zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 新たなる冒険へ
すぐ帰って来た4人組
……大魔王ゾーマ、あの戦いから一年が過ぎ、未だ上の世界に
戻る手段の見つからない4人組は自由気ままにアレフガルドでの
冒険を楽しんでいた。
「……しかし……、平和っつーのも結構暇だなあ……」
ジャミルが暇そうに欠伸をする。
「贅沢言うなよお……、オイラ、もうモンスターが
出なくなって本当、安心してんだからさあ……、暇なのは
いい事なんだよお!」
と、演説してみる相変わらずヘタレ節全開のダウド君。
「でもそろそろ上の世界にも戻りたいわよね……、スラリン
どうしてるかしら、会いたいなあ……」
と、いつも元気いっぱい、可愛い物大好きの天然アイシャ。
「……アリアハンにも顔出さねえと……、ファラも相当
心配してんだろうな……、てか、絶対フライパンで殴られるわ、俺……」
……想像してみて脅えるジャミル。
「うん、何とか……、方法が判ればね……」
と、知識派のアルベルト。……こんなふうに彼ら4人は、
平和になったアレフガルドの地で毎日の日々を変わらず過ごしている。
「だけど……、ジャミル……、本当に良かったの……?」
アルベルトがジャミルを見た。
「何がだよ?」
「光の鎧、ルビス様に返しちゃって……」
「勿体ないよお……」
「そうよ、あんなにかっこ良かったのに……」
「いいんだよ、世界は平和になったんだ、もう必要ねえよ、
護身用に、この王者の剣と勇者の盾さえあればな!」
「本当に鎧が嫌いなのね、ジャミル……」
残念そうにアイシャが呆れる。ちなみに頭の銀の額当ては
ルビスに聖なる力を授かった際に消滅したので今は何も着けていない。
「俺には身軽なのが一番さ、それにもう終わったんだからさ!
さーて、……次は何処回るか」
(光の鎧着けたジャミルも結構恰好良くて好きだったのに……)
何となく淋しそうにアイシャがジャミルを見つめた。
「……神竜についての明確な情報もあまり集まらないね……」
「やっぱり……、ガセなんじゃないの……」
アルベルトとダウドも揃ってジャミルの方を見る。
「んな事ねえよ!」
ジャミルがフンと不貞腐れ唇を突き出す。
「もう、今日は日が暮れて来たね……」
「そうか、んじゃあ今日は丁度リムルダールが近くだし、休憩行くか!」
「うふふ、アレフガルドにいても、ちゃーんと時間の感覚が
判る様になったね!」
アイシャが笑った。
「いこーいこー!オイラ眠ーい!」
4人はすっかり明るくなったアレフガルドの地を今日も歩いていく。
「……」
そんな4人を陰からこっそり見つめる怪しい人物が1人。
リムルダール
「はああ~……、やっぱり俺、この時間帯が一番幸せだあ~……、
うーん……、何食うかな~……」
街の大きなレストランで4人は注文する食事のメニューを選んでいた。
「栄養的に考えて、サラダ付きのにしようか……」
「スパゲティ美味しそうね!」
「カレーライスもいいなあ……」
「俺、一辺に頼むかな、カレーと、スパゲティと、ステー……」
「……おほん!」
「冗談だよ……、幾らなんでもそんなに食わねえよ……、
睨むなよ、腹黒」
「そんなに食べても食べなくても……、最後のは駄目っ!」
アルベルトが横目でじっとジャミルを見る。
「はいはい……、えーと、んじゃ、このガーリックチキンソテーの
スープ付き、頼むよ」
「はい」
「じゃあ、私はボンゴレお願いしまーす!」
「あ、オイラは甘口カレーにカツのトッピングで……」
「僕は、ムール貝のバターソテーにサラダ付きを頼みます」
「はい、オーダー有難うございます」
「……堅苦しいモン頼むなあ、アルはよ、カツ丼におしんこと
味噌汁つきでいいじゃんか」
「僕のイメージ壊さないでくれる……?」
やがて、食事も終わり、メイドさんがサービスのコーヒーを
4人に差し出す。
「どうぞ……、ごゆっくり……」
「……ふわぁ……、ルザミん時みたいな糞コーヒーじゃなくて
本当美味いわ」
「ホント、美味しいね!」
「んん~何か……、オイラ、大人なかんじい~……」
「はあ、身体が温まる…」
「……」
「アイシャ、どうかしたか?」
