
 
「血が……、痛いよ……、やっぱり無理だよお……、
嫌だよ、もう……、こんな凶悪怪獣オイラには倒せないよ……、
ぐすっ……、何でこんな……」
 
アルベルトが急いでダウドを助け起こし、べホマを掛けるが、
ジャミルとも離れ離れになった所為か、弱気モードに戻ってしまい、
しゃがみ込んでダウドがベソをかき始めた……。すっかり元気も
無くなってしまっている。
 
「……ダウド……、戦う前から諦めてたらもう其処で
負けだよ……」
 
「アル……」
 
「さあ、立って……、一緒にキングヒドラを倒そう……、
約束したよね?必ず勝ってジャミルとアイシャの元に行こう、
そして4人で帰るんだ、絶対にゾーマを倒してね……、僕達、
負けられないよ……」
 
アルベルトがダウドに手を差し伸べる。その手をダウドもそっと掴んだ。
 
「……ん、わかったよお……、オイラ、頑張る……、
この炎のブーメラン……、ジャミルがオイラに
託してくれたんだ……、よしっ……、負けないよお、絶対に!」
 
ダウドが立ち上がって涙を拭き、炎のブーメランを
ぐっと握りしめる。そして再びキングヒドラの方に向き直った。
 
……ギャーーースッ!!ギャーーー!!
 
「オロチの時と同じ様に……、また急所が本体の何処かに
あるのかなあ……?」
 
「恐らくね……、其処さえ見つかれば有利になると思うよ……」
 
「……よーしっ、えいやっ!」
 
「あ……」
 
ダウドがキングヒドラに向かって炎のブーメランを飛ばし、
思い切り投げ付ける。
 
……ギャ……ギャ……ギャ……ギャ……? 
……ギャースッ!! ……ギャ……ギャ……、ギャ……!
 
「当たった!左から5番目の首が本体だよお!!
アル、魔法!魔法!」
 
「……わ、分った……」
 
急にハッスルし始めたダウドに苦笑しつつ、アルベルトが
高LV魔法の呪文の詠唱を始めた。
 
「……当たれっ!当たれよおお!……このっ、アホっ!
バカっ!えいっ、えいっ!」
 
アルベルトが全力で詠唱をしているその間にも本体を狙って
ダウドがブーメラン攻撃をしまくる。
 
……グギャーーーース!!
 
キレたキングヒドラが一斉に八つの首を向けダウドに襲い掛かる。
 
「……マヒャドっ!」
 
アルベルトが素早く本体の首と頭を凍らせた。
 
「アル、ありがとうっ!」
 
弱点を凍らされたキングヒドラは途端に他の部分の
首の動きが鈍くなる。
 
「厄介だから……、ついでに他の部分も封じてしまおう……!」
 
首部全域にもマヒャドを掛けそして……、キングヒドラの
氷漬けが出来上がる……。
 
「うわあ……、札幌雪祭りに出したいくらい
見事に凍ったねえ……」
 
背伸びしてキングヒドラを眺めるダウド。
 
「さあ、ダウド……、止めは君が……」
 
「え?オイラ……?」
 
「うん、ジャミルの代わりに……、頼むよ……」
 
「わ、わかった……、オルテガさんの仇はオイラがとるよお……!」
 
「バイキルト!!」
 
「……粉々になっちゃえええーーっ!オイラだって
やる時はやるんだああーーっ!!」
 
ダウド力強く投げたブーメラン攻撃は見事……、凍った
八つの頭をすべて粉砕する。
 
「やったよおー!アルー!オイラにも出来たー!!あはっ!」
 
「うん、頑張ったね、ダウド……、お疲れ様……」
 
「ありがとう、アル……、オイラに勇気をくれて……」
 
アルベルトとダウドが互いに笑顔で握手を交わした。
 
 
一方のジャミルとアイシャは……。
 
「此処……、何処だ?俺達……、別の場所に連れて来られたのか……?」
 
「何だか空気が息苦しいわ……、何なのかしら……」
 
「本当だな、真面に呼吸が出来ねえみたいだ……、クソっ……」
 
「……ジャミル……」
 
「アイシャ……、大丈夫だ、俺の手を絶対離すなよ……」
 
「うん……」
 
二人は離れない様にそっと手を繋ぐ。しかし、周囲は暗闇。
……一体自分達は今何処にいるのかも分からず……。
まるでどんどんブラックホールに吸い込まれていくような……。
そんな恐ろしい錯覚に陥って行く。辛うじてお互いの姿を
確認出来るのだけが救いであった……。ジャミルは何が何でも
アイシャを絶対守らねば……、そう思い、警戒する……。
 
 
「……ようこそ……暗黒の空間へ……」
 
 
「ゾ、ゾーマ……?」
 
「!!」
 
遂にゾーマが姿を現し……、暗闇からゆっくりと……、
ジャミル達に近づいて来た……。

再会、暗闇を越えて……

「……この暗黒の空間では儂の闇の力を何倍にも
高める事が出来る……」
 
ゆっくりと……、静かにゾーマが二人に近づいて来る。
頭部には気味の悪い目玉の付いた兜を被り……、
見た目だけなら一見普通の老人の様であるが、本当に
恐ろしい力を秘めているのである……。
 
「ゾーマっ!出やがったな!!」
 
「……ジャミルよ……、お前は何故にもがき……、
生きるのか……?」
 
「んなこたあ、わかんねえよ!俺は俺の生きたい様に
生きてくだけだ……!!」
 
「滅びこそが我が喜び……、死にゆく者こそ美しいのだ……」
 
「……悪趣味な人ねっ!誰だっていつかは死ぬのよ!
だけど……、皆、今、この瞬間を精一杯生きてるの!
あなたなんかに邪魔させない!!」
 
「生意気な小娘めが……」
 
……頭部のもう一つの目玉がアイシャを睨みつけた……、
様な気がした。
 
「もうとっとと終わりにしようや、アイシャ」
 
「ジャミル……」
 
「こう言うアホは相手にするだけ時間の無駄さ、なっ?」
 
「うん……」
 
「小僧……、貴様、中々良い面構えをしておるな……」
 
「は?」
 
「どうじゃ?我に従うなら……、世界の半分をお前に
与えてやっても良いぞ?」
 
「……俺の一番嫌いな事知ってる……?……他人から
指図される事だっ!」
 
「ジャミルっ!」
 
ジャミルがゾーマに斬りかかった!……だが……。
 
「……!?う、うわっ……!!」
 
しかし、見えない強い力でジャミルはあっさりと身体ごと、
弾き飛ばされる。
 
「ジャミルっ!……大丈夫……?」
 
急いでアイシャがジャミルの側へ駆け寄る。
 
「……いって~っ……、頭打った……」
 
「残念じゃのう……、貴様なら儂の良い配下になれた物を……」
 
「お断りだっつってんだよ、じじい!」
 
頭を摩りながらゾーマを睨みジャミルが呻く。
 
「……やべえぞ、アイシャ……」
 
「えっ……?」
 
「あいつの周り……、見えない結界で守られてる……、
近づかない方がいい……」
 
「で、でも……、どうすれば……」
 
「さあ、ジャミルよ……、我の腕の中で息絶えるが良い……」
 
「……ホモかよ、おめーは!!┌(┌^o^)┐」