「え?ええ……、と、何でもないよ……」
(何だか誰かに見られてる様な……、変な視線を感じるのよね……、
どうしてかしら……)
「そろそろ店出ようか」
一番最初にアルベルトが椅子から立ち上がった。
「ああ、今日の飯も終りかあ~、……ウ~ンっ!」
ジャミルが大きく食後の伸びをする。会計を済ませ4人は外に出る。
辺りはすっかり暗くなっていた。でも、漸くこの地でも朝、昼、夜と
きちんと時間が判別出来る様になったのである。
「さて、今日の夜はどうしようか……」
「折角……、リムルダールに来てるんだから……、玉には宿屋に
泊りたいけど……、オイラ達……、あんまりお金ないしねえ……」
「そうね、又野宿かしらね……」
ゾーマ消滅後、モンスターも大人しくなった為、ゴールドの
稼ぎ口は洞窟等で鉱石などを探して売ったりして生計を立てるなど、
一行にはあまり金銭的に余裕が無かった。
「今日の夕飯は……、洞窟で偶々見つけた宝石が当たって売れたからな……」
「……うう……、ビンボー冒険者は厳しいよおお……」
ダウドが唸る。……其処へ……。
「……あの、皆さま……、お仕事をお探しですか……?」
突然……、フードを被り、ローブを羽織った男が一向に近づいて来た。
「ん?あんた何だい?」
(……この感じ……、さっきレストランで感じた変な視線だわ……)
怪しい人物はベラベラと勝手に話を始める。
「……ゾーマが消えた後……、この世界でも、ここ最近
彼方此方でこれまで見られなかった新たな洞窟や塔など……、
次々と発見されているのはご存じですか……?」
「ああ、俺達も情報が入る度、少しずつ回っちゃいるけどさ……」
「リムルダールの南に、又新しい洞窟が見つかったのですよ」
「え?そうなのか……」
「どうでしょうか?……皆様に……、その、新たな洞窟の
最初の探検者として……、洞窟レポのお仕事をお願いしたいのですが……」
「そりゃいいけど……、あんた何処の組合のモンだい……?それか
冒険者ギルドか何かか……?」
怪しい雰囲気を察し、ジャミルが疑って聞いてみる。
「えーと、ま、まあ……、そんな処です……」
男はエホンとちょっと咳払いをする。
「あやしいよお……」
「それで、報酬は……、ざっとこんな処ですが……」
「ん?」
男が一向に料金の明示書を見せた。
25000G……
「だと……?」
……4人が顔を見合わせる。
「おい……、こんだけありゃあ……、一か月は安泰だぞ……」
「モンスターはもう出ないんだから……、そんなに危険な
仕事でもないよお……?」
……大魔王ゾーマ、あの戦いから一年が過ぎ、未だ上の世界に
戻る手段の見つからない4人組は自由気ままにアレフガルドでの
冒険を楽しんでいた。
「……しかし……、平和っつーのも結構暇だなあ……」
ジャミルが暇そうに欠伸をする。
「贅沢言うなよお……、オイラ、もうモンスターが
出なくなって本当、安心してんだからさあ……、暇なのは
いい事なんだよお!」
と、演説してみる相変わらずヘタレ節全開のダウド君。
「でもそろそろ上の世界にも戻りたいわよね……、スラリン
どうしてるかしら、会いたいなあ……」
と、いつも元気いっぱい、可愛い物大好きの天然アイシャ。
「……アリアハンにも顔出さねえと……、ファラも相当
心配してんだろうな……、てか、絶対フライパンで殴られるわ、俺……」
……想像してみて脅えるジャミル。
「うん、何とか……、方法が判ればね……」
と、知識派のアルベルト。……こんなふうに彼ら4人は、
平和になったアレフガルドの地で毎日の日々を変わらず過ごしている。
「だけど……、ジャミル……、本当に良かったの……?」
アルベルトがジャミルを見た。
「何がだよ?」
「光の鎧、ルビス様に返しちゃって……」
「勿体ないよお……」
「そうよ、あんなにかっこ良かったのに……」
「いいんだよ、世界は平和になったんだ、もう必要ねえよ、
護身用に、この王者の剣と勇者の盾さえあればな!」
「本当に鎧が嫌いなのね、ジャミル……」
残念そうにアイシャが呆れる。ちなみに頭の銀の額当ては
ルビスに聖なる力を授かった際に消滅したので今は何も着けていない。
「俺には身軽なのが一番さ、それにもう終わったんだからさ!
さーて、……次は何処回るか」
(光の鎧着けたジャミルも結構恰好良くて好きだったのに……)
何となく淋しそうにアイシャがジャミルを見つめた。
「……神竜についての明確な情報もあまり集まらないね……」
「やっぱり……、ガセなんじゃないの……」
アルベルトとダウドも揃ってジャミルの方を見る。
「んな事ねえよ!」
ジャミルがフンと不貞腐れ唇を突き出す。
「もう、今日は日が暮れて来たね……」
「そうか、んじゃあ今日は丁度リムルダールが近くだし、休憩行くか!」
「うふふ、アレフガルドにいても、ちゃーんと時間の感覚が
判る様になったね!」
アイシャが笑った。
「いこーいこー!オイラ眠ーい!」
4人はすっかり明るくなったアレフガルドの地を今日も歩いていく。
「……」
そんな4人を陰からこっそり見つめる怪しい人物が1人。
リムルダール
「はああ~……、やっぱり俺、この時間帯が一番幸せだあ~……、
うーん……、何食うかな~……」
街の大きなレストランで4人は注文する食事のメニューを選んでいた。
「栄養的に考えて、サラダ付きのにしようか……」
「スパゲティ美味しそうね!」
「カレーライスもいいなあ……」
「俺、一辺に頼むかな、カレーと、スパゲティと、ステー……」
「……おほん!」
「冗談だよ……、幾らなんでもそんなに食わねえよ……、
睨むなよ、腹黒」
「そんなに食べても食べなくても……、最後のは駄目っ!」
アルベルトが横目でじっとジャミルを見る。
「はいはい……、えーと、んじゃ、このガーリックチキンソテーの
スープ付き、頼むよ」
「はい」
「じゃあ、私はボンゴレお願いしまーす!」
「あ、オイラは甘口カレーにカツのトッピングで……」
「僕は、ムール貝のバターソテーにサラダ付きを頼みます」
「はい、オーダー有難うございます」
「……堅苦しいモン頼むなあ、アルはよ、カツ丼におしんこと
味噌汁つきでいいじゃんか」
「僕のイメージ壊さないでくれる……?」
やがて、食事も終わり、メイドさんがサービスのコーヒーを
4人に差し出す。
「どうぞ……、ごゆっくり……」
「……ふわぁ……、ルザミん時みたいな糞コーヒーじゃなくて
本当美味いわ」
「ホント、美味しいね!」
「んん~何か……、オイラ、大人なかんじい~……」
「はあ、身体が温まる…」
「……」
「アイシャ、どうかしたか?」
「え?ええ……、と、何でもないよ……」
(何だか誰かに見られてる様な……、変な視線を感じるのよね……、
どうしてかしら……)
「そろそろ店出ようか」
一番最初にアルベルトが椅子から立ち上がった。
「ああ、今日の飯も終りかあ~、……ウ~ンっ!」
ジャミルが大きく食後の伸びをする。会計を済ませ4人は外に出る。
辺りはすっかり暗くなっていた。でも、漸くこの地でも朝、昼、夜と
きちんと時間が判別出来る様になったのである。
「さて、今日の夜はどうしようか……」
「折角……、リムルダールに来てるんだから……、玉には宿屋に
泊りたいけど……、オイラ達……、あんまりお金ないしねえ……」
「そうね、又野宿かしらね……」
ゾーマ消滅後、モンスターも大人しくなった為、ゴールドの
稼ぎ口は洞窟等で鉱石などを探して売ったりして生計を立てるなど、
一行にはあまり金銭的に余裕が無かった。
「今日の夕飯は……、洞窟で偶々見つけた宝石が当たって売れたからな……」
「……うう……、ビンボー冒険者は厳しいよおお……」
ダウドが唸る。……其処へ……。
「……あの、皆さま……、お仕事をお探しですか……?」
突然……、フードを被り、ローブを羽織った男が一向に近づいて来た。
「ん?あんた何だい?」
(……この感じ……、さっきレストランで感じた変な視線だわ……)
怪しい人物はベラベラと勝手に話を始める。
「……ゾーマが消えた後……、この世界でも、ここ最近
彼方此方でこれまで見られなかった新たな洞窟や塔など……、
次々と発見されているのはご存じですか……?」
「ああ、俺達も情報が入る度、少しずつ回っちゃいるけどさ……」
「リムルダールの南に、又新しい洞窟が見つかったのですよ」
「え?そうなのか……」
「どうでしょうか?……皆様に……、その、新たな洞窟の
最初の探検者として……、洞窟レポのお仕事をお願いしたいのですが……」
「そりゃいいけど……、あんた何処の組合のモンだい……?それか
冒険者ギルドか何かか……?」
怪しい雰囲気を察し、ジャミルが疑って聞いてみる。
「えーと、ま、まあ……、そんな処です……」
男はエホンとちょっと咳払いをする。
「あやしいよお……」
「それで、報酬は……、ざっとこんな処ですが……」
「ん?」
男が一向に料金の明示書を見せた。
25000G……
「だと……?」
……4人が顔を見合わせる。
「おい……、こんだけありゃあ……、一か月は安泰だぞ……」
「モンスターはもう出ないんだから……、そんなに危険な
仕事でもないよお……?」
作品名:zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 新たなる冒険へ 作家名:流れ者